グラビア 介護の現場を支える 医療法人あすか会 サービス付き高齢者向け住宅Cocode百楽園(奈良県) 取材先データ 医療法人あすか会 サービス付き高齢者向け住宅 Cocode(ここで)百楽園(ひゃくらくえん) 〒631-0024 奈良県奈良市百楽園5-4-19 TEL 0742-44-7777 FAX 0742-44-6680 写真・文:官野 貴  「医療法人あすか会」は、奈良県の奈良市、生駒(いこま)市で介護老人保健施設などを運営し、地域で医療・介護・リハビリテーションを一体的に提供している。介護補助などとして、障害のあるスタッフ7人が活躍しており、人手不足に悩む介護の現場において、彼らが貴重な働き手となっている。「サービス付き高齢者向け住宅Cocode(ここで)百楽園(ひゃくらくえん)」で働く嶋(たかしま)一至(いたる)さんもその1人だ。  嶋さんの勤務は、午前9時から午後3時までの6時間。午前中の業務は、朝食で使用した食器の後片づけと洗浄から始まり、机の消毒、昼食の準備や配膳と進む。昼休憩を挟み、午後の業務も昼食の後片づけからスタート。日替わりでシーツ交換や個室の掃除、外構のゴミ拾いや草むしりなども行う。その後、夕食に向けて料理の湯煎や食器の準備を進める。最後に、廊下の手すりやエレベーター内の消毒を行い、一日の業務が終わる。  同法人では、それぞれのスタッフに対してサポートを行う職員を決めており、勤務開始時にその日の業務全体について指示を行い、途中経過についても進捗確認を行っている。嶋さんは、サポート担当者が作成した「仕事の時間わり」に基づいて作業を進め、作業の区切りで作業完了を示す丸印を時間わりに記入し、作業を忘れることを防いでいる。  介護の現場はさまざまな業務があり、障害のあるスタッフの特性や適性に合わせた業務が切り出せるという。一人ひとりに合った業務を担当してもらうことが、スタッフのやりがいにつながり、長く働きたいと思える職場となっているそうだ。また、障害のあるスタッフが補助業務を担当することで、職員が介護業務に集中できる環境がつくり出されている。このように同法人では、障害のあるスタッフが介護の現場において欠かすことのできない人材となっている。 写真のキャプション まずは朝食の後片づけ。各フロアから食器などを回収する 食器は、泡立てた洗剤液に浸けて汚れを落ちやすくしたのち、予洗いする 予洗いした食器を手際よくラックに並べ、食器洗浄機に投入する 昼食の準備。別施設で調理された料理を湯煎にかける。温度管理が重要だ 湯煎にかけた料理を食器に盛りつける 本日のメニューは、コロッケとゆで卵、ブロッコリー 利用者に合わせて、飲み物を用意する 介護職員と連携して配膳を進める 利用者の希望に沿って、食堂や個室へと配膳する 嶋さんは、介護をともなわないシーツ交換も担当している シーツ交換とあわせて、個室の清掃も行う。すみずみまでキレイに 手すりの消毒も大切な業務の一つ 作業の区切りごとに、「仕事の時間わり」をチェックする 「仕事の時間わり」。嶋さんは、さまざまな介護補助業務を担当している