ミニコラム 第33回 編集委員のひとこと ※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は平岡委員が執筆しています。  ご一読ください。 目ざす方向性、ありたい姿を共有し、ともに進んでいこう サントリービバレッジソリューション株式会社人事本部副部長 平岡典子  今回取材した株式会社マイナビパートナーズで、社長の藤本さんは誰もが活躍するための道を拓き、未来への道標となる。≠ニいう目ざす方向性を掲げた。そして、社員一人ひとりに「道を切り拓く先駆者になろう!」と、ありたい姿への期待を伝え、社員はその期待に応えようと努力する姿があった。  発達障がいのある方々の未来のために、だれも歩んでいない、挑戦したことのない道を進んでいく決意と覚悟を感じた。  藤本さんが自ら目ざす姿の先頭に立ち、みんなに「こっちだよ」と指揮しながらも、ときには隣に寄り添い、ときには一番後ろから社員たちを温かく大らかな気持ちで支えている。そんな姿が浮かんだ。  実際に発達障がいのある社員たちが、目の前のさまざまな課題や困難を乗り越え、自らの成長を実感しているのだ。自分の居場所を見つけ輝いている。私は取材を通して、従業員の方の満ち足りた表情に出会い、だれかの役に立つ喜びを実感し成長している姿を知った。  自分たちの会社や組織をどうしていきたいのか。一緒に働く障がいのある方たちにどうなってほしいのか。「目ざす方向性」、「ありたい姿」を明確に掲げ、共有したうえで、ともに歩むことが非常に大切であると、あらためて感じた。  そうすることで、人が育ち、組織が育つ。  いま、みなさんのいる組織の目ざす方向性はどんな姿ですか?かかわっている障がいのある方にどうなってほしいですか?  私には16歳になるダウン症の息子がいる。彼が生まれたときに思った。彼が大人になっても笑顔で過ごせる社会にする。生まれてきた意味をまっとうできる社会にする。彼に対しては周囲に愛される人になってほしいと願い、伝え続けている。  そのために、障がいのある人もない人も交りあって互いの強みを認め合いながら、一緒に社会をつくっていく必要性を感じた。だれもが堂々と活き活き生きる社会づくりは道半ば。できることから一歩ずつ歩み続けると私は心を新たにした。 ★本誌では通常「障害」と表記しますが、平岡委員の意向により「障がい」としています