11技能競技DTP講 評主査 今回のDTP種目の競技課題は、「周囲に誤解されるので、せきやくしゃみがしづらい」という花粉症患者の方に配布を予定している「花粉症ストラップ」のデザインとその利用を促進するポスター広告物の制作です。 社会的にも感染症に対する不安を抱える中でのタイムリーなテーマについて、招聘選手を含めた17名の参加選手で競ってもらいました。この掲示広告を見た方が「花粉症ストラップ」の意味をすぐに理解し、偏見のない対応を心掛けようと“心に留める”魅力的な作品を制作することを競う課題に取り組んで います。 昨年に引き続き、事前に公表した内容に沿ってデザイン案を練ってくる課題形式の下で、写真素材に ついても2点持込可となったため、ツールとしてのストラップのデザインのみならず、利用目的を広く 周知するためのポスターとしての視覚性やインパクト、具体的なイメージの実現に、各自苦慮したのでは ないかと思われます。写真素材の自由度が上がった中で、ストラップを周知できるデザインをいかに 表現できるか、アイデアや創造力を存分に発揮されたことと思います。近年DTPの傾向としては、印刷物に仕上げるデータ作成の確かな技術と優れたデザインが要求されます。イメージやインパクトのある デザインが重要視され、アイデアを明確に表現するデザイン性の高さが求められます。 今回の競技結果は、金賞・銀賞が各1名、銅賞2名、努力賞1名の結果となりました。コロナ禍の中での無観客開催といった状況にも拘らず、僅差を競い合う高水準の作品が多数並ぶ中で、課題テーマの趣旨を理解し効果的に表現できた作品が選ばれた結果となりました。参加者の技術レベルは年々確実に向上 しており、今後も楽しみな結果であったことを申し添えておきます。 最後となりますが、競技を無事終了できましたことは、競技専門委員をはじめとした主催者並びに愛知県関係者の方々の多大なるご支援とご協力の賜物と、深く感謝申し上げます。千知岩 浩一
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