21技能競技歯科技工講 評主査 歯科技工は都道府県代表選手3名+招聘選手2名の計5名で競技が行われました。前回に引き続き全員が国家資格である歯科技工士免許を取得しており、日々業務として歯科技工を行っている方々の競技となっています。 課題は処置が施された部位3か所に硬質レジンを盛り上げ、自然感のある色調と形態を作り上げていくことと、歯を失った部分に人工歯を並べて咬み合わせる内容でした。 歯科技工物は口腔内に入って機能することに加え、審美的なことが求められるため非常に繊細な作業であり細やかな感覚が大切になります。したがって使用器具などは普段使い慣れたものを持ち込み可能とし、競技前日に入念なセッティングをしてもらいました。 しかし、競技当日は日常の作業環境と大きく異なる部分も多々あり、共用機材までの動線や作業手順等、各選手が創意工夫をしながら取り組んでもらいました。 受賞に関しては、金賞1名のみとなっています。大会1か月前に練習用模型を配布して準備をしていただきましたが、特徴ある歯の形態であるため戸惑う部分もあったと想像できました。厳しい条件の中、実力を出し切れた選手もいれば思い通りに行かなかった選手もいたと思います。しかし、技術を競う競技に参加するチャレンジ精神と行動力、そして大会本番において作品として仕上げられた実績は必ず自身の糧となるはずですので、各選手の今後さらなるご活躍を祈っています。 最後になりましたが、多くの方々のお力添えがあり今回も無事に競技終了できました。参加選手、職場の方々のご理解やご支援、協賛協力いただいた株式会社松風様、株式会社ジーシー様、日本歯科技工士会、愛知県歯科技工士会、栃木県歯科技工士会、そして大会に携わった皆様方に深く感謝申し上げます。中坂 聖
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