第40回全国アビリンピック大会報告書
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35技能競技製品パッキング講 評主査 製品パッキング競技は、様々な業種の最終工程を担う梱包作業を“速さ”と“品質”で競う競技です。第40回愛知大会で9回目を迎え、現在の材料を使った課題としては5回目の競技開催となりました。今大会は新型コロナウイルスの影響で大会自体の開催も心配されていましたが、機構職員の方をはじめ、多くのスタッフの尽力で無事に開催された事、大変感謝しております。 今回より選手の技能向上に合わせ、課題の一部を変更し難易度を上げた内容で競技に臨んでいただきました。 課題1「緩衝材の組立・結束」では、ほとんどの選手が30分の時間内に課題数量を作成することができています。また、完成した製品のほとんどで品質での減点がありませんでした。課題①は速さを重視する競技内容ですが、速さだけでなく品質も向上しているのがとてもよくわかります。一部で紐の緩みがありましたが、そのほとんどが1本目の紐の緩みですので、緩衝材をしっかり揃えてから結束するようにすれば解決できると思います。 一方で、課題2「小箱・中箱・化粧箱・外箱の組立・セットアップ梱包」では昨年からの課題である品質について今回も多くの課題の残る結果となりました。それが今回の厳しい表彰結果につながっています。特に今回目立ったのが「シワ」です。本来、シワが多く発生するのが化粧箱 身・蓋ですが、今回はそれにプラスし中箱に多く見られました。中箱にある窓部分周辺にこのシワが多いことから、抜き屑を取る際のシワや窓周辺の罫線を折る際にできたシワだと推測できます。早さも大事ですが、シワが発生しやすい箇所や作業などポイントを絞り改善していく必要があります。毎回、講評で書いていますが、常に安定した品質を作り出すことがモノづくりの基本です。安定した品質→時間短縮というステップで練習していただき、次回大会では質の向上を期待しております。 最後に、コロナ禍で練習環境が整わない中、頑張って競技に臨まれた選手、ならびに支援者の方々、大変お疲れ様でした。そして大会関係者のみなさまをはじめ、多くのスタッフのおかげで無事に競技を終える事ができました。心より感謝申し上げます。 参加された選手の方々の今後の活躍をご祈念いたします。鈴木 陽一

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