第40回全国アビリンピック大会報告書
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49技能競技パソコン操作講 評主査 パソコン操作は、視覚障害者が「画面情報読み上げソフト(以下、スクリーンリーダー)や「画面拡大ソフト」などの支援ソフトを使用して、表計算ソフトやブラウザなどの操作力を競う競技です。 スクリーンリーダーは、入力する文字やその変換の状況、画面に表示されている文字や操作メニューなどを読み上げることにより、視覚障害者のパソコン操作を支援します。 今回、表計算ソフトの課題は、基本的な関数の理解のほか、勤務時間の計算、テーブルの書式設定、グラフの作成とその視覚的要素の修正などでした。また、インターネット検索問題は、指定されたファイルを官庁のWebサイトからダウンロードし、そのファイルを加工する課題でした。また、今回は日本語ワープロを使用した差し込み印刷も出題しました。いずれの課題も実際の業務でよく使われている操作を意識した課題でした。 選手のみなさんは、公開課題をよく勉強されていたと感じました。一方、実際の事務職では、表計算ソフトの基本的な関数の理解、日本語ワープロソフトの操作力、インターネットの検索力も必要となります。今後のさらなる操作力の向上に期待したいと思います。 視覚障害者は、スクリーンリーダーなどの支援ソフトを使うことにより、ビジネスソフトの操作が可能です。ひとりでも多くの視覚障害者の方が、就労や勤務の継続ができることを切に願います。そのためには、視覚障害者当事者のたゆまぬ努力だけではなく、多くの企業が合理的配慮により視覚障害者の働くための環境を整えることに理解を示して欲しいと思います。 今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を講じて実施された大会でした。 パソコン操作競技が無事に実施できたことについて、選手や支援者の皆さま、競技補佐員をはじめすべての関係各位にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。石川 充英

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