55技能競技木工講 評主査 木工競技は、11月14日(土)に昨年と同様、中部国際空港セントレア隣接の愛知県国際展示場で行われました。今年は、コロナ禍での開催のため集合しての開会式・閉会式が行われず無観客で競技大会が実施されました。競技の模様は、ライブ配信されました。 会場入口で、大会関係者、参加選手、報道スタッフなど厳しい入場制限があり、隣りの技能五輪会場への入場も出来ないほどでした。会場入り口の通路では、検温・手のアルコール消毒やマスク着用のチェックなど普段とは異なる状況下での大会でした。大会が無事終了できたことは、多くの皆様の御努力と参加者皆様のご協力の賜物と深く感謝申し上げます。今大会は、国際大会(ロシア)に出場する選手の選考も兼ねているため、過去3大会の金メダル受賞者を向かえ入れての競技大会となりました。 競技は、午前9時に開始し、昼食休憩をはさみ終了が15時(延長終了時間16時)と長丁場です。選手は、日頃の練習の成果を発揮し、墨付け・加工・仕上げ・組み立てを手際良くこなし、全選手が時間内に課題を提出することが出来ました。 木工競技は、14名(3名は招聘)の参加選手で行なわれました。競技課題は、平成11年にこの競技が開設されて以来同じ課題で、蓋付き木箱の製作です。競技標準時間は、5時間とし、さらに1時間後を打ち切り時間と設定しています。提出課題の評価は、加工精度、できばえ、作業時間、作業態度の4項目で行い、これらの点数の合計を成績としています。競技の結果は、金賞1名、銀賞1名、銅賞3名で、選手一人ひとりの力量が高く、レベルの高い大会でした。特に、金賞と銀賞の差は少なく全体の仕上がり、留の付き具合、三枚組の胴付の付き具合などの状態の良否で決まりました。 今年は、コロナ禍で練習にも支障があったと思いますが、蓋の製作から箱本体の製作に至る一連の流れが理解でき、部材の墨付けから加工・組み立てに至る基本が練習によって備わっていたと感じました。日頃から研鑽を積まれ競技大会に参加された選手の皆様及びサポートされた方々に敬意を表します。小林 正道
元のページ ../index.html#57