第41回全国障害者技能競技大会報告書
19/156

17技能競技講 評主査 和田 浩一 建築CAD競技は、6名の選手が参加して行いました。課題は、建築汎用2次元CADシステム(AutoCADあるいはJW_CAD)を用いてA3版用紙2枚に鉄筋コンクリート造3階建て1/100の図面(各階平面図、立面図、断面図)を描き上げ、図面としての作品を作製するものです。各階平面図と断面図には、詳細な寸法の情報が記載されていないため、同時に配布する構造部材リスト、建具リスト、建築設備リスト、外部階段詳細図を参照しながら総合的に判断して図面を描き上げなければなりません。 今年は、小規模な3階建てホテルを課題としました。1階は、事務室、厨房、レストラン、機械/ボイラー室、エレベーター等を備え、2階と3階は、客室、ベンダー、リネン/倉庫、屋内・屋外階段となっています。描く図面もA3版2枚のため、線の量が多く難易度が高くなっています。 競技の結果、1人の選手が銀賞となりました。今年のような課題に対応するためには、直ぐに作図したくなる気持ちを抑え、しっかりと図面を読み込み、如何に効率良く作図を進められるか十分に検討する必要があります。2階の図面は、コピー元となる客室の完成度を上げて作り込み、コピーや反転コピーを駆使しながら描きます。また、今年は建具のデータを配布しなかったため、建具も自ら描かなければなりませんでした。そのため、建具を1つ作った後に変形しながら、全ての建具を一気に作り上げておくことも必要です。建具をその都度つくるとCADツールを選択するために多くの時間を費やしてしまいます。CADツールの変更を可能な限り少なくすることが速く描き上げるための大きなポイントです。その他、レイヤー管理も編集(包絡処理や線分の部分削除など)の効率化に影響します。銀賞となった選手は、これらのことが上手くできていました。これらのことをトレーニングすることで金賞、あるいは入賞が期待できます。次の大会での選手の活躍を期待しています。 最後に、競技を無事に終えることができたことを選手及び選手に指導されている指導員の方、大会関係者、競技スタッフの方々に心から感謝いたします。建築CAD

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る