第41回全国障害者技能競技大会報告書
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22技能競技DENTAL TECHNIQUES歯科技工41th被せもの等の製作は、歯科医院で口の中を型採ったものに石膏を流して模型を・製作し、その模型で歯科技工士が製作を行います。今回は顎の動きを再現させる・ための器具(咬合器)に装着された状態から競技がスタートします。上顎の被せものを製作するために処置が施された部分には、歯科用ワックスを盛り上げて歯の形を作ります。失われてしまった奥歯には、人工歯(歯の色、形に作られた・既製品)を使って上の歯と咬み合うように調整します。前歯は、見た目や顔の・イメージに大きく関係する部分なので特に慎重な作業が必要です。顎の動きを・考慮して周囲の歯と馴染むような形態を作り上げます。奥歯は噛み合わせを・考慮しながら前歯と同様に顎の動きを邪魔しない位置に人工歯を並べて調整・する技術が必要となります。また、歯が抜けたことにより痩せてしまった歯茎を歯科用ワックスにて回復します。 今回のアビリンピックは初めて地元である東京での開催でしたので特別な感情もあり、金賞受賞したい気持ちが今までのアビリンピックよりも強く意識していました。 そして今までアビリンピックは数回出場しましたが、銀賞2個、銅賞2個となかなか金賞受賞出来ず、悔しい思いをしましたが、今回やっと念願の金賞受賞出来て、とてもうれしく思います。今回は今までのアビリンピック開催と違って、初めて12月開催となり、我々歯科技工士にとって年末は毎年多忙である為、調整は容易ではなかったのです。特に私のようなベテランは指名のケースもあってきつかったです。しかも練習は職場ではやりませんでした。何故なら明るさとか歯科技工の仕事の条件の合う環境での練習は全く意味がないからです。今までの競技会場はドーム型の中ですから、かなり暗かった経験があります。しかもとり目の私にとっては不利なので、家の暗い場所を選んで練習しました。そういう意味で目に慣れておけば、本番での障害にならないと思い、家での練習を選んだのです。そして寒さも考慮し、使用するワックスは性質上、寒い環境では割れやすいのです。その為、割れないよう練習するため、わざわざ暖房なしでやりました。しかし本番は暖房が効いて予想より暖かく、予想は外れたけどワックスの扱いのスピード倍増に役立ったのでプラスでした。本番では何回参加しても緊張感は相変わらずで雰囲気にのまれそうでしたが、自分との戦いに勝つことができ、これまでにない達成感がありました。 これから出場を目指す方へのメッセージですが、やはり歯科技工は経験の積み重ね、練習の積み重ね、知識の積み重ねが絶対不可欠ですので、職場での真摯な取り組みで心構えし、仕事を楽しむようにすることです。そうすれば結果は各々とついてくると思いますので、金賞受賞出来るよう頑張ってください。私も今後の技術向上、後進の育成に頑張りたいと思います。金賞受賞者の感想中澤 昇一 東京都■ 参加選手数 3名■ 協賛企業等株式会社ジーシー歯科技工

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