第41回全国障害者技能競技大会報告書
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37技能競技講 評主査 鈴木 陽一 製品パッキング競技は、様々な業種の最終工程を担う梱包作業を“速さ”と“品質”で競う競技です。今大会で10回目を迎え、現在の材料を使った課題としては6回目の競技開催となりました。コロナ禍で練習環境が整わない中、各選手と指導にあたった関係者の努力で前大会以上のレベルの向上がみられた事に敬意を表したいと思います。 今大会では特に“速さ”の部分でレベルの向上がみられました。時間短縮を図るためには正味作業の“折る”“縛る”“テープを貼る”などの作業を単に早くするだけでなく、それに繋がる付帯作業を如何にコンパクトにするかが重要です。各選手がこの内容を理解しているかが段取りにあたる競技前準備に表れていました。材料や治工具のレイアウトで人の動作や作成する流れが決まります。この内容を理解し各選手がレイアウトを重視する事が結果として“速さ”のレベル向上に繋がったと思います。その一方で毎回課題となる“品質”ですが、課題1では一部の選手に紐の緩みがあったものの過去にあるような極端な緩みのものが少なくポイントを押さえれば直ぐに解決できるレベルにあります。課題2では今回も目立ったのが「シワ」です。特に化粧箱 身・蓋、中箱の3つにシワが集中していました。早さも大事ですが、シワが発生しやすい箇所や作業などポイントを絞り改善していく必要があります。そのためには、正しいやりかたをするより自分にあったやりかたを見いだす事が一番の近道です。選手を指導する方は選手の特徴を捉えそれに合ったやりかたを選手と共に見いだしてください。 最後に、コロナ禍で練習環境が整わない中、頑張って競技に臨まれた選手、ならびに支援者の方々、大変お疲れ様でした。そして大会関係者のみなさまをはじめ、多くのスタッフのおかげで無事に競技を終える事ができました。心より感謝申し上げます。 参加された選手の方々の競技に挑む姿勢や高い技能、そして何より選手一人ひとりの頑張っている姿が私達専門委員だけでなく大勢の見ている人に感動を与えました。皆様の今後の活躍をご祈念いたします。製品パッキング

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