第41回全国障害者技能競技大会報告書
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51技能競技講 評主査 石川 充英 今回の出題は、どの課題も実際の業務で使用する頻度が高いものを出題しました。具体的には、エクセルの関数とグラフ作成、エクセルで作成したグラフをパワーポイントで利用する、エクセルのデータをワードの差し込み印刷機能で利用する、インターネットからデータを確認してエクセルファイルのフォーマットに記載するなどでした。 また、公開課題のほかに、エクセルの基本関数、はじめて確認するエクセルのデータを処理して読み取れるものを報告するデータ処理について、本番課題では追加して出題しました。 選手のみなさんは、公開課題を通してよく学習されていたと思われます。一方、はじめてのデータをどのような角度から処理して分析するのか、そのためにはどのような機能を使うのか、たとえばピボットテーブルの活用、時間短縮のための基本的な操作など、もう少し力をつける必要があるとも感じました。 視覚障害者は画面情報読み上げソフトや拡大表示機能などの支援機器を活用することにより、このようなパソコン操作は可能となります。そのようなパソコン操作力をもつ視覚障害者の方が、ひとりでも多く就労することができ、また継続勤務して、力を発揮していただきたいと切に願います。 視覚障害者にも従来のエクセルやワードだけではなく、テレワークにより導入が加速化されたチャットをはじめとするコミュニケーションツールなど、さまざまなソフトウェアの操作力がますます重要となってきています。視覚障害者ご自身のたゆまぬ努力はもちろんですが、Webサイト、コミュニケーションツール、基幹システムなど視覚障害者が画面情報読み上げソフトなどの支援機器を使う際のアクセシビリティや働くための環境を整えるなど、合理的配慮に多くの企業や社会が理解を示して欲しいと思います。パソコン操作

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