第42回全国障害者技能競技大会 大会報告書
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技能競技建築CAD 建築CAD競技は、5名の選手が参加して行いました。課題は、建築汎用2次元CADシステム(AutoCADあるいはJW_CAD)を用いてA3版用紙2枚に鉄筋コンクリート造3階建て1/100の図面(各階平面図、立面図、断面図)を描き上げ、図面としての作品を作製するものです。各階平面図と断面図には、詳細な寸法の情報が記載されていないため、同時に配付する構造部材リスト、建具リスト、建築設備リスト、外部階段詳細図を参照しながら総合的に判断して図面を描き上げなければなりません。 今年は、小規模な3階建て集合住宅課題としました。1階と2階・3階共に、2種類の住戸で構成されています。描く図面もA3版2枚のため、線の量が多く難易度が高くなっています。 競技の結果、2人の選手が銀賞、さらに1人の選手が銅賞となりました。今年のような課題に対応するためには、直ぐに作図したくなる気持ちを抑え、しっかりと図面を読み込み、如何に効率良く作図を進められるか十分に検討する必要があります。今年の課題は、特に東側と西側のプランが、建物中心にある階段室に対して対称の関係にあり、さらに1階と2階の住戸が同じプランになっています。そのため、1階住戸の半分を正確に作成し、コピーや反転コピーを駆使しながら同じ階の残り半分を仕上げ、さらに1階から2階・3階へコピーして描きます。一見、簡単なコピー作業のように見えますが、引き違い窓など、反転すると不都合な建具や、階段の描き方も各階によって違うものもあります。これらの特性に気を配りながら作図作業をすることがポイントでした。これらの判断が正確で迅速にできるようになることで金賞、あるいは入賞が期待できます。次の大会での選手の活躍を期待しています。 最後に、競技を無事に終えることができたことを選手及び選手に指導されている指導員の方、大会関係者、競技スタッフの方々に心から感謝いたします。主査15和田 浩一講評

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