第42回全国障害者技能競技大会 大会報告書
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技能競技義肢 本競技は、義肢の採型・製作・適合という一連の作業のうち、最も重要とされている「ソケット」の製作を課題としており、義足ユーザーにとってこのソケット部分の適合が悪いと実使用に至らなくなります。したがって、課題評価については、ユーザー目線によるアウトカムメジャー(成果指標)を考慮し、実使用を想定した製作となっているかというところに重点を置くことにしております。 競技前日の下見では、定められた持参すべき工具の確認、使用機器の調整、動作確認のほか、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年よりも広い競技エリア内での移動経路の確認など、万全な準備を行いました。競技当日、4名の選手は良い緊張感の中、高い集中力で競技に打ち込み、全員が規定時間内に完成しました。その後、複数の競技委員で寸法精度、出来栄え、作業態度などの各要素について詳細に定められた採点基準に基づき、厳正に審査させていただきました。その結果、銀賞1名、銅賞1名の結果となり、残念ながら金賞受賞者はでませんでした。しかし、他の2名の方々を含め、義肢製作においては比較的短期間での修得経験であることを鑑みると、規定時間内に怪我なく完成させた点については大いに評価されるべきと考えます。また、製品製作における一つ一つの工程の中で、実使用を十分に意識した作り込みをしていることは見て取れましたので、あとはこの意識を形にするという技術・技能の向上に研鑽を積み、使用者にとってより良い義肢を製作していただきますよう期待しております。 最後になりましたが、選手の皆様、選手の指導者、応援や見学者の方々、機器の貸与・調整、材料の準備、競技会場の設営など、ご支援ご協力いただきました関係各位、義肢装具士養成校・各企業・団体の皆様のご協力により、無事に大会を終えることができましたことを心より感謝申し上げます。主査19水澤 二郎講評

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