第42回全国障害者技能競技大会 大会報告書
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技能競技製品パッキング 製品パッキング競技は、様々な業種の最終工程を担う梱包作業を“速さ”と“品質”で競う競技です。第42回大会は昨年と同じく21名の地方大会を勝ち抜いた選手が参加し開催されました。課題内容は前年と同じですが、今回は選手の技能レベル向上にともない審査はより厳しく行っております。特に毎回課題となる“品質”については完成品の見た目だけでなく外から見えない内側まで確認し評価させていただきました。 “速さ”を重視する課題1では、紐を使っての結束がポイントとなります。毎回、紐の緩みを指摘していますが、上位選手ほど結束前の製品の置き方を重視しています。個々の緩衝材を正しく■えて置く事で、結束する際に生じる紐の緩みを少なくする事と同時に緩衝材を■えなおす修正作業を無くす事が出来ます。つまり時間短縮に繋がるということです。一般的に完成品を作り上げるにはいくつかの工程がありますが「後工程はお客様」というように次の工程へ良い状態で受け渡す事で生産性向上や品質向上に大きく寄与する事が出来ます。ムダな作業となるこの修正作業を無くす事が今後の課題といえます。“品質”を重視する課題2では過去の大会でも多かった化粧箱 身・蓋、中箱のシワを如何に出ないように折るかがポイントです。今大会では特にこの「シワ」について厳しく評価しています。毎回、講評の度に書いていますが、速さも大事ですが、シワが発生しやすい箇所や作業などポイントを絞り改善していく必要があります。そのためには自分にあったやり方を見いだす事が一番の近道です。選手を指導する方は選手の特徴を捉え、それに合ったやり方を選手と共に見いだしてください。また、どのレベルの品質を目指すのかを具体的にすることも大事です。上位選手の中にはシワが出ないようにあえて一工程増やしシワが出ない工夫をされている選手もいます。上位選手ほど速さより品質を重視する傾向が有り、シワの無い製品を作り上げる事を目指している様子を強く感じました。シワが1つでもあれば不良品です。常に安定した品質を作り出せる様に練習していただき、次回大会では更なる質の向上を期待しております。 最後に、頑張って競技に臨まれた選手、ならびに支援者の方々、大変お疲れ様でした。そして大会関係者のみなさまをはじめ、多くのスタッフのおかげで無事に競技を終える事ができました。心より感謝申し上げます。 皆様の今後の活躍を祈念いたします。主査35鈴木 陽一講評

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