技能競技パソコン操作 今回の課題は、視覚障害者が事務職として実際の業務で使用する頻度が高いものを出題しました。公開課題では、エクセルの関数、ワードの差し込み印刷、パワーポイントの基礎操作を出題しました。さらに本番では、インターネットで検索したデータをエクセルのフォーマットに記載、エクセルでマップグラフを作成し、その内容を分析することを追加して出題しました。 選手のみなさんは、公開課題を通してよく学習されていたと思われます。回答を作成する過程での操作方法はもちろん、課題文を把握しやすくするためにエディタ機能を利用するなど、選手のみなさんの努力や工夫をたくさん確認することができました。 一方、課題文の指示を読み違える、コピーする箇所の選択を間違えるなどのケアレスミスも散見されました。また、他者が操作することを考慮して適切な方法を選択すること、グラフは作成するだけではなく、分析まで意識することが重要であると考えます。 視覚障害者が事務職として業務をおこなう際には、エクセル、ワード、ブラウザ、メールの操作力は大変重要で、そのスキルを向上させる必要があります。 さらに、チャットなどのコミュニケーションツールやブラウザをベースとした基幹システムの利用時には、幅広く高度な操作力が必要となります。しかし、セキュリティが強化されたシステムやネットワークにおいては、視覚障害者が使う画面情報読み上げソフトでは読み上げができないなど、視覚障害者の努力だけでは解決できない事象も増えてきています。 一人でも多くの視覚障害者がその能力を発揮できるよう、企業や社会がスキルアップのための研修受講や合理的配慮、アクセシビリティの保障に関して、理解を示して欲しいと思います。主査49石川 充英講評
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