第42回全国障害者技能競技大会 大会報告書
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技能競技木工 「金賞は 熊本県 松内宏幸さんです!」表彰式で、わたしの名前が呼ばれました。すると周りの熊本県選手団のみんなから「わーっ」という声があがりました。わたしは真っ直ぐに表彰台に向かって歩きました。「やった!」と思いました。 わたしがアビリンピックを知ったのは、大津支援学校に通っていた時です。今、通っている多機能型事業所カサ・チコに実習に行った先輩に「カサ・チコからアビリンピックの全国大会や世界大会に出た人がいる」ということを聞きました。木工に興味があったので、わたしもやってみたいと思いました。 カサ・チコに通いだしてから練習を始めました。指導いただいた三山所長は選手を何人も育てた方でとても熱心です。道具の名前、使い方、使う時の姿勢など丁寧に教えていただき、一つ一つ手順を覚えました。同じところを何度も間違えて注意されることもありましたが、カサ・チコの他の選手と一緒に、暑い中、汗をかきながら練習しました。 3か月練習して、県大会に出場することを10年近く繰り返しました。ようやく、昨年全国大会に出場でき、今年は金賞をいただきました。講評では「今後もしっかり練習してね」と言われましたので、これからも技術を磨いていきたいと思います。 ご指導いただいた三山所長、応援してくれたカサ・チコのみんな、大会を運営いただいた関係者の皆様にお礼を言いたいです。本当にありがとうございました。 競技課題は「蓋付き小箱」の製作です。家具製作には、「■く」、「欠き取る」、「掘る」または「削る」等の基本的作業があります。この作業には、「のこぎり」「のみ」「かんな」などの手工具を使用しますが、これらを使いこなすことは、機械作業ではできないような完成度の高い、洗練された製品を作り出すことを可能とします。競技課題のうち、箱本体は、部材の長さを木づくりし、図面を見ながら墨付けを行い、のこぎり・のみで組み手を加工し、仮組み・目違い払い(板を組み合わせてできる段差をかんなで削る作業)を行った後、底板取り付け用の段欠き(角材や板材の一辺を直角に欠きとること)をします。そして、仕上げ削りの後、釘と接着剤で組み立てて、一部ダボを埋めてから、全体をかんなで削って完成させます。また、箱の蓋は、部材を仕上げ、面取り後に、留加工(棒材を45°にのこ■きし、かんなで削る)を施し、全体を平紐で巻いて組み立てます。表裏の目違いを払った後、本体との位置決めを行うための桟を内側に打って完成となります。金賞受賞者の感想54■ 参加選手数 10名松内 宏幸熊本県木工WOOD WORK

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