第43回全国障害者技能競技大会報告書
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技能競技9家具 競技課題の「花台」は、製作図に基づき、現寸図を作成し、手工具、木工機械を使用して仕口工作を行い、…脚部と板物からなる形状のものを木ねじで接合し製品を製作します。競技課題のレベルは、技能検定「2級家具製作(家具手加工作業)」課題と同程度となっており、中級技能者が通常有すべき技能が必要な内容となっています。(※1) 今年度の大会では、2名の選手が参加しました。打ち切り時間いっぱいまで健闘しましたが製品が組み…あがらなかったため、入賞にはつながりませんでした。 入賞こそは逃しましたが、初挑戦ながら各選手とも堂々とした仕事ぶりや安全に配慮した仕事の進め方は、日頃の仕事に対する真摯な態度が見受けられました。とはいえ、仕事にしろ競技にしろ、限られた時間内に納めることが最優先です。競技時間内に終わらせるためには以下の3点を参考に再挑戦してください。 1点目は、競技課題は事前に公表されているので、課題の構造・仕口を理解し、寸法は予め頭に入れておくことが時間短縮につながります。2点目は、仕口のどの要素から加工し始めるかで、加工精度が高くなり…修正の手間が減ります。3点目は、材料の性質を理解し接着硬化時間を考慮して、形状が安定するための…仕事の進め方を再検証してください。 競技大会では、想定外のことが多々起こります。大切なことは、日々の技能の研鑽の積み重ねです。自ら…刃物を研ぎ、道具を調整することが微かな変化に気づく礎となり、自分に対する自信につながります。日々の備えが一歩引いた冷静な視点を養い、トラブルにも動じない力を発揮します。 結びに、ロシア・ウクライナ戦争や地球規模で発生する自然災害などの深刻なニュースで閉塞状態が続く中、新たに家具競技に臨んだチャレンジ精神に心から敬意を払います。また、選手を支える指導者や周りの皆様、大会関係者に感謝いたします。(※1)実務経験2年以上(職業訓練歴、学歴等により短縮される場合があります。)主査小山 真子講評

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