第43回全国障害者技能競技大会報告書
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技能競技義肢 本競技は、義肢の採型・製作・適合という一連の作業のうち、最も重要とされている「ソケット」の製作を課題としており、義足ユーザーにとってこのソケット部分の適合が悪いと実使用に至らなくなります。… したがって、課題評価については、ユーザー目線によるアウトカムメジャー(成果指標)を考慮し、実使用を想定した製作となっているかというところに重点を置くことにしております。具体的には寸法精度、でき…ばえに加え、作業態度、作業速度も評価の対象になります。 競技前日は、下見を行い、定められた持参すべき工具の確認、障害の状態に合わせた工具の取り付け位置や機械等の配置の確認、使用機器の調整・動作確認、競技エリア内での移動経路の確認など、万全な準備を…行いました。 大会直前に辞退者があり、参加者1名の競技となってしまいましたが、競う相手は自分自身という気概が感じ取れ、事前に考え抜かれた加工法や作業に集中する姿は、見学者を含め、周りの人を惹きつける実に…見事な作業でした。 競技後、複数の専門委員により各評価要素について厳正に審査した結果、見事に金賞という結果になり…ました。限られた時間の中で、いかに工程ごとに作り込むことができるかが技術・技能の向上に繋がると…お考えいただき、今後、義肢が国際アビリンピックで実施されましたら国際アビリンピックでの上位入賞を目指して、さらに研鑽を積み、非の打ち所がない義肢を製作していただきますよう切に願うところです。 最後になりましたが、選手の皆様、応援や見学者の方々、地元愛知県の補佐員の方々、陽性モデルの製作、工作機器等の貸与・調整、材料の準備、競技会場の設営など、ご支援ご協力いただきました関係各位、義肢…装具士養成校・各企業・団体の皆様に心より感謝申し上げます。主査水澤 二郎19講評

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