第44回全国障害者技能競技大会報告書
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技能競技DTP主査11 今大会の課題を作成するにあたり、DTP競技の原点に戻ることを大前提として考えました。DTPは紙媒体への出版を主眼とした情報発信のためのデザイン(あるいはレイアウト)技術です。伝えたい情報を…①わかりやすく整理し②視認しやすく配置し③人目を惹くアイキャッチを与える、これらの技術に加え、…紙媒体=印刷工程で意図通りの製品が出来上がるところまでが制作者が担う責任範囲となります。その…ため、上記のデザイン技術に加え、間違いのないデータを作成するスキルも改めて重点を置いて審査いたしました。また、事前に制作したデータの持ち込みをやめ、競技時間内で制作した成果を競う形にしたのも、…時間内でデータを作り上げる力を発揮していただきたいと考えたからです。 競技本番では、多くの方が時間いっぱいまで試行錯誤を重ね、作品を仕上げられたのが印象に残って…います。事前にデザイン案を考えていたとはいえ実際にデータを配置してみると迷うこともあったと思いますが、それぞれの個性を持った作品が仕上がっていました。 結果として今回も僅差の結果となりました。年々レベルは向上し拮抗していることを実感しています。…その中で、デザインの力に加えて情報を整理して表現する力を発揮された方に評価が集まったと思います。また、印刷工程に渡すための要件を満たしたデータづくりの項目ですべての方が満点ではなかったことも…DTP競技としては満たすべき項目であり、この競技に関わる方に改めて意識してもらいたいと考えて…います。 時代は紙媒体からwebにシフトしつつあり、DTPスキルの意義も問われることも増えてくるのではないでしょうか。しかし「情報をデザインする」力量は使う媒体に関わらず必要不可欠なものです。DTP…競技で磨いたスキルは自身の支えになるものと信じて研鑽を続けてほしいと願っています。 最後に、今回も選手の応援やサポートに関わった各府県の方々に感謝申し上げます。次回もよりハイレベルな競技になることを期待しております。大野 謙治講評

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