第44回全国障害者技能競技大会報告書
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義肢ARTIFICIAL LIMB MAKING𠮷原 晃一 競技課題は、「下腿義足(PTB式:patellar tendon bearing)ソケット」 の製作です。『義肢』とは、疾病や事故などにより失った手や足の外観や 機能を補完する人工の手・足のことをいい、特に手の代わりとなるものを「義手」、足の代わりとなるものを「義足」と言います。この義肢製作に 当たっては、切断部分(「断端(だんたん)」と言います)の形状を正確に 型採りし、解剖学的・人間工学的知識を基に断端モデルを修正した後、 修正されたモデル(陽性モデル)に合わせた正確な加工・組み立てを行うなど、様々な技術・技能が要求されます。今回の競技では、義肢の中でも 特にそのフィッティングが難しい「ソケット」と呼ばれる部分を製作 します。ソケット本体の加工法は、注型法と呼ばれるもので、この方法により繊維強化プラスチック製のソケットを作ります。一般財団法人啓成会西武学園医学技術専門学校JUKI販売株式会社18 はじめに、今大会にお声がけいただき、休日の練習にも指導していただいた、熊本の義肢装具士養成校の先生、大会出場を快く承諾していただき、練習環境を整えてくださった所属会社役員、…また応援し支えてくれた家族など皆様のおかげで金賞を受賞することができました。本当にありがとうございました。 競技課題である下腿義足ソケット製作は、序盤の工程が出来栄えに直結するので慎重に進行…する必要がありますが、最初から時間をかけすぎると規定時間に間に合わなくなってしまう。焦る気持ちと葛藤しつつ、練習より上手くできたところもあり、自分の力は出し切れたのではないかと思います。  アビリンピックは今回初出場でしたが、大会のスケールや参加者皆様の気迫、高い技術にとても感動し、気持ちが引き締まりました。また、今年の会場である愛知県国際展示場は、空港と宿泊施設への移動もしやすく、シャトルバスも短い間隔で運行しており、利用者私たちのことをよく考えていて素晴らしい環境だと感じました。 この大会をもっとたくさんの人に知ってほしいと思うと同時に、日頃仕事を頑張っている障害者の皆さんの目標となる大会になりますようこれからも応援しております。最後に、次回の国際…アビリンピックで義肢種目が実施されましたら是非ともまた出場したく、そのためにこれから…練習を重ね、この職業においてレベルアップしていきたいと思います。■ 参加選手数 2名■ 協賛企業等長崎県44th技能競技金賞受賞者の感想義肢

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