第44回全国障害者技能競技大会報告書
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技能競技義肢主査19 第44回全国障害者技能競技大会が昨年に引き続き愛知県国際展示場で開催され、義肢職種には2名の選手が競技に参加しました。義肢使用者が日常生活動作はもとより、就業や余暇に行う運動、スポーツ競技までも可能とさせているのが本課題の「ソケット」部分の適合や構造によるものです。生体と機械部分の接合部分としてのクッション性と実使用に耐えうる剛性を、いかに整合性の良い構造として実用的なものにするかは、機械加工のみに頼った方法だけでは難しいところであり、ハンドメイドにより達成できるところも含まれております。 参加選手のお二人の経験年数は余り長くはないのですが、事前にしっかりとした対策を講じてきた様子で、競技前日の下見においても、持参工具の確認、作業台の仕様及び使用機器類の調整、動作確認を入念に行っておりました。競技当日は、コロナ前のように多くの来会者の前での作業といったこともあり、かなり緊張した様子でしたが、準備をしてきた自分を信じて熱心に競技に打ち込み、無事に規定時間内に完成させることができました。いかに実使用に繋がるかを、寸法精度、出来栄え、作業態度、作業速度などの面から厳正に審査させていただいた結果、見事金賞1名、銀賞1名の結果となりました。欲を言えば、緊張のため普段通りの作業が出来難かったせいか、標準時間内に完成させることを優先したところもあり、これがなければより完成度の高い製品になったと思われます。 最後になりましたが、選手の皆様、選手の指導者、応援や見学者の方々、機器の貸与・調整、材料の準備、競技会場の設営など、ご支援ご協力いただきました関係各位、義肢装具士養成校・各企業・団体の皆様のご協力により、無事に大会を終えることができましたことを心より感謝申し上げます。水澤 二郎講評

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