木工CABINET MAKING-BASIC福島 大樹 競技課題は「蓋付き小箱」の製作です。家具製作には、「挽く」、「欠き取る」、「掘る」または「削る」等の基本的作業があります。この作業には、「のこぎり」 「のみ」「かんな」などの手工具を使用しますが、 これらを調整して使いこなすことで、機械作業ではできないような完成度の高い、洗練された製品を作り出すことができます。 競技課題のうち、箱本体は、部材の長さを 木づくり(長手部材と短手部材に切り分ける)し、図面を見ながら墨付けを行い、のこぎりで縦挽き・横引きを行い、のみで組み手を加工します。その後仮組みをし、目違い払い(板を組み合わせてできる段差をかんなで削る作業)を行い、底板取り付け用の段欠き(角材や板材の一辺を直角に欠きとる こと)をします。そして、手かんなで仕上げ削りをし、糸面を取ったら、組手に接着剤を付け、端金で圧締し、釘を打って組手を固定します。ダボで穴を埋めたら、全体をかんなで削って完成させます。 また、箱の蓋は、部材を仕上げ、面取り後に、留(45°)加工を施し、全体を平紐で巻いて組み立てます。表裏の目違いを払った後、本体との位置決めを行うための桟を内側に打って完成となります。54 私は第44回全国アビリンピック技能競技大会木工の部で金賞を受賞する事が出来ました。 4回目の全国大会出場だったので、それほど緊張しないで競技を始める事が出来たのですが、…ノコギリの刃をクランプに当ててしまい刃が曲がり修正に時間を取られました。また、本体の…木取りをお願いする時に先に木取りをする選手がいて待たなくてはいけなくなり、そこでも時間を取られ練習の時に比べて時間がかかってしまいました。標準時間が迫ってきてこのままでは…時間内に完成出来ないのではないかと焦ってしまい、その焦りから天蓋裏桟材の釘打ち前のキリで印を付ける時に寸法を1つだけ間違えてしまいました。なんとか標準時間内で仕上げる事は…出来たのですが失敗もあったので入賞は諦めていました。ところが成績発表では金賞で自分の…名前を呼ばれたので、とてもびっくりして嬉しく「やったー」と叫んでしまいました。 私は4回目の全国大会出場で金賞を受賞することが出来ました。カンナの調整など青木家具…製作所の皆さんの指導のお陰で、初めての大会出場の時は出来なかったことが少しずつ出来る…ようになって上達した結果だと思います。出来ないことが出来るようになる事、そのために諦めずにチャレンジする事が大事だと感じました。今まで私を信じてくれて応援してくれた青木家具の皆さんに感謝しています。 あと、アビリンピック全国大会という日本一を決める大会があったから、ここまで頑張ることが出来ました。高いレベルで頑張れる大会を開催してくれた皆さんにも感謝しています。ありがとうございました。■ 参加選手数 10名岩手県44th技能競技金賞受賞者の感想木工
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