第44回全国障害者技能競技大会報告書
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技能競技木工主査55 今大会は、11月23日(土)快晴の中、昨年同様、愛知県常滑市セントレアで開催されました。 競技開始は、午前9時からで、昼食休憩をはさみ終了が15時(延長終了時間15時30分)です。選手は、蓋の加工から始め、次に本体加工に入ります。本体の部材は、長手部材と妻手部材(短手)を一本で支給しているため、とりわけ作業を行います。 木工競技は、10名の参加で行われ、競技課題は、蓋付き木箱の製作です。課題の評価は、加工精度、でき…ばえ、作業時間、作業態度の4項目で行い、減点数の少ない方が上位となります。競技の結果は、金賞1名、…銀賞1名、銅賞1名で、残念ながら努力賞の該当者はありませんでした。 競技会で感じたことを記述すると、二つあり、一つは、道具の使い分けです。のこぎりの使用で、ほぞ挽き・胴付き・釘切りのこを正しく理解し使い分けましょう。特に、釘切りのこで、ほぞ挽きを行っている選手が…見受けられました。釘切りのこは、アサリがないため、挽いていると重たくなり、ついつい力が入り、挽道が曲がってしまいます。ほぞ挽きのこぎりを使いましょう。また、筋ケ引きを上手に使いこなして下さい。縦墨(部材の繊維方向)は、ほぼ皆さん使用していましたが、胴付きの墨(繊維と直行方向)は、スコヤと白書きで…行っていましたが、筋ケ引きを使うと墨付けが早くなります。ただし、条件があり、箱部材を長手と妻手…(短手)に切り分け、長さと直角を正確に出す必要があります。 二つ目は、カンナの調整で、刃の研ぎと台直しを行って下さい。仕上げカンナは、刃口近辺と台尻を同じ…高さにして、台頭は、少し落として下さい。 道具の調整や使用法を正しく理解し練習に励まれると、もっと早く正確で綺麗に作品を製作できると…思います。 45回大会から、「三枚組接ぎ」が「あり組接ぎ」に変更になります。是非、挑戦してください。小林 正道講評

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