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第1回国際アビリンピック概要

大会名誉総裁に皇太子殿下(当時)を迎え、第1回国際アビリンピックは、国連で定めた「国際障害者年」である1981年の10月21日水曜日から23日金曜日までの3日間にわたり、日本の首都東京で、世界で初めて開催されました。
初めての大会にもかかわらず、56カ国(地域)から841人の参加者が集いました。
日本からは、職業技能競技17種目に76名、デモンストレーション9種目に27名、展示8種目に18名、計121名の選手が日頃鍛えた技能を競い合いました。
日本の競技結果は金賞11人、銀賞12人、銅賞8人と好成績でした。

第1回国際アビリンピック入賞者

参加種目 氏名 参加種目 氏名
旋盤 林 篤也 建具 火原 富士夫
フライス盤 山田 幸夫 建築製図 山中 剛
洋裁 阿部 なら子 機械製図 垣原 隆博
洋服 山口 三木男 木工塗装 岩崎 富男
家具 川井 梅夫 写真植字 白波 清美
建具 梅山 政博 広告美術 今咲 克己
建築製図 矢代 雅寛 木彫 古田 隆司
機械製図 伊藤 誠 洋裁 森園 ツミ子
写真植字 日高 喜代子 家具 山田 進
広告美術 末富 啓二 建具 永沢 正敏
毛糸編物 岩本 良子 機械製図 谷本 美弘
旋盤 小沢 直樹 テレビ修理 窪田 夫美男
時計修理 西野 正毅 広告美術 岩竹 幹雄
洋裁 目黒 峰子 毛糸編物 弓田 そのえ
洋服 森 一志 木彫 鎌仲 清信
家具 辻井 収      

新聞記事

東京新聞(1981年10月27日)

23日閉幕した国際アビリンピックは、この社会の理解を深めるという意味では、実に大きな役割を果たしたといえそう。車いすや松葉杖などの身障者が400人以上も世界から集まってきたというのは、わが国でも初めての経験だし、そういう身障者が、そろいもそろって、一流の職業技能を持ったプロだということは、だれにとっても驚きだったに違いない。

週間労働ニュース(1981年10月26日)

競技大会で示されたものは、単にすぐれた技能と能力だけではない。障害者の職業を通じて自立するという真摯な生き方であった。障害者の能力と意欲にこたえた雇用の機会の拡大が望まれる。

選手団からの手紙

カナダ選手団 ポール・セイヤー氏

国際アビリンピックは、質、スケールともに私たちの予想を超えるものでした。日本および世界各地から集まった多くの組織があれほど効率よく協力しているのも大変感銘深いことでした。障害者の能力についてアビリンピックが劇的ともいえる形で提示したことは、国際障害者年のテーマを如実に例証したことになりましょう。

ヨルダン選手団 ジョーン・マジャリ氏

空港、ホテル、選手村そして本部のスタッフの方々に賞賛の言葉を贈ります。またボーイスカウト、ガールスカウト、自衛隊、赤十字、調理関係者、そしていうまでもなく優れた仕事をし、貴国の若い人達の素晴らしい姿を見せてくれた多くの語学ボランティアの方々にもお礼を申し上げます。主催国日本は実に“不可能を実現”されたのであり、これはまさに国際障害者年の世界的ハイライトでありました。