障害者雇用事例集(H31)
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社員数が急速に増え、さまざまな課題に直面するなか、障害のある社員自らが主役となって、「委員会活動」などを通じて会社の運営に参画しています。当社の特徴の一つとして、役付者の約半数に障害のある社員を登用し、各職場で他の社員の育成・指導を担っていることがあげられます。この4月には初めて精神・発達障害のある社員を役付者に登用することができました。2020年には新本社ビルをオープンし、全社員が新社屋での勤務となります。2023年度までには障害のある社員数を375名程度に拡大し、今まで以上に障害のある社員が活き活きと、より安心して長く働き続けられる職場づくりを目指していきたいと考えています。また、年間1500人を超える見学者の受入れや、社外の研修会への講師派遣などを通じて、大変微力ではありますが、社会全体のダイバーシティ、障害者と、障害者が働くことへの理解の促進に少しでも役に立って参りたいと考えています。今後は、定年まで少しでも休みなく働き続けていきたいと思っています。Bさん(勤続25年)以前は製造部門で印刷・製本に関する仕事をしていましたが、加齢にともない耳鳴りやめまいが続いていました。体力的にもつらくなってきたため、社内留学制度での経験もふまえて、事務部門に配置転換してもらいました。現在は体調も安定し、休まず働けています。1期生として入社しましたが、会社が大きくなり若い人も増えてきました。これからは事務の仕事をすべて覚えて将来的にはマイスター(事務上級職)になり、後輩を育てていきたいと思っています。また、業務以外でも活躍できるように「委員会活動」のリーダーなどさまざまな役割を設け、社員が自己肯定感を高められる「輝く場所」づくりを大切にしています。新人や職種変更した者には専任のアドバイザーを配置し、マンツーマンで指導・育成を行っています。時には同じ障害のあるアドバイザーを担当にすることで、当事者視点のきめ細かなサポートを行っています。23企業の声企業の声社員の声社員の声現場担当者の声現場担当者の声優秀賞杉山 良樹さん(代表取締役社長)当社では創業以来、障害のある社員が中心となって、「お互いの障がいを理解し、支え合う」企業文化を育んできました。昨年度創業25周年を迎え、障害のある社員数も290名となり、障害種別も多様化しましたが、引き続き95%を超える高い定着率を維持しています。これは自らの障害を理解・受容し、発信しやすい環境を整え、一人ひとりの障害を「個性」として理解し、お互いに尊重することで安心して働ける風土が根付いていることが大きいと思います。Aさん(勤続25年)お客様の引っ越しなどにより郵送した通知などが不着となった際に、新しい住所を調べるために公的機関に照会するための事務(返信用切手の貼り付け、三つ折り、入力作業など)を行っています。持病や加齢により体調が安定せず、欠勤を繰り返していましたが、勤務時間の配慮や体力的に無理のない仕事に変更してもらい職場復帰することができました。体調にあわせて無理なく働けるよう会社がサポートしてくれるので感謝しています。相井 弘幸さん(業務部次長、企業在籍型ジョブコーチ)障害のある社員に働くことを通して「やりがい」を感じてほしいと思っています。本人の選択を大切にしながら、個々の状況・成長ペースに応じて、長く働き続けられることを優先しており、できるかぎり業務を細分化して個々の社員の能力に応じた業務付与を行うとともに、スキルアップの意欲が高い社員にはどんどんチャレンジしてもらい、「障害者リーダー」を増やしていければと考えています。吉田 瑞穂さん(業務部課長代理、障害者職業生活相談員)私は耳が聞こえませんが、他の社員に私の代わりに電話に出てもらったり、時には私が車いすの社員の書類を高い棚へ保管したり、お互いがお互いを支え合いながら仕事をしています。社員それぞれ障害は違いますが、同じ会社の仲間であるからこそ理解しあえる、助け合える風土があります。

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