障害者雇用事例集(H31)
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以前の作業現在の作業グループ作業現在の作業部署32①後遺症に配慮した使用設備の変更後遺症に対応した設備の改善と、単独作業への配置転換②単独作業への転換有限会社キホク (愛媛県松山市)改善前の状況Aさんは28年前から勤務していたが、平成29年11月に脳出血を発病し入院・加療。2ヵ月半後に職場復帰を目指したが、左上下肢機能の低下(後遺症)のため、元の職場に復帰したものの、作業精度や作業ペースに課題があり、グループ作業では作業速度に周りの社員の差が発生することから、Aさん自身も周りの社員との差を気にしてしまい、不安を感じるようになっていた。改善策1改善後の効果使用する設備の変更、単独作業への配置転換により自分のペースで安定して作業を進めることができ、精神的負担も軽減された。作業効率面での課題は残るが、責任をもって作業を行い安心して仕事を任せることができる存在となっている。休職前、洗ったおしぼりを一枚一枚広げて、汚れ、ほつれ、生地の薄さなどをチェックし、選別したおしぼりを包装機械に入れる作業を担当していたが、この作業は広げたおしぼりをまっすぐに機械に入れる必要があった。しかし、左半身の動きが鈍くなり体が少し傾くようになったAさんは、その影響で、おしぼりを正しい角度で置くことができなくなり、作業精度が低下した。そこで、同じ包装部門ではあるが、今までとは異なる包装機械を使用することとした。そこではおしぼりを半分に折り機械に投入するが、折り方や置く方向に多少のズレがあってもきれいに巻ける機械を使用しているため、作業精度面での課題は低減された。休職前のAさんが担当していたラインは、複数の社員が横一列に並んで作業する環境のため、他の社員の様子が気になる環境であった。復職後、後遺症により作業効率が低下したAさんは、以前の自分や周囲との作業速度の差にいらだちや焦りを感じ、精神的負担となっていた。そこで単独で行う作業部署への配置転換を行った。配置転換後は自分ひとりのペースで作業を進めることができる環境であり、周囲を意識することもなくなり、落ち着いて作業できるようになった。

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