障害者雇用事例集(H31)
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68内部障害【肝臓機能障害】知的障害精神障害発達障害重労働や残業などの制限が望まれます。肝機能障害は自覚症状が現れにくく、無理をして状態を悪化させることがあるため、本人の自己管理とともに、周囲の理解と配慮が大切です。いろいろな人から説明や指示を受けると混乱してしまいます。担当者をはっきり固定することが大切です。機械を導入し工程を単純化したり、工程を細分化して作業を可能にした例も多くあります。「それ」「あれ」などの言い方や抽象的な表現は避け、簡潔で具体的な表現が大切です。絵や図を使ったり、注意事項などは黒板に書いたりするのもよいでしょう。やってみせて、次に、本人にやらせて理解を確かめます。一般に文章理解、数字の操作が苦手ですが、1個できあがるたびにカウンターのボタンを1回押すことで数をかぞえなくてもよくする、砂時計やタイマーを使用して正しいタイミングや必要な時間の長さを測るなど、道具の利用や工夫によって解決できることもあります。心身が疲れやすいので、短時間勤務からはじめ、体力の回復状況を見ながら徐々に延長するとよいでしょう。職場で日常的に関わることができ、信頼関係を築くことのできる担当者を決めておくことも大切です。判断・責任などの精神的プレッシャーに弱い場合には、当初はあいまいな部分を減らし、迷う余地がないようにします。工夫・応用が苦手なことがあるので、作業の流れや手順を決めるとよいでしょう。通院・服薬の遵守に配慮することが必要です。必要に応じて医療機関や支援機関と連携してサポートすることも大切です。いくつかの対応方法例として、職場において確実に守るべきルールは文章や図示など、メモにして具体的に示す、社内の役職に応じた適切な対人対応については、それぞれの役割を明示し、モデルを示すなどの方法があります。作業の優先順位については、メモ帳や手帳などを利用して、担当作業をリストアップする方法が有効です。わからないときは、優先順位の指示を担当者に求めることに決めておきます。変化に対する不安を軽減するには、作業時間・工程をあらかじめ確定し伝える、残業や納期の変更は早めに指示する、メモを取って復唱させるといった方法があげられます。障害特性をふまえた配慮事項

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