障害者雇用事例集(H31)
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病気等で利用できる休職制度を1か月以上利用する労働者は1,000人に3.7人、その休職者100人に9.6人は障害者でした。身体障害の事例どの程度仕事ができるか分からなかった本人に合う適当な業務がなかった本人の状態に関する正確な医療情報が得られなかった本人が休職前の職場に復帰することにこだわった職場復帰に関する就業規則上の規定が無かった上司や同僚の理解が得られなかった主治医の意見聴取に関して本人の同意が難しかったどこに相談してよいか分からなかったその他障害者の職場復帰やその後の職場定着においてはさまざまな工夫や配慮が必要となることがあります。 ここでは、事例調査等から得られたさまざまな工夫や配慮について、環境に関すること、職務に関すること、情報及びコミュニケーションに関することの3つに分けて紹介します。精神障害の難治性疾患の事例事例0%20%29.7%16.3%14.2%12.4%8.5%6.2%2.5%「採用後に障害者になった人の職場復帰ガイド」より抜粋平成30年3月 障害者職業総合センター40%60%39.2%*企業が抱える復職時の課題*多くの企業が「(復帰した本人が)どの程度仕事ができるか分からなかった」ことを挙げています。80%100%84.9%(n=1,463)70●環境〜設備・時間等〜第1種作業施設設置等助成金を活用し、①下肢障害者のためのトイレ設備、②内部障害者のためのエスカレーターの設置を行った。●情報・コミュニケーション本人、家族の不安を軽減するため、就業規則(病休・休職期間、その間の給与等)、本人の休職期間について、きめ細やかな説明を行った。ラッシュに巻き込まれることなく、人工透析治療に通えるよう、始業・終業時刻を前倒しした。勤務時間を1か月ごとに見直せる短時間勤務制度を活用できるようにしたことにより、段階的に勤務時間を延長した。コアタイムを設けないフレックス制の導入により、定時出勤等に不安を抱える障害者を支援した。関連会社の社員のマイカー通勤への同乗通勤を可能とすることにより、通勤手段を確保した。企業見学会等により、先行企業の取組を学び、施設改善に役立てた。復職のみならず、症状の進行時には診察に同席し、主治医より具体的な配慮事項等についてアドバイスをもらった。●職務〜調整・変更〜営業職であったが①下肢障害、②内部障害により、外勤中心の業務が難しくなった2人の社員について、それぞれの担当職務を、①営業事務と営業職の教育係、②資料の企画・作成・印刷とし、キャリアをいかした職務創出を行った。休職前の職務から、一部の職務に特化することにより、負担の軽減を図った。休職前の職務のうち、本人にとってストレスの高い一部の作業を取り除くことにより再発防止に取り組んだ。関係機関からのアドバイスをもとに、職務を選定し、ジョブコーチ支援等を活用しながら、新たな職務への適応を支援した。身体的負荷が低く、症状が進行しても長く続けられるパソコン入力業務の担当とした。本人の同意を得て、早期から診察に同席し、就業規則や復職支援に対する考えを主治医にも伝え、信頼関係を築くことにより、会社が医療情報やアドバイスをもらいやすくした。ハローワークや地域障害者職業センターから、職務調整等に係るアドバイスをもらい、助成金及びジョブコーチ支援を活用した。(事業主の方へ)ヒント集中高年齢層の社員の雇用継続に役立つ資料採用後に障害者になった人の職場復帰ガイド「採用後障害者の職場復帰の現状と対応に関する研究」より

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