就業支援ハンドブック実践編
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第2章事例1 事例1 地域障害者職業センター 発達障害43提案3 ストレスサインが何かを整理し、自分に合った対処方法を習得する提案5 就職活動と並行し、就職に向けた準備(パソコンの操作スキルの向上)を進める提案6 生活面のサポートが受けられる他の支援機関に登録をすると思われる。特に、苦手となる作業の段取りを行うことや職場におけるコミュニケーションについての配慮を得ることで、得意な作業に集中でき、結果として作業スピードの向上に繋がると思われる。さらに職場におけるストレスも軽減されることから、安定した職業生活に繋がると思われる。(検討結果)Aさんは提案に同意。障害を開示して就職活動を行うことになる。安定して働くために、調子を崩すきっかけは何かと調子を崩す時のサインは何かについて整理する。併せて整理したストレスサインについて、どのような対処法が効果的であり、かつ自分に合うのかを整理した上で習得を図る。(検討結果)Aさんは提案に同意。但し自分一人では整理できそうにないため、サポートを職業センターに希望する。提案4 企業に対し、自分の得意・不得意や必要な配慮について説明できるようにする企業側が受け入れる際の障害に対する不安を軽減し、かつAさんの障害特性を的確に理解してもらうため、自分自身の特徴をまとめて整理し、企業に説明できるようにする。(検討結果)Aさんは提案に同意。但し自分一人では特徴をまとめられそうにないため、サポートを職業センターに希望する。労働習慣及び生活リズムの維持を図りながら、就職活動と並行して簡易事務作業に従事する際に必要とされるパソコンの操作スキルの向上を図る。(検討結果)Aさんは提案に同意。Aさんからは、パソコンの操作スキルの向上のため、「先日購入したタイピングソフトや表計算の参考書で勉強することでよいか?」と質問があったため、まずはその方法で進めてもらいながら習得状況を定期的にカウンセラーと共有することとした。生活面の困り事に対する相談も含めた就職後の身近な相談機関として、障害者就業・生活支援センターに登録する。なおAさんは、就職後も継続的に相談できる支援機関を求めているため、登録のみに留まらず、そこのスタッフとの信頼関係を築くようにする。併せて、障害を開示しての就職活動に備え、ハローワークの専門援助部門にも求職登録を行うようにする。(検討結果)Aさんは提案に同意。障害者就業・生活支援センターへの登録については、「相談できる機関が増えることは有難いが、当面は職業センターでの相談に一本化したい。」と話された。そのため、現段階では職業センターが主体となり就職支援を行うが、他の関係機関への登録が必要となるタイミングが来れば、再度Aさんと相談することを伝えた。上記の提案3〜5については、職業センターの職業準備支援の利用が効果的なことを提案したところ、Aさんは利用を希望した。

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