就業支援ハンドブック実践編
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第2章事例3 Point14  。事例3 就労移行支援事業所 精神障害85② 作業内容を軽作業のみにする。③ 昼食時などの対人関係が濃密になる時間はスタッフがこまめに声かけをする。そして1か月弱この様な働きかけを続けたところ、Aさんの様子にも変化が見られ、作業中の混乱がなくなり、必要以上に焦って仕事をすることもなくなった。また以前の様な明るさが戻り、表情の硬さも和らいだ。個別相談では、「周りのことがそんなに気にならなくなった。私の思い過ごしだったのかもしれない。」との話があり、Aさんと職員は時間をかけて通所日を4日に戻していくことを共有した。トレーニングを支えているのは個別支援計画です。個別支援計画における目標は、トレーニングを進めるうえで利用者と支援者の共通言語となります。トレーニングの状況をみながら、目標達成に向けた最適な方策を常に検討し、見直していきます。<Aさんの3か月間のトレーニングを通じてアセスメントしたこと>個別支援計画書の目標① 決めた日はB事業所に休まず通い体力をつける。② 通所にあった生活のリズムを作る。※ その他Aさんと共有したこと途中、頑張り過ぎて、疲れが出た時もあったが、上手に休みを入れて乗り越えることができた事をAさんと確認。また「人の目が気になる」「人が自分の悪口を言う」などの思考は、「疲れのサイン」である事をAさんと共有した。新たな個別支援計画書の作成にあたり、Aさん、サービス管理責任者、職員の3者面接を実施した 目標を決めるとそれを忠実に頑張る人。しかし、頑張り過ぎている自分に気づかず、休むことが上手く出来ないため、時にはスタッフが助言してトレーニングの負荷を下げたり、対人関係の調整をする支援が必要である。また、不調のサインについて共通の言葉を作り、Aさんと共有することが必要である。休みなく通所しており、通所が生活リズムの一つになっている。今回は、一旦達成した目標として評価する。しかし、今後さらにトレーニングの負荷がかかると支援の必要が出てくる項目となりうる。職員のアセスメント137 モニタリングを通した再プランニングAさんがB事業所への通所を開始し、3か月が経過した。そこで職員は、サービス管理責任者に状況を報告し、この間の振り返り(モニタリング)を行って新たな個別支援計画書(再プランニング)を作成することを提案した。

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