就業支援ハンドブック実践編
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3 第2章事例490第2章 事例4 各種検査、体験利用プログラム等によるアセスメントとプランニングで会話がかみ合いにくい。なお、Aさんは互いのコミュニケーションがかみ合いにくいことに、気付いている様子である。○Aさんのニーズ・ とにかく早く働きたい。・ 事務職であれば過去に経験もあり、身体的にも楽だと思う。・ ハローワークでもらった障害者委託訓練にも興味がある(チラシを持参)。○家族のニーズ・ まだ仕事ができるとは思っていないが、将来的に働けるようになって欲しい。家計を心配する必要はないため、職務内容などの勤務条件は問わないつもりでいる。・ まだ働くことは難しいと思うことをAさんに話してはいるが、自分からハローワークの窓口に相談に行ってしまう。また外出すると何をやっているのか分からないため、周囲に迷惑をかけていないか心配である。<就労支援員の観察状況>・ 会話ではつじつまが合わないことも多く、その場しのぎで話しているようにも窺えた。・ 自分自身の状況を客観的に理解しきれていない様子が窺えた。なお、話しぶり等からやや自己評価やプライドが高い印象を受けた。本人と家族のニーズにギャップがあることも多々あります。インテークの段階でそのギャップを確認し、今後の支援における調整ポイントとして把握しておくことが重要です。本事例における本人と家族のニーズのギャップは、下記の点になります。・ Aさんはすぐにも働きたいと言うが、家族はまだ難しいと思っている。・ 家族は難しいと言っているのにもかかわらず、Aさんは障害者委託訓練のチラシを持ってきては、受講希望を口にし、ハローワークの窓口に相談に行ってしまう。・ Aさんは朝早くから出かけるが、家族には自分の行動を伝えないため、家族は心配している。なお、Aさんは心配されていることに気づいていない。

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