ー不動産・物品賃貸業(不動産取引業)一副社長若林剛さん今から10年前のこと、ハローワークから障害者雇用の相談を受けたのがきっかけで具体的な取組を始めました。「企業の社会的責任」、「法令遵守」などの世の中の流れ、今後の会社のあり方を考えたとき弊社社長より「すぐに障害者雇用に取り掛かるように。」と会社として推進するように指示がありました。しかし、現場の反応は否定的で社内では「どうして精神障害者の雇用なのか。」との反応でした。実際に教育をする担当者達にはそれぞれ戸惑いがあったようです。障害者の中には、突然泣き出す人やいなくなってしまう人、周りと調和がとれない人、その度に現場の担当者達は四苦八苦していたようです。その際に助けていただいたのが地域の就労支援センターの方々です。精神障害者に対する沢山のノウハウや病気の特性をよく知っているのでアドバイス等は大変参考になりました。精神障害者の方は職場(人)とのマッチン久教育担当者達の配慮があれば高い能力を発揮します。実際に業績向上にも繋がっています。当社では精神障害のある社員を採用することで、社員、職場の雰囲気が変わったことを実感しています。引き続き障害者雇用(職場定着)に取り組みたいと考えています。職務内容と工夫担当職務の設定(Aさん)担当職務の設定(Bさん)Aさんは入社5年目。入社当初は、説明のときに使うパンフレットの準備、資料のマーカー処理なとの比較的簡易な作業に従事していたが、現在は、保険見積書の作成、電話応対、書類の整理なとの職務に従事し、職務の広がりとともに、責任も重くなるなど着実なキャリアアップを図っている。北見泰子さんBさんは入社2年6か月。入社当初は、説明資料の準備(パンフレットのセット)、ファックスの送信など比較的簡単な職務に従事していたが、現在は火災保険のサポート、保険の見積書の作成、社員のスケジュール管理、郵便物の集計などの職務に従事している。職務の広がりとともに、自分のスキルを活かしながら職場の重要な一翼を担っている。初めての障害者の採用で苦労しましたが、雇われる人も不慣れ、雇う人も不慣れ、いわば双方不慣れの中では、最初から上手く行かないのが当然と今になって思います。指導に際しては、幾つかのポイントがあると思います。一つ目は、地域の就労支援センターを積極的に活用することです。特に、支援者に実際に職場を見てもらうことは、本人と職場とのマッチングに繋がります。また、本人の状況を第三者の目で客観的に判断してもらうことで課題解決に役立ちます。二つ目は、指導者が本人の「できる仕事」と「やりたいと思う仕事」を見極め、本人ができる仕事から始めること。また、指導者の選任については、指導者自身の責任が過重にならないための配慮が大事だと思います。三つ目は、家族の協力を得ることです。体調が悪い場合や災害時の連絡など、家族の協力が大事だと思います。
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