支援機関の活用や企業内における専門人材の育成等による 精神障害者の職場改善好事例集 平成26年度 障害者雇用職場改善好事例募集の入賞事例から 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 はじめに  独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構では、事業所における障害者雇用及び職場定着を進めるため、雇用管理や職場環境の整備等様々な改善・工夫を行った障害者雇用職場改善好事例を募集し、優秀な事例を表彰、広く周知しています。本募集は平成3年度から開始し、近年では年度ごとにテーマを設定し募集を行っております。  平成26年度においては、支援機関の活用や企業内における専門人材の育成等による精神障害者の職場改善好事例を募集いたしました。全国の事業主の皆様から多数のご応募をいただき、審査員による厳正なる審査の結果、7事業所の入賞を決定いたしました。  このたび、これらの事例を「支援機関の活用や企業内における専門人材の育成等による精神障害者の職場改善好事例集 ―平成26年度障害者雇用職場改善好事例募集の入賞事例から―」としてご紹介します。障害者の雇用促進と職場定着のためにご活用いただければ幸いです。  最後にご応募いただきました事業主の皆様、そしてご協力いただいた関係機関・団体等の皆様にはあらためて感謝申し上げます。 平成27年3月 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 CONTENTS 平成26年度障害者雇用職場改善好事例集 はじめに P.1 目次 P.2 精神障害者とは P.4 用語解説 P.6 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 最優秀賞 第一生命チャレンジド株式会社(東京都北区) P.8 安心して働ける環境を整え、課題に対して段階的にチャレンジすることで、社員としての成長を促す取組を実現 キーワード:1.不安の軽減 2.支援機関との連携 3.出勤の安定 4.コミュニケーションの改善 5.職域拡大 6.モチベーションアップ 7.キャリアアップ 8.個人目標の設定 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 優秀賞 新潟ワコール縫製株式会社(新潟県新潟市) P.14 障害者職業生活相談員と第2号ジョブコーチの役割分担の明確化や定例会議の設定により、所内の雇用管理体制を充実 キーワード:1.社内サポート 2.業務体制の工夫 3.情報共有 4.不安の軽減 5.相談の工夫 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 優秀賞 THK株式会社 山口工場(山口県山陽小野田市) P.18 社員の職場復帰に向けて、従業員の不安軽減のため支援機関と連携して社内体制を整備し、円滑な職場定着を推進 キーワード:1.支援機関との連携 2.情報共有 3.社内サポート 4.不安の軽減 5.社内研修 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 農業生産法人 株式会社GRA(宮城県亘理郡山元町) P.22 就労支援機関などを招いた社内勉強会の開催を契機に、障害のある社員の働きやすい環境の整備、サポート体制の構築を推進 キーワード:1.社内研修 2.支援機関との連携 3.社内サポート 4.情報共有 5.職務遂行の工夫 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 株式会社ヨークベニマル 大野目店(山形県山形市) P.26 初めての精神障害者雇用のため、ジョブコーチ支援や各種制度を活用して社内の支援体制を整え、職場定着を実現 キーワード:1.支援機関との連携 2.不安の軽減 3.社内サポート 4.職務遂行の工夫 5.相談の工夫 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 グリービジネスオペレーションズ株式会社(神奈川県横浜市) P.30 社長と全社員との1on1(個人面接)やリーダー&サブリーダー制度により、社員一人ひとりの最大限の能力発揮と成長を後押し キーワード:1.社内サポート 2.業務体制の工夫 3.相談の工夫 4.特性配慮 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 生活協同組合コープかごしま産直センター(鹿児島県鹿児島市) P.34 現場と管理本部が一体化した支援体制を整備し、相談できる仕組みを作ることで職員の不安軽減に繋がり、安定した勤務を実現 キーワード:1.業務体制の工夫 2.社内サポート 3.不安の軽減 4.相談の工夫 職場改善のために事業所が作成した資料、支援ツール P.38 応募いただいた事業所 P.54 応募状況 P.55 平成26年度障害者雇用職場改善好事例応募要項 P.56 入賞事業所の受賞概要 P.58 障害者雇用を支援する機関 P.60 障害者雇用を支援する施策 P.62 地域障害者職業センター一覧 P.68 高齢・障害者雇用支援センター一覧 P.69 障害者雇用に役立つ情報(文献) P.70 障害者雇用に役立つ情報(資料等) P.72 ※この事例集では、障害の表記を法令等で使われている「障害」に統一しました。 ●精神障害とは  精神障害は、様々な精神疾患が原因となって起こります。主な精神疾患には、統合失調症、気分障害(うつ病、そううつ病など)、精神作用物質(アルコール、シンナーなど)による精神疾患などがあります。  厚生労働省では、障害者雇用促進のための各種助成金制度などの対象となる精神障害者の範囲を、「精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人」か「統合失調症、そううつ病(そう病及びうつ病を含む)、てんかんにかかっている人」で、「症状が安定し、就労が可能な状態にある人」としています。  また、雇用率の算定対象となる精神障害者の範囲を、「精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人」としています。  なお、てんかんは、WHO 国際疾病分類では「神経系及び感覚器の疾患」の一部とされていますが、厚生労働省の障害者施策においては精神障害者に対する施策の対象としています。 ●統合失調症とは  統合失調症は、およそ120人に1人がかかる病気です。症状が改善した後にも日常生活や職業生活に支障をきたすこともあるため、就労支援などの対象となることが多い疾患でもあります。  統合失調症の症状から回復した人によく見られる特徴として、「体力や持続力の乏しさ」「生真面目さや過緊張からくる疲れやすさ」「臨機応変に判断することが苦手」「新しいことに対する不安の強さ」「細かな指先の動作が苦手」などが指摘されていますが、それらの特徴やその程度は人によりさまざまです。  現在では、薬物療法を中心とした精神医療やリハビリテーションの進歩によって病気から回復し、自立した職業生活を送る人も大変多くなっています。 ●気分障害(うつ病、そううつ病)とは  気分障害は、憂うつや気分の高ぶりなどの気分の浮き沈みが、生活に支障をきたすほどに一定の期間正常を超えた状態となる病気で、その代表は、うつ病(単極性障害)とそううつ病(双極性障害)です。  「うつ」では、一般に身体と精神の両方に症状が現れます。身体症状としては、睡眠障害、食欲低下、性欲減退、頭痛・肩の痛み、疲労感・倦怠感などが見られます。精神症状は、身体症状に隠れて見逃されがちですが、抑うつ状態、日内変動(特に朝方の憂うつ感がひどく、夕方になるにつれて軽くなっていく状態が続く)、集中力低下、注意力散漫、意欲低下、不安、取り越し苦労、自信の喪失などが特徴的です。身体の症状が強く表面に出て、精神の症状が目立たない「仮面うつ病」と呼ばれるタイプもあります。  「そう」は、「うつ」とは逆に気分の高揚が特徴で、気力や活動性の亢進があります。例えば、社交性が高まり、あちこちに電話をかけたり、話が止まらなかったり、過度の馴れ馴れしさが出たりといった特異な行動が見られることがあります。うつの睡眠障害とは反対に、寝なくても平気である場合が多いのが特徴です。このそう状態とうつ状態が交互に繰り返されるのがそううつ病です。 用語解説(事例をお読みになるあたって) 事業所の職場改善好事例をお読みいただくにあたり、事例に記載されている支援制度などの用語について、概要をご説明します。 ●就労移行支援、就労継続支援  障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのひとつです。「就労移行支援」は、一般企業等への就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。「就労継続支援」は雇用契約を結ぶA型と雇用契約を結ばないB型があり、一般企業等への就労が困難な人に、働く場を提供し、知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。 ●就労支援センター  東京都や埼玉県、神奈川県など、各自治体の施策として任意に設置された支援機関です。就労を希望する障害者や既に就労している障害者に対する支援・相談を行っています。 ●障害者就業・生活支援センター  就職や職場への定着に当たって、就業面における支援とあわせて、生活面における支援を必要とする障害者に対して、身近な地域で、雇用、保健福祉、教育などの関係機関との連携を行いながら、障害者の就業及びこれに伴う日常生活、社会生活上の相談・支援を一体的に行う支援機関です。(平成27年1月現在、全国に計323ヶ所設置。) ●障害者職業生活相談員 ※企業内の専門人材  5人以上の障害のある従業員が働いている事業所では、「障害者の雇用の促進等に関する法律」により、厚生労働省が定める資格を有する従業員のうちから障害者職業生活相談員を選任し、職業生活の相談・指導を行うよう義務づけられています。(各都道府県の高齢・障害者雇用支援センターで障害者職業生活相談員の資格認定講習を実施しています。) 障害者トライアル雇用奨励金  p.65をご覧ください ●職業コンサルタント ※企業内の専門人材  障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金の障害者介助等助成金の一つです。支給対象となる障害者を5人以上雇用する事業主が、障害者の職場適応や職業能力の開発向上及び職場や自宅における福祉の増進等の職業生活の充実を図るため、一連の相談及び指導を行います。(詳細は機構ホームページで確認してください。障害者雇用納付金制度については、p.62をご覧ください。) ●ジョブコーチ支援 ※第2号ジョブコーチは企業内の専門人材  知的障害者、精神障害者などの職場適応を容易にするため、職場にジョブコーチを派遣し、事業所、障害者双方にきめ細かな人的支援を行う制度になります。ジョブコーチには地域障害者職業センターに所属する配置型ジョブコーチと、就労支援ノウハウを有する社会福祉法人等に所属する第1号ジョブコーチ、事業主自ら配置する第2号ジョブコーチがあります。  なお、上記のほか、自治体の独自の制度として養成されたジョブコーチも配置されています。 ●特例子会社制度  事業主が一定の要件を満たした上で障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立した場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できる制度です。  事業主にとってのメリットとして、障害の特性に配慮した仕事の確保・職場環境の整備が容易となり、これにより障害者の能力を十分に引き出すことができるといったことが挙げられます。 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 最優秀賞 第一生命チャレンジド株式会社(東京都北区) 安心して働ける環境を整え、課題に対して段階的にチャレンジすることで、社員としての成長を促す取組を実現 キーワード:1.不安の軽減 2.支援機関との連携 3.出勤の安定 4.コミュニケーションの改善 5.職域拡大 6.モチベーションアップ 7.キャリアアップ 8.個人目標の設定 事業所の概要  第一生命保険相互会社※の子会社として平成18年8月に設立し、特例子会社として平成18年11月に認定を受けた。設立以来、複数の就労場所で幅広い業務を展開し、知的障害者や精神障害者を中心に積極的に雇用しており、印刷、書類発送、清掃、喫茶などの業務に従事している。(※ 第一生命保険相互会社は、平成22年4月1日付で『第一生命保険株式会社』となった。) 障害のある従業員数 132名 (平成27年1月1日付) 精神障害者雇用の経緯  特例子会社を設立した当初より知的障害者を中心に雇用を進めるが、知的障害者だけではなく精神障害者の雇用にも取り組んでいくという考えのもと、平成21年〜22年度には厚生労働省の精神障害者雇用促進モデル事業に参加し、その2年間で11名の採用を行う(現在も全員雇用継続中)。採用では、業務に合わせた人財を募集するようにしている。 業種及び主な事業内容 印刷業、書類発送、清掃業、喫茶業 精神障害者雇用数・従事作業 精神障害者 23名 (平成27年1月1日付) 従事作業:オフィス清掃業務、書類発送業務など 活用した支援機関・企業内の専門人材 支援機関:就労支援センター、作業所、就労継続支援B型事業所、障害者職業センター 専門人材:職場定着推進室 精神障害者の雇用形態・勤続年数 雇用形態:正社員 週の労働時間に変動なし19名、週の労働時間短縮等の変動あり0名 パート・アルバイト 週の労働時間が30時間以上1名、週の労働時間が20〜30時間未満3名、週の労働時間が20時間未満0名 勤続年数:1年〜2年未満2名、2年〜3年未満1名、3年〜4年未満1名、4年〜5年未満4名、5年以上12名 取組の概要 改善策・ キーワード:1.不安の軽減 2.支援機関との連携 改善前の状況:・業務の失敗に対する不安・日頃の仕事への適性に関する不安・以前の就職のように長く続かないかもしれないという不安などを抱えており、それがミスにつながったり、落ち着いて仕事ができなかったりすることの要因になっていた。 改善内容:・業務遂行における工夫を行い、自信を持って仕事ができるようにした上で、失敗した時は原因と対策を話し合った。・定期的に支援機関に訪問してもらい、本人、支援機関、企業の三者で情報を共有した。・実習の設定、同じ作業所に通所する3名を同時期・同部署に採用した。支援機関への登録を勧めた。 改善後の効果:・本人の視点が、失敗への恐れから失敗を繰り返さないための対策を考えることへ変化し、安心感につながった。・支援機関を通して家族とも情報共有でき、安定して働ける環境作りができた。・悩みや不安を支援機関へ相談し、解決できるようになった。 改善策・ キーワード:3.出勤の安定 改善前の状況:入社前の生活において毎日体を動かすことがなかったため体力的にきつく、緊張感や偏頭痛があり、欠勤・早退が見られていた。また、同部署で働く同期入社の3名全員が同じ日に休暇の申請をするなど課題があった。 改善内容:短時間勤務から段階的に勤務時間を延ばした。体調によっては勤務時間を短くするなど柔軟に対応した。体調が悪いときは早めに休むこと、状況に応じて半日公休も活用することを伝えた。人員体制に余裕を持たせる、同じ業務を複数人で対応するなどの環境整備をした。 改善後の効果:3か月後には7時間勤務に移行することができた。これまでよりも、適切な体調管理ができるようになり、安定勤務につながった。 改善策・ キーワード:4.コミュニケーションの改善 5.職域拡大 改善前の状況:Aさんは、他の社員とのコミュニケーションが必要な業務へチャレンジし、ステップアップすることが求められていた。Bさんは、体調不良を早めに伝えることができなかったり、次の仕事で何をするか分からない時に同僚に確認できなかったりしていた。 改善内容:Aさんには、少人数(3名)の同僚との共同作業を設定し、同僚と話し合いをして情報共有を図った。その後、チーム制となり、6名の同僚と仕事をするとともに、新人の育成担当という役割を担うことになった。Bさんには、上司を固定し、関係性の構築に努めた。次第にBさんから職場で対応しきれないの要望もあがってきたため、職場定着推進室が社内ルールとのバランスを見ながら要望への対応の可否を判断した。 改善後の効果:Aさんは、同僚が新人に仕事を教えている間はその人の分まで仕事をフォローすることもできるようになった。チーム内の定期ミーティングでは、少しずつ自分以外のことに関心を持つようになった。 Bさんは、職場定着推進室がサポートすることで、現場の上司との関係性を保ちつつ、職場で求められるコミュニケーションができるようになり、業務が円滑に進むようになった。 改善策・ キーワード:6.モチベーションアップ 7.キャリアアップ 8.個人目標の設定 改善前の状況:Aさんは、受け身の姿勢が目立っており、本人のキャリアアップのためには仕事に対する積極性が必要であると考えた。Bさんは、出勤が不安定だったが、その背景には、本人が仕事に対するモチベーションを保てないことがあると考えられた。 改善内容:Aさんは、目標管理制度における上司との面談で、「同僚とのコミュニケーションが必要な業務へチャレンジし、ステップアップする」という目標を決め、取り組んだ。Bさんは、目標管理制度における上司との面談により、これまでの評価、今後の期待について説明を受け、新たな業務・役割にチャレンジすることを目標設定した。 改善後の効果:Aさんは、将来像を見据えて仕事に従事するようになり、会議中の質問もするなど、業務への積極性が出てきた。Bさんは、他の社員への指導や見学者の対応、チーム全体のマネジメントができるようになった。 企業の声:湯浅 善樹さん(代表取締役社長)  当社では、平成18年度から精神障害のある方を採用しています。当時は初めてということもあり不安がありましたが、採用に関しては、仕事ができること、通勤できることという点を重視して面接をしました。翌19年には、精神障害の特性を十分理解している精神保健福祉士を採用して社内の体制整備を行い、平成22年には、厚生労働省のモデル事業を受託したことで、精神障害のある人を新たに6名採用することとなりました。このうち3名は、同じ作業所に通所する仲間でしたが、3人がお互いに支え合うことでスキル向上、やる気のアップに繋がったと思われます。採用当初は、企業で働く意識が育っていなかった面も見られましたが、これはOJTで実際に経験を積ませながら解消していくことができました。  これらの経験から職場定着においてモチベーションは重要であり、自分で考え自分で取り組んでいくという社員の自発性が大切であることを学びました。一方、企業側としては、社員の意見を聞くこと、社員がキャリアアップを目指せる仕組みを整えることが必要だと思っています。当社では、障害のある社員が上の職位を目指せる仕組みとなっています。やればできるのですから、初めからできないと決めつけず、何事もチャレンジさせてみることが可能性の扉を開けるものと考えています。 改善策紹介 改善策・ キーワード:1.不安の軽減 2.支援機関との連携 「社員が抱える不安軽減に向けて、3つの工夫・改善を実施」  当社で採用した精神障害のある社員の中には、・業務の失敗に対する不安・日頃の仕事への適性に関する不安・以前の就職のように長く続かないかもしれない不安などを抱えている者がおり、それがミスに繋がったり、落ち着いて仕事ができなかったりすることの要因になっていた。そこで、・〜・の不安軽減に向けて、3つの工夫・改善を実施した。 ・業務遂行の工夫  書類発送業務を習得しやすいよう工程を細分化し、必ずしも工程順ではなく、本人が比較的習得しやすい工程から進めるようにした。また細分化したことで、本人にとって業務の習得状況がわかりやすいというメリットもあった。  そして工程ごとに透明な箱(写真参照)を準備し、未処理の書類が多く残っていて優先的に処理が必要な工程を、誰もが一目で分かるようにした。  また失敗した時でも原因と対策についてまず本人と一緒に話し合うことで、本人の視点が失敗への恐れから失敗を繰り返さないための対策を考えることへ変化し、安心感につながった。 ・支援機関との連携  支援機関に悩みを相談する社員については、定期的に支援機関に訪問してもらい、本人、支援機関、企業の三者で情報を共有した。会社での状況は、支援機関から家族に伝えてもらうことで家族の安心につながり、安定して働ける環境作りができた。 ・採用の工夫  採用前に3週間程度の実習を設定することで、本人は「続けられそうか、向いているか」、会社側は「毎日通勤できるか、意欲があるか」を確認できた。また、同じ作業所に通所するメンバー3名を同時期に採用し、3名が毎日同じ現場に勤務することで環境の変化を少なくし、不安や緊張を和らげる工夫をした。さらに、支援機関を持たない社員に対して、継続勤務が実現できるよう、支援機関への登録を勧めた。本人の了解後、支援機関に月1〜2回程度の訪問と実習期間中の振り返りへの参加を依頼し、本人との関係性を築けるようにした。その結果、悩みや不安を支援機関へ相談することにより、解決できるようになった。現在でも年1〜2回は、支援機関が訪問し、関係性を維持している。 ▲作業上の工夫:業務量の「見える化」により一目で進捗 状況を確認(⇒p.39) 改善策・ キーワード:3.出勤の安定 「フルタイム勤務に向けて段階的な勤務時間の延長や適切な公休取得により安定した出勤を実現」  Bさんは、入社前の生活において、毎日体を動かすことがなかったため、体力的にきつく、緊張感や偏頭痛があり、欠勤・早退が見られていた。フルタイム勤務に向けてまずは、月〜金曜の毎日5時間勤務からスタートし、1か月ごとに1時間ずつ、段階的に勤務時間を延ばした。体調によっては勤務時間を短くするなど柔軟に対応した。  また、体調の悪い時に公休を取得しやすくし、周囲もその休みに対応できるように同じ業務を複数人で担当するなどの環境整備をした。  一方で、公休の取得方法について支援機関を交えて話し合い、体調が悪い時は早めに休むこと、状況に応じて半日公休を活用し、なるべく業務に支障をきたさない休み方を一緒に考えた。併せてグループ内ではBさんに仕事を任せ、本人の役割意識や責任感が芽生えてくることで、徐々に休むことが減っていった。  これらの取組により、同部署で働く同期入社の3名全員で同じ日に休暇の申請をするなどの課題が見られたBさんも3ヵ月後には7時間勤務に移行することができた。またこれまでよりも適切な体調管理ができるようになり、安定勤務につながった。 改善策・ キーワード:4.コミュニケーションの改善 5.職域拡大 「他の社員とのコミュニケーションが必要な業務への職域拡大を段階的に取り組み、ステップアップを実現」  Aさんは、もともと無口で面談ではほとんど会話ができず、業務中も周囲から孤立しがちなタイプであり、当初はその点を配慮して業務配置をしていた。しかし、他の社員とのコミュニケーションが広がることで、業務の広がりも生まれ、当社にとって大きな戦力になると考えたことから、他の社員とのコミュニケーションが必要な業務への職域拡大に段階的に取り組んだ。 【共同作業とチーム制の導入】  少人数(3名)の同僚との共同作業を設定し、作業は、本人の得意な文房具管理とした。活動が軌道に乗ると、話し合う内容が増え、それぞれが持つ情報の共有が難しくなってきたため、「検討&決定事項リスト」(p40)を見ながら話し合いを進め、円滑な情報共有を図った。また、お互いの苦手な部分を補い合えるように役割分担し、全員が話し合いに参加しやすいようにした(下表)。  その後、障害のある社員が増加したことにより新たな体制を作ることとし、グループ全体を6チームに分け、それぞれにチーム長を置く体制とした。Aさんのチームは6名で、うち3名が新人だったことから、新たに新人の育成担当という役割を担うことになった。自ら新人に仕事を教えることに加え、同僚が新人に仕事を教えている間はその人の分まで仕事をフォローすることもできるようになった。チーム内の定期ミーティングにも参加し、会を重ねるごとに少しずつ自分以外のことに関心を持つようになった。  Bさんは、上司と雑談はできるが体調不良などを早めに伝えることができなかったり、次の仕事で何をするか分からない時に同僚に確認できなかったりしていた。そこで、まずは現場において、Bさんが職場で必要なことを話しやすい雰囲気作りに取り組んだ。 【チーム内の関係性の構築】  入社当初はチームの上司を固定し、関係性の構築に努めた。日頃から雑談やグループの話し合いを行い、本人が話しかけやすい関係性を築けるように心がけた。  しかし、良好な関係が構築されると、Bさんから職場では対応しきれない要望もあがってくるようになった。現場の上司の負担が大きくなってきたため、職場定着推進室(p13)が関与することとし、社内ルールとのバランスを見ながら要望への対応の可否を判断し、本人に伝えるようになった。職場定着推進室が関わることで、現場の上司との関係性を保ちつつ、職場で求められるコミュニケーションができるようになり、業務が円滑に進むようになった。 Aさん 役割(得意):記録、計算、パソコン操作 苦手:発言、話し合い Cさん 役割(得意):発言、他者との折衝 苦手:計算、パソコン操作 Dさん 役割(得意):発言、意見の整理、進行役 苦手:パソコン操作 ▲表:互いの得手・不得手を 補い合う役割分担 従業員の声:Aさん(勤続4年)  最初の2〜3年は、一つの工程ができるようになり、次に進めることが嬉しくて仕事をしていました。何回も失敗しましたが、必ず、慌てる自分を助けてくださる上司、自分の失敗をカバーしてくれる仲間がいてくれました。皆、親切で優しく、職場は自分にとって安心できる場所になっていったと思います。  トレーナーになって自分が変化したことは、今までのように黙々と仕事をするというより、会議や面談のことを考えたり、業務の進捗状況が気になったり、チームの皆の仕事ぶりを分かりたいと思うようになりました。また、実習生に、上達して帰ってほしいと思うようになりました。  この会社は、不得意なこと、一度失敗したことも必ず再びチャレンジする機会を与えてくれると思います。今後は、得意なことにも不得意なことにも取り組んで、少しでも会社や周りの人に役に立てるトレーナーになりたいと考えています。 改善策・ キーワード:6.モチベーションアップ 7.キャリアアップ 8.個人目標の設定」 「目標管理制度の活用によりモチベーションアップを図り、新たな業務へのチャレンジや責任ある役割を任せることでキャリアアップを実現  Aさんは、上司の指示をよく聞いて仕事をするが受け身の姿勢が目立っており、本人のキャリアアップのためには、仕事に対する積極性を育てることが必要であると考えた。そのため、目標管理制度における上司との面談の中で、「同僚とのコミュニケーションが必要な業務へチャレンジし、ステップアップをする」という目標を決め、取り組んだ(取組内容は改善策3参照)。自分の目標をきちんと持つことで、将来像を見据えて仕事に従事するようになり、以前は見られなかった会議中の質問もするようになるなど、業務への積極性が出てきた。このような同僚等との関わりも含めた計画的、段階的なキャリアアップを図ることで、周囲に気を配ったり、他の社員に自分の意見を伝えたりすることができるようになった。その後、社長賞※1を受賞し、トレーナー※2に昇格することにもなった。 ※1 社長賞:毎月グループごとに自薦、他薦でその月に一番頑張った人を社長賞として表彰する制度。上司が受賞者を決めるのではなく、グループ全体で決定する ※2 トレーナーの役割:通常業務のほか作業過程における最終チェック、実習生の対応、支援機関への対応、チームの取りまとめ、一般職員の評価、各種会議の参加等を担う ▲図:職位制度の整備  Bさんは、出勤状況が不安定であったが、その背景には、本人が仕事に対するモチベーションを保てないことがあると考えられた。加えて、これまで周囲から過度な期待をされ、仕事が続かなかったという不安も持っていた。そこで、目標管理制度における上司との面談の中で、Bさんのこれまでの仕事ぶりについてきちんと評価するとともに、今後上司が期待することについても丁寧に説明をした上で、新たな業務・役割にチャレンジすることを目標設定し、本人のモチベーションアップを図った。また、新たな業務の習得に当たっては、初めから性急に結果を求めることのないよう配慮し、例えば、当初は上司との共同作業から始め、次に上司が近くにいない中での一人での作業というようにステップバイステップで取り組んでいけるようにした。  その結果、Bさんは、時間をかけて少しずつ取組ながら、他の従業員への指導や見学者の対応、チーム全体のマネジメントができるようになり、現在はトレーナーとして、グループ全体の運営に責任もって携わっている。 ●解説:「目標管理制度」は、年2回(4月、10月)上司と相談しながら目標を立て、前回の目標の振り返りを行うものです。振り返りの話し合いは、仕事の成長を確認する場でもあります。 従業員の声:Bさん(勤続5年)  入社前は作業所に通所しており、施設外の建物の清掃に週1〜2回1時間程度働いていました。その頃は、小遣い程度でもあるし、自分が行かなくても作業所の仲間が代わりにやってくれることもあり、仕事にあまり身が入っていませんでした。そんな中、支援機関からの紹介がきっかけで当社に入社しました。トライアル雇用期間中は、体力もなく、体調がしんどかったのを覚えています。現場の人にも注意を受けたりしました。それでも、勤務時間を少しずつ増やしていき、9か月後には嘱託職員から正社員に登用されました。業務には、試行錯誤を重ねながら取り組んでいます。時間内で業務を終わらせるため、時間配分を自分で考えていますが、何年か前では考えられなかったことです。今はトレーナーに昇進しましたが、研修では他のトレーナーの話を聞くことや、障害者雇用に関する当社の取組と他社の取組を比較検討するなどしており、トレーナーになったことは、自分自身の励みになっています。 職場定着推進室の取組  「職場定着推進室」は、平成23年に3名でスタートし、平成26年には6名に強化されました。精神保健福祉士、社会福祉士、ジョブコーチ、民間企業での社会人経験豊富な者で構成されています。障害のある社員の課題に加え、各グループの抱える課題についてもタイムリーに把握し、各グループ間の情報共有を図りながら、現場とともに課題解決にあたっています。 【具体的な役割】  各グループで生じている課題の確認と対策の検討、障害者の支援機関から依頼される見学や実習の受け入れ、新規業務の開発、販促活動、社内研修会の企画・実施など幅広い役割を担っています。  今回紹介した改善事例は、職場定着推進室が各グループと協力して行った取組です。基本的に、各グループの中で生じた課題はそのグループの中で解決していきますが、計画的な対応が必要な場合や対応に時間を要する場合、支援機関と連携する場合などは同室が中心となって対応します。 【相談のスタンス】  発足当初は、障害のある社員との相談の時間をかなり確保していましたが、今では仕事に支障をきたす状態の時は、本人の気持ちの整理に役立つ、必要最低限の相談・アドバイスをしています。 【支援機関との連携】  精神障害のある人を雇用する場合、まずは本人や支援機関と症状や働く上での留意点などに関する情報共有をきちんと行っています。さらに、定着に向けた体制を整えるためには、生活面の支援が必要です。企業が全ての課題を抱えるのではなく、支援機関と連携して取り組んでいます。 ▲図:支援機関との連携 ▲図:職場定着推進室の役割 ●小田垣 隆さん(常務取締役 事業本部長)  様々な仕事を任せることは一方でリスクを発生させますが、リスクを軽減する点検体制を確立しつつ任せています。本人が責任ある役割を経験することで成長が実現します。  一歩踏み出すきっかけを与えることが上司の役割であり、チャレンジは新たな可能性に繋がると考えています。 ●ポイント:今回紹介した改善事例では、社員一人ひとりをよく理解した上で課題は何か、課題への対応策をどうするかなどを検討して取り組んでいます。  また、職場定着に向けて、適切な目標を本人と相談しながら、安心して仕事ができる状況を整えることや自信を持って働いてもらえるような取組を行っています。時には支援機関との情報交換をしながら、本人の考えを確認していきます。これらの積み重ねにより、社員としてのスキルアップ、キャリアアップを図っています。 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 優秀賞 新潟ワコール縫製株式会社(新潟県新潟市) 障害者職業生活相談員と第2号ジョブコーチの役割分担の明確化や定例会議の設定により、所内の雇用管理体制を充実 キーワード:1.社内サポート 2.業務体制の工夫 3.情報共有 4.不安の軽減 5.相談の工夫 事業所の概要  大手アパレルメーカーの株式会社ワコールの子会社として、昭和49年4月に創業。ワコールグループにあって、スリープ・スポーツ領域のマザー工場の役割を担っている。 従業員数 224名 精神障害者雇用の経緯  身体・知的障害者を中心に雇用していたが、職業訓練校からの企業見学の際に当社の業務に興味を持った精神障害者について、職場実習を受け入れた。作業手順等の理解が早かったため、障害特性に配慮すれば十分に戦力となると判断し、初めての精神障害者の採用を決定した。 業種及び主な事業内容 パジャマ、ブラジャー、スポーツタイツ等の製造、本社からの委託による仕様書の作成、サンプルの点検、協力工場の製品の抽出検査等を実施。 精神障害者雇用数・従事作業 精神障害者 3名 従事作業:裁断工程におけるCADを利用した製図(マーキング)、裁断後のパーツの組み合わせ 活用した支援機関・企業内の専門人材 支援機関:障害者就業・生活支援センター、障害者職業センター、高齢・障害者雇用支援センター 専門人材:障害者職業生活相談員、職業コンサルタント、第2号ジョブコーチ(職場適応援助者) 精神障害者の雇用形態・勤続年数 雇用形態:正社員 週の労働時間に変動なし0名、週の労働時間短縮等の変動あり0名 パート・アルバイト 週の労働時間が30時間以上3名、週の労働時間が20〜30時間未満0名、週の労働時間が20時間未満0名 勤続年数:1年〜2年未満1名、2年〜3年未満0名、3年〜4年未満0名、4年〜5年未満1名、5年以上1名 取組の概要 改善策・ キーワード:1.社内サポート 2.業務体制の工夫 改善前の状況:初めての精神障害者の職場実習を受け入れてみて、手先が器用でミスがなく、仕事に集中して取り組む姿に感心し、会社側も障害者側も相互に努力すれば十分に精神障害者が活躍できると思い立ち、雇用することを決めた。 改善内容:総務や障害者が働く各々の部署にも生活相談員を配置した。講習を受講させ、外部支援者との情報交換の機会を持たせる等の育成をした。1名を職業コンサルタントとして再配置し、障害者雇用業務の専門職とした。また、第2号ジョブコーチの配置を決め、職業コンサルタントに資格を取得させた。 改善後の効果:社内全体の障害のある社員の定着状況など各種情報を総合的に随時把握し、意見交換することが可能となった。また、個々の障害特性に合わせた声かけや指示だしが可能となり、障害者本人もストレスを感じることなく、集中力が持続でき結果として生産性が向上した。 改善策・ キーワード:1.社内サポート 3.情報共有 改善前の状況:精神障害者の配置部署の多様化等により、個々の業務進捗状況の把握やフォロー等の対応が難しかった。 改善内容:各部単位で、各部の部長、課長、班長、当該部に所属する生活相談員に加えて、社長、第2号ジョブコーチ(職業コンサルタント兼務)、総務課長をメンバーとして、「該当メンバー会議」を実施することとした。 改善後の効果:障害者個々の課題解決や職域の拡大を的確に行えるようになり、様々な場面における生活相談員、所属長、所属社員それぞれの対応の仕方など、話し合って助言し合うことができるようになった。 改善策・ キーワード:4.不安の軽減 5.相談の工夫 改善前の状況:Bさんは会話することが苦手であるが、ある日、指示内容を紙に書いてみたところ内容をすぐに理解してくれた、ということがあった。また、Cさんからは「他の人が仕事しているときに相談しづらい」といった申し出があった。 改善内容:口頭で伝える代わりに、日々の業務内容、行事予定、会社からの連絡事項等を、「週間予定表」の形にしてBさんに渡した。Cさんには、困っていることや話したいこと等があればその都度伝えることができるように「連絡帳」を導入した。 改善後の効果:Bさんは連絡事項等を容易に理解してくれるようになった。また、Cさんは話したいことを率直に書いてくれるようになり、悩み等が一目で把握できるようになった。指導者、相談員がコメントを書いてからCさんに返却しており、Cさんは文書で指導者、相談員の意見を見ることができるようになり、悩みや不安の軽減につながった。 企業の声:坂森 猛さん(代表取締役社長)  従来から、精神障害者を雇用する可能性があると考えていましたが、初めての精神障害者の職場実習を受け入れてみて、手先が器用でミスがなく、仕事に集中して取り組む姿に感心しました。会社側も障害者側も相互に努力すれば十分に精神障害者が活躍できると思い立ち、雇用することを決めました。その後の雇用に当たっても職務の切出しやコミュニケーションを始めとして、職場内の第2号ジョブコーチを中心とした内外の専門家と相談しながら雇用を進めています。 西村 千治さん(総務課長)  どのような障害のある方も社会に出たい気持ちをお持ちだと思います。特に精神障害者は感謝の言葉を言いたくても自分の思いを言葉にして伝えるのが苦手だと感じています。私としては働きかけをこまめに行って、彼らのそうした心の声を聴いているということを感じてもらえるように、これからも接していきたいと考えています。 従業員の声:Aさん  以前就職活動をしていた時に接客を体験してみて自分には合っていないと思いました。この仕事はパソコンに向かう作業なので自分に合っていると感じています。日頃は確実に業務が行えるように、指示された時などにメモをとるよう気を付けています。 改善策紹介 改善策・ キーワード:1.社内サポート 2.業務体制の工夫 「複数の専門人材の配置、育成により働きやすい職場を実現」  精神障害者の雇用後、新たに総務に1名、障害者が働く各々の部署にも障害者職業生活相談員(以下、「生活相談員」)を配置した。  新たに選任した者には障害者職業生活相談員資格認定講習を受講させ、外部支援者との情報交換の機会を持たせる等して、一人ひとりの特性に配慮した対応やサポートが可能となるよう育成した。  生活相談員が複数となったことに伴い、うち1名を職業コンサルタントとして再配置し、障害者雇用業務の専門職とした。  また、課題解決に専門性を必要とする事案も増えてきたことに加え、職域拡大が可能とみられる社員に対して障害特性に配慮した職域拡大を図るために、第2号ジョブコーチの配置を決め、職業コンサルタントに資格を取得させた。  これにより、社内全体の障害のある社員の定着状況など各種情報を総合的に随時把握し、意見交換することが可能となった。また、個々の障害特性に合わせた声かけや指示だしが可能となり、障害のある社員本人もストレスを感じることなく、集中力が持続でき結果として生産性が向上した。 改善策・ キーワード:1.社内サポート 3.情報共有 「定期的なメンバー会議における就業状況等に係る意見交換、情報共有などにより職場適応、定着を促進」  精神障害者の配置部署の多様化等により、個々の業務進捗状況の把握やフォロー等の対応が難しかった。  このため、各部単位で、各部の部長、課長、班長、当該部に所属する生活相談員に加えて、社長、第2号ジョブコーチ(職業コンサルタント兼務)、総務課長をメンバーとして、3ヵ月に1回の割合で「該当メンバー会議」を実施することとした。 ○各部に配置されている生活相談員から、障害のある社員の担当業務の取組状況を報告する。また、課題がある場合に会議において意見交換を行う。 ○必要に応じて障害者の配置のない各部署の長からも業務の進捗状況を報告する。 ○会議メンバー全体で情報を共有し、第2号職場適応援助者を中心に、新たな仕事の切り出しができないかなど、改善方法等を検討する。 ○対応方針が決定したら障害者の配置のある部署全体へも会議メンバーを通じて情報を発信する。  これにより、障害者個々の課題解決や職域の拡大を的確に行えるようになり、様々な場面における生活相談員、所属長、所属社員それぞれの対応の仕方など、話し合って助言し合うことができるようになった。 ▲図:該当メンバー会議の流れ(⇒p.41) 改善策・ キーワード:4.不安の軽減 5.相談の工夫 「週間予定表や連絡帳の導入により従業員の悩みや不安を軽減」  Bさんは会話することが苦手であるが、ある日、指示内容を紙に書いてみたところ内容をすぐに理解してくれた、ということがあった。このことから、口頭で伝える代わりに、日々の業務内容、行事予定、会社からの連絡事項等を、「週間予定表」の形にしてBさんに前の週にあらかじめ渡して、Bさんが困っていることや話したいこと等を記入して翌週に返却してもらうようにした。このことにより、Bさんは連絡事項等を容易に理解してくれるようになった。  また、Cさんからは「他の人が仕事をしているときに相談しづらい」といった申し出があったので、困っていることや話したいこと等があればその都度伝えることができるように「連絡帳」を導入した。Cさんはこれにより話したいことを率直に書いてくれるようになり、悩み等が一目で把握できるようになった。記入後提出してもらい、指導者、生活相談員が「指導者、相談員の意見・備考」欄にコメントを書いて、所属部署の生活相談員、所属長、第2号ジョブコーチ、総務担当、社長まで回覧を行ってからCさんに返却している。Cさんは文書で指導者、生活相談員の意見を見ることができるようになり、悩みや不安の軽減につながった。 ▲図:週間予定表(⇒p.42) ▲図:連絡帳(⇒p.42) 現場担当者の声:青木 孝一さん(特命担当顧問、職業コンサルタント(第2号ジョブコーチ))  障害のある社員に長く働いてもらうためには、環境が変わっても存在感を保てるような合理的な工夫を会社側として行うことが必要です。単純に作業を分割して仕事を割り与えるのではなく、各々の障害特性に合わせてどういう仕事が向いているか考え、成果を生み出せるような仕組みにできるかどうかが重要です。人はみな、どこかが足りてどこかが足りないものです。  精神障害のある方の行動として、呼びかけても返事がないといったことがあるかもしれませんが、そうしたことは大した問題ではありません。機械加工の現場における生産の4要素(人、機械、材料、方法)の視点から、どこに働きかけることが適切か考え、その上で仕事を抜き出して改良するよう常に気を配っています。また、生身の人間である以上、心のケアをいかに行うかもさらに重要だと考えています。 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 優秀賞 THK株式会社 山口工場(山口県山陽小野田市) 社員の職場復帰に向けて、従業員の不安軽減のため支援機関と連携して社内体制を整備し、円滑な職場定着を推進 キーワード:1.支援機関との連携 2.情報共有 3.社内サポート 4.不安の軽減 5.社内研修 事業所の概要  昭和60年に操業開始。障害者の採用については、当初は身体障害者を中心に雇用をしていたが、現在は知的障害者や精神障害者の雇用にも取り組んでいる。 従業員数 777名 精神障害者雇用の経緯  平成18年に特別支援学校からの職場実習生の受け入れを契機に、知的障害者や精神障害者の雇用を進めている。職場定着にも力を入れており、休職した従業員の職場復帰に向けた取り組みも行っている。 業種及び主な事業内容 製造業。直線運動用ベアリング(LMガイド: 機械要素部品) の製造。 精神障害者雇用数・従事作業 精神障害者 4名 従事作業:機械要素部品(LMガイド)の洗浄作業、外注組立品の受入れ検査業務、LMブロックの部品添付挿入業務 活用した支援機関・企業内の専門人材 支援機関:障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、特別支援学校、医療機関(主治医) 専門人材:第2号ジョブコーチ(職場適応援助者)、障害者職業生活相談員、産業医 精神障害者の雇用形態・勤続年数 雇用形態:正社員 週の労働時間に変動なし4名、週の労働時間短縮等の変動あり0名 パート・アルバイト 週の労働時間が30時間以上0名、週の労働時間が20〜30時間未満0名、週の労働時間が20時間未満0名 勤続年数:1年〜2年未満0名、2年〜3年未満1名、3年〜4年未満0名、4年〜5年未満0名、5年以上2名 取組の概要 改善策・ キーワード:1.支援機関との連携 2.情報共有 改善前の状況:精神疾患を抱えた社員の復職に向けた社内規定など制度面は整っていたものの、これまで具体的な復職への取り組み方に不安があった。 改善内容:主治医、産業医、障害者職業センターと連携し、それぞれからアドバイスをいただいた。 主治医には、本人の状態(病状)とそれに合わせた具体的な配慮点の確認、センターには、職務の選定の相談、産業医には、復職の判断と相談をお願いした。 改善後の効果:本人の状態(病状)を把握、理解したうえで復職に向けた事前の準備、計画を立てることができ、円滑な復職に繋がった。また、メンタル不調者予備軍に対する早期の対応を検討し、取り組むきっかけとなった。 改善策・ キーワード:3.社内サポート 4.不安の軽減 改善前の状況:復職後の業務内容、安定した勤怠とするため、どのような対応(配慮)をするかが課題だった。 改善内容:第2号ジョブコーチ(以下、「JC」)が疲労度などの体調を社員手帳に数値化して毎日記入させ、客観的に自己確認できるように設定した。週に一度、本人、グループリーダー、JCで面談し、本人の要望を確認しながら翌週の勤務計画を作成し、業務量の調整を図った。 改善後の効果:コミュニケーションの積み重ねにより、お互いの信頼にも繋がった。その姿を見ている本人の同僚とも徐々にコミュニケーションが増え、本人も含めた職場全体の不安軽減に繋がった。 改善策・ キーワード:1.支援機関との連携 5.社内研修 改善前の状況:障害者職業生活相談員(以下、「生活相談員」)は、障害者雇用の全般を学んでいるものの、実際の現場での対応時にその知識を生かせない従業員が多く、資格取得後のスキルアップに苦慮していた。 改善内容:全国の工場に配置されている生活相談員を対象に、年1回研修会を開催した。研修会の講師は、特例子会社や支援機関から招いて実施した。グループ討議の時間では、事例を参加者が持ち寄り、グループで課題解決を図るよう、実践的な内容とした。 改善後の効果:参加した生活相談員からは、「職場で生かせる内容であった」「自分自身の生活相談員の役割が認識できた」など大変好評で、各自の障害者雇用への理解が深まった。 企業の声:山村 勝則さん(工場長)  当社は、平成18年に障害者の受入計画をハローワークから命じられ、障害者雇用率の達成に向けてどのように取り組むか検討を始めました。吉永副課長を中心に採用を進め、その時初めてこれまで雇用経験のない知的障害のある方を製造現場で実習し、真面目な働きぶりで大変良かったため採用、その後精神障害のある方も採用していき、現在は、法定雇用率を超える数値で推移しています。障害のある方に企業が適切な配慮をすれば一人前の戦力になりますし、一社員としての働きぶりを認め、さらに彼らの力を伸ばしていくように取り組んでいます。また、彼らが一人前に育つことで、育てる側の喜びも生まれます。今後も、従業員の得意な仕事を見出し、会社から必要とされているという意識を醸成しながら、障害のある方の採用、定着に取り組みます。 従業員の声:Aさん(復帰後2年)  復職する前は、体力面、健康面ともに心配があり、自分自身しっかりと仕事ができるか不安でした。自分自身、復帰前の確認が多い作業や立ちっぱなしの作業が苦手だと改めて分かったため、復帰後に配置転換した製品洗浄作業は、思っていたよりも対応ができたし、自分にあった作業だと感じています。復帰して2年が経過しましたが、体調を確認しながら、急ぎの仕事にも対応しています。 現場担当者の声  復帰前、本人は同僚に溶け込めるか不安を持っていたため、声かけと協力をするよう本人・同僚双方に話をし、徐々に自然な関係になりました。今後は、現状維持を第一に、本人の状態を見ながら仕事に従事させたいと思います。 改善策紹介 改善策・ キーワード:1.支援機関との連携 2.情報共有 「精神疾患を抱えた社員の円滑な復職に向けて、支援機関や産業医と連携して対応」  これまでメンタル不調者がほとんどおらず、精神疾患を抱えた社員の復職に向けて、社内規定など制度面は整っていたものの、会社側として具体的な復職への取り組み方、特に復職後の業務遂行に関する不安があった。復職後の職場定着を見据えて、産業医、主治医、障害者職業センターと密接に連携し、それぞれの専門分野からのアドバイスをいただいた。主治医には、本人の状態(病状)を聞き、業務上避けた方が良い点や配慮点を具体的に確認した。センターには、本人の状態に合わせた職務の選定を相談し、本人の苦手な細かな確認・判断が必要な検査業務からそれらを必要としない洗浄業務に配置転換した。産業医には、産業医面談の状況を確認し、復帰後の相談をした。また、毎日決められた時間に出勤できるよう、始業時間に合わせた訓練を2週間設定した。これらは、第2号ジョブコーチが業務内容を調整し、総務課長と看護師が産業医面談の調整や休職期間中の月1回の手紙による連絡を担当した。手紙には、社内行事、人事異動、社内ルールの変更や作業風景の写真など、本人が焦らないよう伝える内容を十分精査しつつ、職場内の雰囲気が伝わる工夫をした。三者が協力して取り組み、各々が得た情報は決められた様式に入力し、三者のみが閲覧できる形で共有した(⇒p.43)。 ▲図:THKにおける復職の流れ 改善策・ キーワード:3.社内サポート 4.不安の軽減 「職場定着に向けて第2号ジョブコーチを中心としたサポート体制の強化に取り組み、社員の不安軽減を実現」  復帰後、継続して勤務するために、社内の支援体制を整えた。  まず、復職した本人の不安を軽減するため、第2号ジョブコーチが毎日朝・夕に声をかけ、疲労度など体調確認を行った。体調は、社員手帳に数値化して毎日記入させ(※写真参照)、客観的に自己確認できるように設定した。これにより、体調が変化した際、以前は回復過程がどうだったか、どの程度で通常の体調に戻ったかを振り返ることができ、本人の不安を最小限にすることができた。  また、復帰当初は、週に一度、本人、グループリーダー、第2号ジョブコーチで面談し、本人の要望を確認しながら翌週の勤務計画を作成し、業務量の調整を図った。仕事と自分の体調のペースをつかみ始めた後は、週に一度、立ち話程度の話し合いで確認するようにした。面談以外でも第2号ジョブコーチが積極的に声かけをし、不調時には少し踏み込んで原因を聞き、対応を本人と一緒に考えることを繰り返しながら、信頼関係を築いてきた。その姿を見ている本人の同僚とも自然にコミュニケーションが増え、本人も含めた職場全体の不安軽減に繋がった。 ●解説:工場内では、日常的に各部署で生じる課題は障害者職業生活相談員が対応し、第2号ジョブコーチは課題への対応方法の提案、面談の調整と実施、支援機関との連絡などを行い、役割分担をしています。 ▲図:?社員手帳を使った体調管理:朝・昼・帰宅前の体調を10段階で記入し、ジョブコーチが確認。5段階以下や△が続く場合は、作業内容を調整。また、適宜振り返りをして自分の傾向を理解することで、不安感の軽減に役立つ。(⇒p.43) 改善策・ キーワード:1.支援機関との連携 5.社内研修 「支援機関からの協力を得て、障害者職業生活相談員を参集した研修会を企画・開催し、実際に役立つスキルを獲得」  企業内専門人材である障害者職業生活相談員(以下、生活相談員)は、課題がある部署に専属的に配置されている。生活相談員は、障害者雇用の全般を学んでいるものの、実際の現場での対応時にその知識を生かせない従業員が多く、資格取得後のスキルアップに苦慮していた。そのため、本社主催で全国の工場に配置されている生活相談員を対象に研修会(2日間)を山口工場で開催し、スキルアップを図った。研修会の内容は、障害者職業センターからの提案を参考にして作成し、講師は特例子会社やセンターから招いて実施した。グループ討議では、各工場で雇用管理上苦慮している事例を参加者が持ち寄り、グループで課題解決を図るよう話し合いを行い、講師からもアドバイスを受けながらの実践的な内容となった。  参加した生活相談員からは、「職場で生かせる内容であった」「自分自身の生活相談員の役割が認識できた」「具体的な対処方法について参考になった」など大変好評で、各自研修会の効果を実感してそれぞれの職場に持ち帰った。今後、この研修会は、各工場の持ち回りで年1回継続していく予定である。  このように、山口工場が企業内で障害者雇用のモデル的な役割を果たすことで、今後は他の工場等にも山口工場の取り組みを展開していきたいと考えている。 ▲図:研修会のスケジュール(⇒p.44) 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 農業生産法人 株式会社GRA(宮城県亘理郡山元町) 就労支援機関などを招いた社内勉強会の開催を契機に、障害のある社員の働きやすい環境の整備、サポート体制の構築を推進 キーワード:1.社内研修 2.支援機関との連携 3.社内サポート 4.情報共有 5.職務遂行の工夫 事業所の概要  宮城県亘理郡山元町に、東日本大震災後の平成23年7月に設立された。最先端技術を活用したイチゴやトマトの栽培に取り組み、産地のブランド化を目指している。事業所全体で3人の障害者を雇用している。 従業員数 45名 精神障害者雇用の経緯  地元の若年者や障害者の雇用の受け皿となることを法人設立以来のビジョンとしている。職場実習で受け入れた特別支援学校の生徒をジョブコーチによる支援を受けて雇用した後、障害のある社員の雇用を増やすことを考え、精神障害者の紹介を受けた。 業種及び主な事業内容 イチゴやトマトの農産物の生産、産地開発、農業技術の研究開発など 精神障害者雇用数・従事作業 精神障害者 1名 従事作業:清掃、野菜の収穫、栽培など 活用した支援機関・企業内の専門人材 支援機関:障害者職業センター、特別支援学校、障害者就業・生活支援センター、医療関係者、就労移行支援事業所、就労継続支援B型事業所 精神障害者の雇用形態・勤続年数 雇用形態:正社員 週の労働時間に変動なし0名、週の労働時間短縮等の変動あり0名 パート・アルバイト 週の労働時間が30時間以上0名、週の労働時間が20〜30時間未満1名、週の労働時間が20時間未満0名 勤続年数:1年〜2年未満1名、2年〜3年未満0名、3年〜4年未満0名、4年〜5年未満0名、5年以上0名 取組の概要 改善策・ キーワード:1.社内研修 2.支援機関との連携 改善前の状況:会社の設立以来、障害者雇用の経験がなく、わからないことや不安に思うことが多かった。社員にも、障害者と一緒に働いた経験や障害特性などについての知識がなかった。 改善内容:障害者雇用についての社内理解を促進し、障害のある社員の受入れ体制を整えるため、就労支援機関等の専門家を講師として招き、社内勉強会を開催することとした。勉強会の後、パート社員も加わり、車座になって意見交換する場を設け、参加者間で活発な議論をしている。 改善後の効果:パート社員も含め、障害のある社員への接し方、何か課題があるときの対応などに共通する基礎知識を学ぶことができた。 改善策・ キーワード:3.社内サポート 4.情報共有 5.職務遂行の工夫 改善前の状況:精神障害のある社員を初めて雇用することとなったが、知的障害者の雇用しか経験がなかった。 改善内容:就労支援機関や医療機関に来てもらい、本人の状況、雇用管理上の留意点など、専門的見地からの助言を得た。また、ジョブコーチの支援を受け、本人の作業スケジュールを明確化し、作業見通しを立てることにより本人の不安が軽減できることを学んだ。 改善後の効果:精神障害のある社員のため、1日の作業スケジュール表及び作業内容を項目化したチェックリストを作成し、週3回の短時間勤務から雇用を開始した。 改善策・ キーワード:2.支援機関との連携 3.社内サポート 4.情報共有 改善前の状況:障害のある社員に体調が優れないなどの悩みがあって誰かに相談したい時、副社長が全ての窓口になっていたため、副社長が不在の時に、障害のある社員が自らの状況を誰に伝えればよいのかがはっきりしておらず、対応までに時間がかかることがあった。 改善内容:社員に何か悩みがあったら、現場の上司や身近で働く職場のパート社員でもすぐに相談に乗ることができるというサポート体制をとることとしている。 改善後の効果:障害のある社員とは信頼関係が醸成され、仕事に対して積極的な姿勢が見られるようになっている。 企業の声:橋元 洋平さん(取締役副社長COO)  地元の若い人や障害のある人が働きたいと思えるような会社にしていきたいと考え、法人を設立しました。農業には、作業内容をわかりやすく単純化することによって、障害のある社員が得意なことを生かして従事できる作業がたくさんあります。障害者の働きやすい環境づくりに当たって、就労支援機関などの方を招いて勉強会を開催していますが、そこで勉強したことを基に社員みんなが車座になって意見交換する場などを通して、「障害者だからできないだろうと思っていたことが、実はそうではない」ということが実感され、障害の有無にかかわりなく会社の仲間として働く意識が生まれています。 従業員の声:Aさん(勤続1年)  法人の玄関、作業場などの清掃、器具などの洗浄を主として、イチゴやトマトの栽培の手伝いなどもしています。最初は自分がどのような仕事をするのか、同僚や上司がどういう人なのかがわからなくて不安でしたが、勤続1年を過ぎた現在は、作業に慣れてマニュアルなしで動くことができ、休み時間には同僚とサッカーの話しをして楽しむなど、職場では、気持ちが穏やかでいられます。相談したいことがあるときには、副社長や上司などが話を聞いてくださるので、助かります。 改善策紹介 改善策・ キーワード:1.社内研修 2.支援機関との連携 「就労支援機関などを招いた社内勉強会の開催により障害のある社員に対する共通理解を促進」  会社の設立以来、障害者雇用の経験がなく、わからないことや不安に思うことが多かった。社員にも、障害者と一緒に働いた経験や障害特性などについての知識がなかった。そこで、障害者雇用についての社内理解を促進し、障害のある社員の受入れ体制を整えるため、就労支援機関等の専門家を講師として招き、社内勉強会を開催することとした。  これまで、障害者職業センター、特別支援学校、障害者就業・生活支援センター、医療関係者を招き、障害特性などの基礎知識、接し方、服薬についての知識、具合が悪くなる前の前兆に対する配慮事項、サポート体制などを勉強した。  勉強会の後、パート社員も加わり、車座になって意見交換する場を設け、参加者間で活発な議論をしている。  これにより、パート社員も含め、障害のある社員への接し方、何か課題があるときの対応などに共通する基礎知識を学ぶことができた。 ●解説:事業所における様々な取組の始まりであり、全ての基礎となっているのが、「勉強会」の開催でした。自分たちの考えだけでは限界があるため、専門家の力を借りることを決めたことから、障害者雇用が具体的に動き始めました。講師を務めた支援機関とはその後ネットワークが形成されていき、障害のある社員のチーム支援が実現しています。 改善策・ キーワード:3.社内サポート 4.情報共有 5.職務遂行の工夫 「社員ミーティングにおける課題の共有や作業チェックリストの作成などにより障害のある社員の働きやすい環境を整備」  精神障害のある社員を雇用するに当たっては、就労支援機関の職員から、本人の状況、雇用管理上の留意点などの助言を得た。  また、本人、支援機関(医療・福祉・就労)が集まるケース会議において、医療機関から体調管理や職場における対処法などの助言を得るとともに、ジョブコーチの支援を受け、本人の作業スケジュールを明確化し、作業見通しを立てることにより本人の不安が軽減できることを学んだ。  これらを踏まえ、精神障害のある社員のため、1日の作業スケジュール表及び作業内容を項目化したチェックリストを作成し、週3回の短時間勤務から雇用を開始した。  作業スケジュール表とチェックリストは、社員の誰もが同じように作業を理解できるよう作成されたため、他の社員がこのリストを活用して本人にわかりやすく指導することができ、また、本人の業務内容の理解もスムーズであり、本人の作業範囲や責任が明確であったことから効果が高かった。  一方、障害のある社員について具体的な課題が発生した場合には、法人設立当初から行っている社員ミーティングにおいて共有し、課題への対処や解決方法を話し合うこととしている。PDCAサイクルによる業務改善を意識しており、今後とも定期的に続けていくことが重要と考えている。 ▲図:1日の作業スケジュール表、作業内容のチェックリスト(⇒ p.45) 改善策・ キーワード:2.支援機関との連携 3.社内サポート 4.情報共有 「何かあったらすぐに相談に乗るというサポート体制を具体化」  これまで、障害のある社員に体調が優れないなどの悩みがあって誰かに相談したい時、副社長が全ての窓口になっていたため、副社長が不在の時に、障害のある社員が自らの状況を誰に伝えればよいのかがはっきりしておらず、対応までに時間がかかることがあった。  そこで、社員に何か悩みがあったら、現場の上司や身近で働く職場のパート社員でもすぐに相談に乗ることができるというサポート体制をとることとした。ジョブコーチ等を講師として招聘し、全職員を対象とした勉強会を行う事で、本人のコミュニケーションの特徴や不調のサイン、対処方法を社員全員で理解した。その結果、社員は相談を受けた場合には社内ミーティングや社内メールで伝え、一方パート社員が相談を受けた場合にはこれらを社員に確実に伝えることとして、全社員が状況を共有化し、対応することができるようにしている。  現場において起こっている課題がきちんと吸い上げられ、上司が常に相談に乗るなど、解決に向けた体制が整えられるようになった。また、本人の状態に応じて、社内で対応が難しいことについては支援機関を紹介し、活用するように結びつけた。  これらの取組を通じて障害のある社員とは信頼関係が醸成され、長く仕事を続けていけそうだという安心感を持ちつつ、「考えた結果こうだと思うのですが、どうでしょうか?」と質問するなど仕事に対して積極的な姿勢が見られるようになっている。 ▲写真:支援機関のジョブコーチに最近の状況を伝えるAさん ▲写真:洗浄作業に従事するAさん 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 株式会社ヨークベニマル 大野目店(山形県山形市) 初めての精神障害者雇用のため、ジョブコーチ支援や各種制度を活用して社内の支援体制を整え、職場定着を実現 キーワード:1.支援機関との連携 2.不安の軽減 3.社内サポート 4.職務遂行の工夫 5.相談の工夫 事業所の概要  福島県を本社とし、福島県・宮城県・山形県・栃木県・茨城県で198店舗を展開。大野目店は、精神障害者、身体障害者、知的障害者を雇用しており、全店舗中で障害者雇用率1位となっている( 平成27年1月現在) 。 従業員数 230名 精神障害者雇用の経緯  障害のある方の活躍できる場を広げたいと考え、障害者雇用を進めるためにハローワークに相談したところ精神障害者雇用を提案され、職業紹介を受け採用に至った。 業種及び主な事業内容 食料品を中心としたスーパーマーケット 精神障害者雇用数・従事作業 精神障害者 1名 従事作業:商品補充陳列、サッカー台整理・補充、トレイ回収・牛乳パック回収、タオルたたみ、外周見まわり、レジ廻りカゴ整理。 活用した支援機関・企業内の専門人材 支援機関:ハローワーク、障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター 精神障害者の雇用形態・勤続年数 雇用形態:正社員 週の労働時間に変動なし0名、週の労働時間短縮等の変動あり0名 パート・アルバイト 週の労働時間が30時間以上1名、週の労働時間が20〜30時間未満0名、週の労働時間が20時間未満0名 勤続年数:1年〜2年未満0名、2年〜3年未満0名、3年〜4年未満1名、4年〜5年未満0名、5年以上0名 取組の概要 改善策・ キーワード:1.支援機関との連携 2.不安の軽減 改善前の状況:支援機関から精神障害者雇用を依頼されたが、精神障害者雇用の実績が無く、特に現場では障害のある社員の接し方などを中心に、大きな不安を抱えていた。 改善内容:採用前に支援機関と十分に打ち合わせ、まずは雇用を前提とした実習を設定し、働きぶりを確認した。併せて、ジョブコーチ支援を活用し、現場での受入体制を整えていった。 改善後の効果:ジョブコーチ支援の活用により、従業員が安心して業務の指導にあたることができ、不安が少しずつ軽減された。採用後は障害者トライアル雇用奨励金を活用し、さらなる体制強化を図った。 改善策・ キーワード:1.支援機関との連携 3.社内サポート 4.職務遂行の工夫 改善前の状況:精神障害のある本人にとって初めてチャレンジする業種だったため、本人は、仕事に対応できるか、勤務が続けられるか不安を抱えていた。 改善内容:・実習の段階から、本人への業務の指示、ジョブコーチとの打合せや日々の連絡は店長が行うよう固定した。・本人の症状など特性を理解するため、全従業員対象の朝礼時に店長から何回か説明した。・作業スケジュール・ルールを書面にした作業手順書を作成した。 改善後の効果:取り組みが定着することにより、本人は大きな混乱なく、焦りも徐々に軽減され、安心して作業に従事することができた。現在は、作業の抜けやスケジュールの遅れが無いよう、自作メモなど自分自身で工夫し取り組んでいる。 改善策・ キーワード:5.相談の工夫 改善前の状況:従業員としての資質向上を図り、仕事への責任感ややりがいを醸成することが必要だった。課題の一つとして、お客様からの質問に素早く対応することがあった。 改善内容:・他の従業員と同様、お客様からの意見・要望を本人に伝え、本人と一緒に改善策を考えていき、他の従業員に迅速に引き継ぐ方法を徹底することとした。・ジョブコーチがリードしながら障害のある従業員で行うミーティングを、月2〜3回、1回10分程度で設定した。 改善後の効果:・改善策が徹底されるとともに、本人が困っている状況を現場の従業員が素早く気づくなど従業員同士のチームワークが向上している。・最近はジョブコーチは入らず、従業員のみで行う。課題対応だけでなくお客様の視点に立ったサービス向上に関する意見交換に発展している。 企業の声:高橋 宏明さん(店長)  店長に就任した当初から障害者雇用率は達成していましたが、地元の社会福祉法人の生産品を当店で販売するという繋がりもあり、販売以外に何か貢献できないかと考え、障害者雇用を進めました。当初は障害者雇用に関する知識があまり無かったため、就労支援機関のジョブコーチを活用しました。知的障害のある方の実習を通じて、真面目に一生懸命仕事をすることや、接客以外で戦力になることが確認できたため、次にあまり先入観を持たずに精神障害のある方を採用し、今年で約4年の勤務となりました。彼らを特別扱いせず、他の従業員と同様、間違っていることは指摘し、正しいやり方を説明して修正するようお願いしながら職場定着を進めています。彼らならではの視点や意見、真摯な働きぶりを見て私自身はっとさせられることもありますし、従業員全員がお互いに協力し合いながら仕事をする様子も見られるようになり、お客様へのサービスの向上にも繋がっています。 従業員の声:岡崎さん(勤続約4年)  勤務していた会社の倒産後、障害者職業センターに3か月通い、入社しました。以前の仕事は製造業だったので初めての業種でもあるし、コミュニケーションもうまくいかず、勤まるかどうか不安でしたが、主治医に相談したり、何より一緒に働くスタッフの優しさがあり、不安も徐々に少なくなりました。最初は仕事が覚えられず、ミスして焦ることが多かったのですが、ジョブコーチが作ったマニュアルを見て仕事を覚え、今では、自分で作った簡単なメモ帳だけで作業ができます。今後も引き続き、今やっている仕事をきちんと行うようにしていきたいと思います。 改善策紹介 改善策・ キーワード:1.支援機関との連携 2.不安の軽減 「精神障害のある方の初めての採用に向けて、ジョブコーチや障害者トライアル雇用奨励金を活用」  当社では、障害者雇用をより一層進めていくために、まずハローワークなどの支援機関に相談した。支援機関からは、精神障害のある方の雇用を依頼されたが、精神障害者の雇用実績が無かったため、特に現場では接し方などを中心に、大きな不安を抱えていた。そのため、採用前に支援機関と十分に打ち合わせ、まずは雇用を前提とした実習を設定し、仕事への対応状況、就業可能な勤務時間、その方の特性の把握を中心に確認した。併せて、ジョブコーチ支援を活用し、ジョブコーチが本人へ助言するやり方を実際に見る、本人の特徴について説明してもらう、コミュニケーションの齟齬が生じた時にジョブコーチに間に入り状況確認をしてもらうことなどにより、本人に対する理解も深まり、不安が少しずつ軽減され、従業員が安心して業務の指導にあたることができるようになった。  また、採用後は障害者トライアル雇用奨励金を活用し、その期間を利用してさらなる体制強化を図った。 改善策・ キーワード:1.支援機関との連携 3.社内サポート 4.職務遂行の工夫 「業務指示者の固定化、朝礼での特性への理解促進、作業手順書の活用などにより、新しい業務にチャレンジする本人の不安を軽減」  受入側の職場に不安があるのと同様、精神障害のある本人も初めてチャレンジする業種だったため、仕事に対応できるか、勤務が続けられるか不安を抱えていた。本人が安心して作業を行うため、実習や障害者トライアル雇用の期間を使い、事業所内の業務体制を次のとおり整えた。  1点目は、支援機関のアドバイスにより、実習の段階から、本人への指示やジョブコーチとの打ち合わせ対応は店長に固定し、補助者を副店長とすることで、指示の混乱を防いだ。ジョブコーチが本人に伝えたことは必ず店長にも説明し、本人が混乱しないよう心がけた。  2点目は、本人の入社前後に数回、週に1度行われる全従業員対象の朝礼時に、店長から本人の症状などの特性について説明した。本人に関することを伝えるというデリケートなことであるため、本人の同意、内容の精査のうえで伝えるよう留意した。また、「指示者の固定化=一人で関わることではない」という店側の方針も伝え、従業員の協力を仰いだ。  3点目は、作業定着に向けて、作業スケジュール、作業ルールを書面にした作業手順書を作成した(※p29参照。詳細はp38参照)。  採用後、一定期間を過ぎても仕事が定着せず、日によって作業手順が変わる、一度覚えた手順も自己判断により変えるなどにより、スケジュールどおりに仕事が進まないという課題が生じ、本人もそのことを焦っていた。そのため、ジョブコーチと相談し、これまで例示で行っていた指示を目で見て確認できる手順書に変更した。スーパーマーケットという業種柄、作業スケジュールを完全に固定することは難しいが、朝一番で行う作業だけは固定し、その作業の終了後は、その日の状況に応じて店長が作業指示を出した。現場の担当者やジョブコーチが手順通り進めているか確認しながら、手順書の活用を促すことで、手順書を使って一人で作業を進めていけるようになった。 ▲写真:朝礼を使って障害の説明:週に一度の朝礼で、高橋店長から全従業員に障害者雇用における会社の方針とともに障害のある本人についても紹介し、障害者雇用に対する従業員の理解を深める。 改善策・ キーワード:5.相談の工夫 「さらなる職場定着に向けて、仕事への責任感、やりがいを醸成」  不安の軽減に取り組むと同時に、一従業員としての資質向上を図るためには、仕事への責任感ややりがいを醸成することが必要なため、他の従業員と同様、お客様からの意見・要望を本人にも伝えるようにしている。意見の中には、お客様の質問に素早く答えられなかったことへの改善要望もあったが、その意見も伝え、本人と一緒に改善策を考えていった。検討した結果、本人の希望も踏まえて他の従業員に迅速に引き継ぐ方法を徹底することとした。その後、お客様から同じ改善要望は挙がっておらず、今では、本人が困っている状況を現場の従業員が気づき、アドバイスするようになっており、従業員同士のチームワークが向上するような副次的な効果も見られている。  また、現場で生じた課題や疑問に対して自主的に対応できるようにするため、障害のある従業員だけで行うミーティングを、月2〜3回、1回10分程度で設定している。  当初は、ジョブコーチがリードしながら状況報告や課題対応を行っていたが、最近は、ジョブコーチは入らず、店長が側で見守りながら従業員のみで行っており、課題への対応等だけでなくお客様の視点に立った店のサービス向上に関する意見交換に発展している。ここで出された意見には、店舗用車いすの設置台数の増加、体の不自由な方へのお買い物補助サービスがあるが、これらは実際に取り入れられ、お客様から好評をいただいている。 【作業スケジュールと作業内容】1.事務室に入る 2.前進作業 11番通路からスタート 3.休憩 4.サッカー台の整理・補充 5.トレイ回収、牛乳パック回収 6.タオルたたみ 7.外周の見まわり 8.黒カゴ整理 9.作業終了 ▲図:作業手順書を作成し、作業の順番を目で見て確認できるようにしました。(⇒p.46) ▲写真:本人作成の作業メモ:手順が定着したため、今では手順書を活用せず、自作メモをポケットに入れ活用。作業場所や時間を記入し、作業の抜け、遅れがないか確認して取り組んでいます。 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 グリービジネスオペレーションズ株式会社(神奈川県横浜市) 社長と全社員との1on1(個人面接)やリーダー&サブリーダー制度により、社員一人ひとりの最大限の能力発揮と成長を後押し キーワード:1.社内サポート 2.業務体制の工夫 3.相談の工夫 4.特性配慮 事業所の概要  平成24年5月にグリー株式会社の特例子会社として設立された。神奈川県横浜市にあり、事業所全体で28名の障害者を雇用している。 従業員数 32名 精神障害者雇用の経緯  設立当初より、まだ雇用が進んでいないと考えられた発達障害者を中心に雇用を開始。パソコンやゲームなどのITリテラシーの高い社員が多く、本社からの受託業務が拡大し、採用人数が増加している。今後、正社員への登用も予定している。 業種及び主な事業内容 情報通信業。調査・レポート作成業務、資材加工・資料作成業務、データ入力・管理業務など 精神障害者雇用数・従事作業 精神障害者 25名 従事作業:ゲーム調査、入退者社員情報登録、各種申請承認代行・発行代行、請求書作成など 活用した支援機関・企業内の専門人材 支援機関:ハローワーク、発達障害者支援センター、地域就労援助センター、就労移行支援事業所 精神障害者の雇用形態・勤続年数 雇用形態:正社員 週の労働時間に変動なし0名、週の労働時間短縮等の変動あり0名 パート・アルバイト 週の労働時間が30時間以上25名、週の労働時間が20〜30時間未満0名、週の労働時間が20時間未満0名 勤続年数:1年〜2年未満13名、2年〜3年未満8名、3年〜4年未満0名、4年〜5年未満0名、5年以上0名 取組の概要 改善策・ キーワード:1.社内サポート 2.業務体制の工夫 改善前の状況:2名の管理スタッフが業務マニュアルの作成から業務の進捗管理、検品、納品までのほとんどの工程について自ら業務を担っていた。その結果、管理スタッフの負荷が非常に大きくなり、障害のある社員へのフォローが行き届かなくなる恐れが出てくるとともに、企業運営自体にも支障をきたすようになった。 改善内容:業務体制を整理し、チームリーダーに障害のある社員を配置する「リーダー&サブリーダー制度」を導入した。チーム編成に当たっては、管理スタッフがメンバー同士の特性や、相性、技能を考慮。定期的にチームメンバー全員が出席するミーティングを実施。 改善後の効果:リーダーを中心にほとんどの業務工程が効率的に回るようになり、自立した企業運営が可能となった。チームのメンバー相互が技能の得意不得意を補うことにより、対応できる業務領域が広がった。管理スタッフの負荷も大きく軽減し、他の業務に取り組める余裕が生まれた。 改善策・ キーワード:3.相談の工夫 改善前の状況:障害者雇用に関する課題を発見し対応策を実施するまでに時間がかかっていた。また、決裁者が判断を行うに当たり、社員の障害特性をより深く理解する必要があった。一方、社員の悩みを相談する相手が管理スタッフのみであり、できるだけ相談のチャネルを増やしたいと考えていた。 改善内容:半期に一度、社長と全社員との間で1on1面談を実施することとした。さらに、社内にカウンセリングルームを設置し、週1回、カウンセラーによる相談日を設けた。利用を希望する社員は、予約制により自由に相談することができるようになった。 改善後の効果:1on1面談については、社員の抱えているストレスが軽減された。また、社員への理解が深まり、意志決定のスピードが一層速くなった。カウンセリングについては、企業としての対応が必要な場合に、本人の同意の上で情報を得て、対応することが可能となった。 改善策・ キーワード:3.相談の工夫 4.特性配慮 改善前の状況:設立当初は社員数が少なかったために、社員へのフォローが十分にできた。しかし、社員数の増加に伴い、障害特性も多種多様になり、社員に対するきめ細かな配慮を行うことが困難になってきた。 改善内容:「面接評価シート」を作成し、採用時面談などにおいて、本人が配慮を希望する内容や特性について把握し、各種の配慮を行うこととした。 改善後の効果:タスク漏れや進捗遅れなどの軽減、勤怠の安定化が実現し、社員が能力を発揮できる職場環境が整った。 企業の声:福田 智史さん(代表取締役社長)  当社では、社員が仕事を通じて自身の能力を最大限に発揮でき、一般社会で活躍できる人材に成長できる会社ということをコーポレートビジョンとし、障害者雇用に取り組んでいます。一人ひとりの社員の障害特性をしっかり理解し、これに配慮した職場環境を提供し、適切な業務をアサインすることが企業の役割だと考えています。社員と私との間で実施している1on1(個人面談)は、中期的に社員がどんなことをしてみたいと考えているか、企業にどのようなことを望んでいるかを把握することを目的としていますが、これを通じて社員の成長意欲の高さを実感しています。彼らの意欲に応えられるように、企業としても、変化し続けていきたいと思います。 従業員の声:中沢さん(勤続2年)  作業していて疲れを感じたときに休憩室を利用することができるので、集中して仕事をこなすことができます。今の仕事は自分に合っているので、さらに確実にミスなく行えるようになりたいです。機会があれば新たな業務やメンバーのマネジメントをするのが今後の目標です。 小川さん(勤続2年)  初めての職場ですが、チームミーティングでメンバーと意見交換する中で視野が広がり、課題だった優先順位づけができるようになりました。また、自身で業務マニュアルのスリム化を提案しました。いろいろな経験を生かして、今後はチームのとりまとめ役になりたいです。 改善策紹介 改善策・ キーワード:1.社内サポート 2.業務体制の工夫 「社員の特性や技能などを考慮したチーム編成とリーダー・サブリーダー制度の導入」  以前は、2名の管理スタッフが業務マニュアルの作成から業務の進捗管理、検品、納品までのほとんどの工程について担っていた。その結果、管理スタッフの負荷が非常に大きくなり、障害のある社員へのフォローが行き届かなくなる恐れが出てくるとともに、企業運営自体にも支障をきたすようになった。  そこで、業務ごとにチームを組むように業務体制を整理し、チームリーダーには障害のある社員を配置し、当事者主体での自立した企業運営を目標とした「リーダー&サブリーダー制度」を導入した。  チーム編成に当たっては、管理スタッフがメンバー同士の特性や、相性、技能を考慮して5チームに分けた。1チームにつき、リーダーが1名、サブリーダーが2名程度である。  チームによっては定期的にメンバー全員でミーティングを行い、障害のある社員同士で業務上の疑問点などを整理する。管理スタッフは同席するが、できるだけ口を出さないようにしつつ必要なフォローを心がけている。  ミーティングの内容については全て議事録を作成し、全員がいつでも閲覧できるようになっている。 ●ポイント:チームリーダーの資質向上を図るため、定期的に業務報告会を開催しています。リーダーは自身のチームの業務進捗状況や、チームをどのようにまとめているかなどについて毎回発表するとともに、他チームのリーダーの取り組みを聞き、今後のチーム運営の参考にしています。 改善策・ キーワード:3.相談の工夫 「社長と全社員との1on1やカウンセリングルームの設置などによる社員との多面的なコミュニケーション方法の確保」  以前は、業務以外で現場の管理スタッフが社員の課題を発見する方法が少なく、対応するのにも時間がかかってしまっていた。また、決裁者が判断を行うに当たり、障害のある社員個々に対する深い理解がより必要となっていた。  そこで、半期に一度、社長と全社員との間で1on1面談を実施することとした。  社長と直接意見交換する機会ができたことにより、社員の抱えているストレスが軽減された。また、社員への理解が深まり、課題解決への意思決定のスピードが一層速くなり、より的確になった。  一方、社員の悩みや不安などの課題を発見しやすくするため、できるだけ相談のチャネルを増やし、きめ細かい対応を行いたいと考え、1on1面談の他にも定期面談、日報などの各種コミュニケーションの機会を用意した。なかでも、社内に用意したカウンセリングルームは、週1回カウンセラーによる相談ができる日を設けた。利用を希望する社員は、予約制により自由に相談することができるようになった。企業としての対応が必要な場合には、本人の同意の上で情報を得て、状況が悪化する前に対応することが可能となった。 改善策・ キーワード:3.相談の工夫 4.特性配慮 「社員に対するきめ細かなヒアリングにより、それぞれの障害特性に応じた配慮を実現」  設立当初は社員数が少なかったために、管理スタッフだけで業務への対応と社員へのフォローが十分にできた。しかし、社員数の増加に伴い、障害特性も多種多様になり、社員に対するきめ細かな配慮を行うことが困難になってきた。  そこで新たに障害種別に応じた「面接シート」を作成し、採用時に本人の特性や希望する配慮などを詳細にヒアリングした。  その情報をもとにハローワークや支援機関からの助言や支援などを積極的に受け入れ、以下のような様々な施策を実施。  視覚優位とされる発達障害の社員のために「大型壁面ホワイトボードの設置」「詳細な業務マニュアルの作成」「業務進捗管理表の作成」を行う。  光過敏への対応として、サングラスの貸与。  視線過敏への対応としてデスクパーテーションの設置。  聴覚過敏への対応として、イヤーマフの貸与。  疲れやすさ、過集中への対応として、一斉休憩時間(午後に15分間)の付与、休憩室の設置(目安利用時間1日30分、分割可、管理スタッフの承認により延長可)。 ▲写真:休憩室 ▲写真:イヤーマフとサングラス ▲写真:指示・連絡が一目でわかるよう「大型壁面ホワイトボード」を活用 ▲図:自社で開発した面接シート(⇒ p.47) 平成26年度障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 生活協同組合コープかごしま産直センター(鹿児島県鹿児島市) 現場と管理本部が一体化した支援体制を整備し、相談できる仕組みを作ることで職員の不安軽減に繋がり、安定した勤務を実現 キーワード:1.業務体制の工夫 2.社内サポート 3.不安の軽減 4.相談の工夫 事業所の概要  平成10年、既に稼働していたミートセンター、店舗物流センターにフィッシュ、ベジタブル、検査を加えた5センターを産直センターとして稼働する。現在は、3センターで障害者雇用を進めている。 従業員数 190名 精神障害者雇用の経緯  障害者雇用率の改善のため、平成24年に知的障害者を3名採用する。その翌年から本格的に障害者雇用を進め、精神障害者8名を含む10名の障害者を採用する。 業種及び主な事業内容 産直商品を中心とした生鮮食品の加工、配送 精神障害者雇用数・従事作業 精神障害者 7名 従事作業:水産加工品や畜産加工品の製造と計量・袋詰め及びラベル貼り、コンテナ洗浄室での洗浄 活用した支援機関・企業内の専門人材 支援機関:ハローワーク、障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、就労支援センター、障害者自立支援センター、障害者福祉サービス事業所 専門人材:障害者職業生活相談員 精神障害者の雇用形態・勤続年数 雇用形態:正社員 週の労働時間に変動なし0名、週の労働時間短縮等の変動あり0名 パート・アルバイト 週の労働時間が30時間以上7名、週の労働時間が20〜30時間未満0名、週の労働時間が20時間未満0名 勤続年数:1年〜2年未満2名、2年〜3年未満5名、3年〜4年未満0名、4年〜5年未満0名、5年以上0名 取組の概要 改善策・ キーワード:1.業務体制の工夫 2.社内サポート 改善前の状況:精神障害のある職員の受け入れにあたり、個々人の様々な症状に対する知識が無いことや仕事の教え方、コミュニケーションの取り方などに不安をもつ職員が多かった。 改善内容:支援機関を講師に招き、職員全員を対象とした学習会を開催。同僚となる職員には、症状などの情報を共有した。産直センター統括・障害者職業生活相談員を核として、各センター長、管理本部障がい者雇用推進担当者・人事教育部を内部3体制として整えた。 改善後の効果:学習会などを行うことで、現場職員が理解を深め配慮を心がけるようになった。 生活相談員が統括に相談・報告しながら行うことで迅速かつ的確に対応できるようになった。 改善策・ キーワード:2.社内サポート 改善前の状況:精神障害のある職員について、作業上の課題があった。例えば、午前中の動作が緩慢になりがちなことなどがあり、本人も引け目に感じていた。 改善内容:採用後2か月間は自由記述式の作業日報を毎日記入すること、退勤前の30分間ミーティングを毎日行うことで、各自の得意・不得意、心配事、同僚との会話の様子などを確認している。この情報は、本人の同意のうえ、現場で直接指示を出す職員とも情報共有した。 改善後の効果:本人の考えなど個々に対する理解を深められた。悩みを本人から発信できるようにもなった。本人のペース配分における現場の配慮を求めることで、課題解決できた。 改善策・ キーワード:3.不安の軽減 4.相談の工夫 改善前の状況:採用2か月を経過すると、仕事も本格的になるため、毎日行っていたミーティングや自由記述式の作業日報の時間が取りにくくなった。 改善内容:ミーティングは、月2回に頻度を減らして実施、作業日報は、選択式の振り返り日報に変更した。併せて、どの部署にも属さない生活相談員一名が、障害のある職員の配置部署を日々見回り、声かけをした。 改善後の効果:徐々に自分の体調を客観的に振り返ることやその日の悩みなどを次の日に持ち越さないようになったことで不安が軽減され、安定した勤務に繋がった。 企業の声:高山 靖次郎さん(店舗事業本部 産直センター統括)  産直センターでは、現在26名の障害のある方々を雇用しており、障害に関しては基本的に開示してもらいます。障害を開示しないことを希望する方ももちろんおりますが、これは本人だけの問題ではなく、そのような気持ちにさせている環境の双方の問題だと思っています。そのため、障害のある一人ひとりを理解すること、フォローすることを念頭におき、個人の性格に合わせる、こまめに話をする、声かけを積極的にするなどし、話しやすい環境を整えるよう取り組んでいます。  従業員の中には、これまでのマイナスの経験が忘れられない方もおり、自己評価を正しくできていないように見受けられます。ここで働く中でプラスの経験を蓄積し、時間をかけて和らげていければと感じています。センターとしては、雇用した26名が定着できるよう、やりがいや責任感を持って仕事ができるように取り組み、彼らの前向きな働きぶりを産直センター内だけでなく組織全体に還元していきたいと考えています。 従業員の声:山田さん(勤続1年:コンテナ洗浄、窓ふき、液体補充等担当)  入社時は作業量の多さから焦ってばかりで、実際の行動や体力が頑張ろうという気持ちについていけませんでした。ジョブコーチとも相談し、配置転換を受け入れました。最初は戸惑いましたが、担当するコンテナ洗浄は、汚れが綺麗になりとても気持ちのいい作業でもあるので、自分に合っていて配置転換してもらい良かったと感じています。 淵之上さん(勤続1年:計量後の袋詰め、フライ用パン粉付け等製造担当)  入社して1年5か月が経ちました。入社直後は人との接し方や仕事がうまくできるか心配でしたが、自分から話しかけたり、先輩から仕事を教えてもらったりすることで上達していきました。最近は周りからも誉められるようになりましたが、自分のできていない部分をできるように努力していきたいと思っています。 改善策紹介 改善策・ キーワード:1.業務体制の工夫 2.社内サポート 「学習会の実施、支援のための役割分担の明確化により精神障害のある職員の受け入れ体制を整備」  精神障害のある職員の受け入れにあたり、個々人の様々な症状に対する知識が無いことや仕事の教え方、コミュニケーションの取り方に不安をもつ従業員が多かったため、障害者職業センターのカウンセラーを講師に招き、産直センター(ミート・フィッシュ・ベジタブル・物流・検査の5センター)職員全員を対象とした学習会を開催するとともに、同僚となる職員には、採用となった人の症状など具体的な情報を共有した。  また、障害のある職員を一人前にするために、焦らず余裕を持って育てていきたいと考えていることから、障害のある職員の給与を本部経費とする仕組みを作ることで現場に余裕を持たせ、支援の環境を整えている。  さらに、産直センター統括(障がい者雇用責任者)・障害者職業生活相談員(以下、「生活相談員」)を核として、各センター長、管理本部障がい者雇用推進担当者・人事教育部を内部3体制として整え、現場で生じた課題から組織的な課題まですべて対応できるようにした。  学習会などを行うことで、現場職員が理解を深め配慮を心がけるようになった。また、以前は、管理本部が個別巡回して現場で生じた課題へ対応していたが、職員数の多くなった現在は、生活相談員が統括に相談・報告しながら迅速かつ的確に対応している。  課題の内容に応じて、ハローワークや障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどの支援機関とも連携し課題解決を図っている。 ▲図:産直センター統括、生活相談員を核とした内部3体制の役割 改善策・ キーワード:2.社内サポート 「職場定着に向けて作業日報やミーティングを行い、作業上の課題を改善」  採用後、仕事に従事していると、作業上の課題がいくつか生じた。例えば、午前中の動作が緩慢になりがちなこと、組立作業が苦手で正確さを求めるあまり必要以上に確認することで本人の疲労が大きいことがあり、本人も引け目に感じていた。そのため、職場定着に向けて、採用後2か月間は自由記述式の作業日報を毎日記入すること、退勤前の30分間ミーティングを毎日行うことで、各自の得意・不得意、心配事、同僚との会話の様子など多岐にわたり確認している。これにより、本人がどのように考えて業務に取り組んでいるか、何に不安を感じているかなど個々に対する理解を深められることができ、さらにこれらの悩みを本人からも発信できるようになる効果が見られた。  日報の確認やミーティングへの参加は、産直センター統括と生活相談員が行い、本人同意の上、現場で直接指示を出す職員とも情報共有した。その結果、ペース配分について現場の配慮が得られたり、本人の苦手な作業から得意な作業に配置転換するなどの対応をしたりすることができ、課題が解決された。 ▲写真:生活相談員崎さんがミーティング、見回り・声かけを実施 ▲写真:コンテナ洗浄に配置転換(⇒p.48〜50) 改善策・ キーワード:3.不安の軽減 4.相談の工夫  採用2か月を経過すると、仕事も本格的になるため、毎日行っていたミーティングや自由記述式の作業日報の時間が取りにくくなった。そのため、毎日行っていたミーティングは、月2回の振り返りミーティングに頻度を減らして実施し、仕事での困りごとや要望、体調面の変化を聞くようにしている。  作業日報は、自由記述から選択式の振り返り日報に変更し(図参照)、時間的に効率よく行いかつ本人たちが抱えている悩みをすぐにキャッチする仕組みを作った。併せて、産直センター統括スタッフの生活相談員一名が、障害のある職員の配置部署を日々見回り、声かけすることで信頼関係を構築し、相談しやすい雰囲気作りや課題への対応を行った。当社で採用した精神障害のある職員の特徴の一つでもある、体調の悪い時でも頑張って出勤する傾向についても、日々の声かけで体調不良時には安心して休むよう伝えていった。  これらの取組の結果、徐々に自分の体調を客観的に振り返ることができるようになったことやその日の悩みや疑問などを次の日に持ち越さないようになったことで、悩みなどの不安も軽減され、安定した勤務に繋がった。さらに、柔軟な勤務態勢(5勤2休から3勤1休への変更など)を取ることで、本人の体調に合わせた働き方を選択できるようになったことも勤務が安定した要因のひとつである。  このように現場の体制を整備することで、本部障がい者担当者が月4回巡回する相談において、普段聞くことができない意見を引き出すことができ、より一層本人の理解を深めることができるようになった。 従業員の声〜ミーティングの効果〜  ミーティングでは、他者とのコミュニケーションも含めた仕事でうまくいっていること・いないことを中心に意見交換しています。  淵之上さんは「ミーティングで気持ちが楽になる」、山田さんは「次からの改善策が見つかり前に進めるのが良い」と話しています。 ▲図:選択式振り返り日報(⇒ p.51,52) ▲図:自由記述式の作業日報:採用後2か月間はこの様式を活用 ▲図:振り返りミーティング報告書(⇒ p.53)  日報を毎日確認することもコミュニケーションのひとつ。生活相談員等が確認し、各自の課題を把握する。 職場改善のために事業所が作成した資料・支援ツール 職場改善のために作成した資料や精神障害者に対して用いた支援ツールなどを、取材先事業所のご了解のもと、当機構において一部修正を加えて掲載しています。精神障害者の職場改善に役立つ実践的な資料ですので、是非、参考にして下さい。 ●支援ツールリスト 第一生命チャレンジド株式会社 ・作業の見える化 p.39 ・支援機関との連携図 p.39 ・業務の目的 p.39 ・検討&決定事項リスト p.40 新潟ワコール縫製株式会社 ・障害者職業生活相談員の配置と障害者の就業支援場所 p.41 ・該当メンバー会議の流れ p.41 ・週間予定表 p.42 ・連絡帳 p.42 THK株式会社山口工場  ・情報共有シート p.43 ・社員手帳を使った体調管理 p.43 ・研修会のスケジュール p.44 農業生産法人株式会社GRA ・スケジュール表・チェックリスト p.45 株式会社ヨークベニマル大野目店 ・作業スケジュールとルール p.46 グリービジネスオペレーションズ株式会社 ・面接シートp.47 生活協同組合コープかごしま産直センター ・作業マニュアル・ p.48 ・作業マニュアル・ p.49 ・担当する作業内容 p.50 ・配置図 p.50 ・作業日報(選択式) p.51 ・振り返り日報 p.52 ?作業日報報告書 p.53 第一生命チャレンジド株式会社 ・作業の見える化(本文はp.10)  書類発送業務では、どの業務も工程ごとに書類を置く場所が決まっており、「見える化」により、一目で進捗状況がわかる仕組みになっている。 ・支援機関との連携図(本文はp.10)  企業が対応すること、支援機関が対応することを明確に分け、職場定着推進室、支援機関、本人が緊密に連携し、安定して働ける環境を整えている。 ・業務の目的(本文はp.11)  業務の目的や内容を明確にしておくことで、自分の担当する業務について理解した上で取り組むことができる。 ・検討&決定事項リスト(本文はp.11) 新潟ワコール縫製株式会社 ・障害者職業生活相談員の配置と障害者の就業支援場所(本文はp.16) ・該当メンバー会議の流れ(本文はp.16) ・週間予定表(本文はp.17) ・連絡帳(本文はp.17) THK株式会社山口工場 ・情報共有シート(本文はp.20) ・社員手帳を使った体調管理(本文はp.21)  日付の右側に縦3つ並んだ数字は、出勤時・昼・夕方の体調を10段階で表している。数字の下の○△は、夕方の余力を表している。5以下や△が続く場合は、作業内容を調整する。ジョブコーチとの振り返りに使うことで、自分自身の傾向が客観視でき、不安の軽減にもつながる。 ・研修会のスケジュール (本文はp.21) 農業生産法人株式会社GRA ・スケジュール表・チェックリスト(本文はp.24) 株式会社ヨークベニマル大野目店 ・作業スケジュールとルール (本文はp.29) グリービジネスオペレーションズ株式会社 ・面接シート(本文はp.46) 生活協同組合コープかごしま産直センター ・作業マニュアル・(関連する本文はp.36)  写真付きのマニュアルは、確認しやすいよう壁に貼っている。 慣れないうちは、p48〜p50のマニュアルを見て、作業に従事していた。 ・作業マニュアル・ (関連する本文はp.36) ・担当する作業内容(関連する本文はp.36) ・配置図(関連する本文はp.36) ・作業日報(選択式)(本文はp.37) ・振り返り日報(本文はp.37) ?作業日報報告書(本文はp.37) 応募いただいた事業所  平成26年度の障害者雇用職場改善好事例募集において、全国78事業所からご応募がありました。入賞事業所以外の応募事業所は以下のとおりです。 1 生活協同組合コープさっぽろ 北海道 2 医療法人 渓仁会 北海道 3 株式会社 みちのく銀行 青森 4 エム物流株式会社 北東北エリア統括部 盛岡センター 岩手 5 有限会社秋田丸善商事 秋田 6 株式会社LIXILビバ ビバホーム矢吹店 福島 7 株式会社日京クリエイト 東日本事業本部 茨城 8 株式会社 遠藤照明 栃木 9 サンデンブライトパートナー株式会社 群馬 10 社会福祉法人 元気村 埼玉 11 三菱マテリアル株式会社 人財開発センター 埼玉 12 SAPハピネス株式会社 埼玉 13 株式会社 クロテック 千葉北事業所 千葉 14 株式会社稲穂 東京税関成田航空貨物出張所職員食堂 千葉 15 株式会社 イオンファンタジー 千葉 16 株式会社 アヴァンティスタッフ 東京 17 アニコム損害保険株式会社 東京 18 トステムマネジメントシステムズ株式会社 東京 19 トッパン・フォームズ株式会社 東京 20 株式会社シータス&ゼネラルプレス 東京 21 有明興業株式会社 東京 22 株式会社 JTBデータサービス 東京 23 株式会社 アイエスエフネットハーモニー 東京 24 株式会社 インテリジェンス・ベネフィクス 東京 25 株式会社 VSNビジネスサポート 東京 26 大和ライフプラス株式会社 東京 27 株式会社 ワールドビジネスサポート 東京 28 大東コーポレートサービス株式会社 東京 29 楽天ソシオビジネス株式会社 東 京 30 富士ソフト企画株式会社 神奈川 31 アイテックス株式会社 新潟 32 アイマーク環境株式会社 新潟 33 社会福祉法人 萬葉の杜福祉会 朝日山ケアセンター 富山 34 日本郵便株式会社 北陸支社 石 川 35 医療法人千寿会 つくし野病院 福 井 36 公益財団法人 山梨厚生会 山梨厚生病院 山梨 37 株式会社 綜合キャリアトラスト長野 長野 38 合資会社フェニックス 岐阜 39 フジパン株式会社豊明工場 愛知 40 愛陸商事株式会社 愛知 41 株式会社 滋賀銀行 滋賀 42 協栄ビル管理株式会社 京都 43 クリーンスペース株式会社 京都 44 株式会社 KYOSO 京都 45 有限会社 奥進システム 大阪 46 フジアルテスタッフサポートセンター株式会社 大阪 47 クボタワークス株式会社 大阪 48 株式会社 NTT西日本ルセント 大阪 49 株式会社 ダイキンサンライズ摂津 大阪 50 株式会社ニッセイ・ニュークリエーション 大阪 51 オノライティング株式会社 兵庫 52 一般社団法人 障害者雇用促進センター 奈良 53 株式会社 ビオ・マーケット和歌山センター 和歌山 54 シャープ米子株式会社 鳥取 55 株式会社 日立金属安来製作所 島根 56 株式会社 ユアーズ 広島 57 広島市農業協同組合 広島 58 サンキ・ウエルビィ株式会社 小規模多機能センター江波 広島 59 セントラル硝子株式会社宇部工場 山口 60 株式会社 ハートフルコープとくしま 徳島 61 西村ジョイ株式会社 香川 62 株式会社 平本店 香川 63 大王製紙保安検査システム株式会社 愛媛 64 せるぽ株式会社 高知 65 株式会社 観光ホテル千代田館 佐賀 66 社会福祉法人さゆり会 長崎 67 西九州ハートフルサービス株式会社 熊本 68 株式会社 コーリツ 大分 69 特定非営利活動法人コリドール会 カフェ・コリドール 宮崎 70 株式会社 エルアクト 鹿児島 71 株式会社 プロトデータセンター 沖縄 応募状況 1.都道府県別応募数 北海道 2 青森 1 岩手 1 宮城 1 秋田 1 山形 1 福島 1 茨城 1 栃木 1 群馬 1 埼玉 3 千葉 3 東京 15 神奈川 2 新潟 3 富山 1 石川 1 福井 1 山梨 1 長野 1 岐阜 1 静岡 0 愛知 2 三重 0 滋賀 1 京都 3 大阪 6 兵庫 1 奈良 1 和歌山 1 鳥取 1 島根 1 岡山 0 広島 3 山口 2 徳島 1 香川 2 愛媛 1 高知 1 福岡 0 佐賀 1 長崎 1 熊本 1 大分 1 宮崎 1 鹿児島 2 沖縄 1 合計 78 2.事業所規模別応募数 事業所規模1,001人〜 計8 事業所規模501人〜1,000人 計10 事業所規模301人〜500人 計4 事業所規模101人〜300人 計20 事業所規模56人〜100人 計8 事業所規模55人以下 計28 合計 78 3.産業別応募数 業種:農業、林業 1 製造業 14(食料品製造業 2、繊維工業 1、パルプ・紙・紙加工品製造業 1、印刷・同関連業 1、窯業・土石製品製造業 1、鉄鋼業 1、非鉄金属製造業1、はん用機械器具製造業 1、生産用機械器具製造業 1、電子部品・デバイス・電子回路製造業 2、電気機械器具製造業 1、その他の製造業 1) 情報通信業 7(情報サービス業 7) 運輸業、郵便業 2(道路貨物運送業 1、郵便業 1) 卸売業、小売業 7(各種商品卸売業 1、各種商品小売業 3、飲食料品小売業 1、その他の小売業 2) 金融業、保険業 4(銀行業 2、協同組織金融業 1、保険業 1) 宿泊業、飲食サービス業 6(宿泊業 1、飲食店 5) 生活関連サービス業、娯楽業 1 医療・福祉 9(医療業 3、社会保険・社会福祉・介護事業 6) サービス業(他に分類されないもの) 27(廃棄物処理業 3、職業紹介・労働者派遣業 3、その他の事業サービス業 21) 合計 78 4.部門別応募数 一般企業A(301人以上) 計20 一般企業B(300人以下) 計36 特例子会社 計22 合計 78 平成26年度障害者雇用職場改善好事例応募要項 1.趣旨  障害者雇用において雇用管理、雇用環境等を改善・工夫し、様々な取組を行っている事業所の中から、他の事業所のモデルとなる好事例を募集し、これを広く一般に周知することにより、事業所における障害者の雇用促進と職域の拡大及び職場定着の促進を図るとともに、障害者雇用に関する理解の向上に資することを目的とします。 2.募集テーマ  平成25年度障害者雇用状況の集計結果によると、民間企業における精神障害者の雇用人数は、2万2,218.5人となり、前年より33.8%の増加となりました。障害者雇用促進法の改正により、次の法定雇用率の見直し時期である平成30年に精神障害者が法定雇用率の算定基礎に追加されることから、精神障害者の雇用は今後も一層進むものと考えられます。  一方、平成20年度障害者雇用実態調査によると、精神障害者の平均勤続年数は他の障害種別に比べて短くなっています。精神障害者は状態に波がある等、各人によって特性が異なり、職場適応に向けて必要となる配慮や支援は各人に合わせて行うことが求められることから、精神障害者に対しては雇入れ時の支援のみならず、雇入れ後の職場定着の支援をどのように行っていくかということが大きな課題になっています。  このような現状から、精神障害者の職場定着等の支援に当たっては、企業が精神障害の特性に関して専門的知見を有するジョブコーチ等の就労支援機関を必要な時に気軽に利用できることが重要です。また、外部からの支援だけではなく、企業内において障害者の就業について知識のある者による職場定着等への取組は、企業の文化、形態、業種等に通じたものとして、有効性が期待できます。さらに、企業内で障害者の就業について知識のある者が、就労支援機関との連携を深め、精神障害者に関する支援ノウハウを吸収していくことにより、自ら行う支援を一層充実させていくことが望まれます。  そこで、平成26年度においては、就労支援機関を活用し、又は、企業内において精神障害者等を支援するために育成した従業員によって取り組んだ、以下に掲げる精神障害者の職場改善好事例を募集します。 ・障害特性に配慮した作業内容の改善や職務内容の再構築、新たな職域の拡大等により能率の向上を図った事例  ・ジョブコーチ等が実施した業務遂行状況の分析結果を踏まえ、作業の手順や実施方法の工夫・改善を行い、実施業務の精度や能率の向上を図った事例  ・複数人数による業務実施体制により業務負担の軽減や通院時の配慮等を実施し、働きやすい職場環境を整えてスキルアップ等を進めた事例  ・各人の職業適性や能力に応じた職務を創出した事例 ・職場環境の改善等により緊張・不安の軽減や体調不良の予防を図った事例  ・就労支援機関との役割分担により社内外で仕事を振り返る機会等を設け、不安やストレスを軽減する相談等を定期的に実施し、体調不良の予防を図りつつ職場適応を進めた事例  ・集中して業務に取り組めるような職場環境の改善を図り、業務の精度や能率が向上した事例  ・体調不良が生じないよう、日誌等による体調面の把握や不調が生じた場合のマニュアルに基づく対応等、体調管理の促進や不調サインを見極めた対処等を図っている事例 ・意欲やモチベーションの向上を図った事例  ・本人の希望を尊重した職場への配置や計画的な業務のステップアップを実施し、能力の発揮に結びついた事例  ・各人に応じた業務目標の設定や達成状況のフィードバックを行い、従業員としての自覚や責任感を育て、能力の発揮やキャリアアップを実現した事例  ・就労支援機関による相談支援のフォローを受けながら、短時間勤務による雇用から計画的な勤務時間の延長を行った結果、フルタイム勤務が実現した事例 ・企業内における支援者が就労支援機関等の有する支援ノウハウを習得し、職域拡大や職場定着を図った事例  ・就労支援機関から相談手法や工程分析等の支援技術を学んだ社内の支援者が職場改善に取り組み、効果が得られた事例  ・他の企業における支援者等とのネットワークを通じて支援ノウハウを学んだ社内の支援者が職場改善に取り組み、効果が得られた事例 3.主催 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 4.後援 厚生労働省 5.応募締切日 平成26年6月2日(月)(必着) 6.応募資格 ・精神障害者を雇用している企業又は事業所。 ・応募時点において、労働関係法令に関し重大な違反がないこと及びその他の法令上又は社会通念上、表彰するにふさわしくないと判断される問題を起こしていないこと。 7.応募方法 ・指定の応募用紙を使用し、応募用紙のみで改善の内容が簡潔にわかるようにご記入ください。また、応募用紙の各項目は変更しないでください。なお、参考資料として、図、イラスト、写真等をつけても構いません(添付資料はA4サイズにおさめてください)。但し、学会や研究発表会等で使用した論文、著作本、大量の基礎データを参考資料として用いることはご遠慮ください。 ・応募する事例については、上記2の募集テーマ(1)〜(4)の全部又は一部に該当するものとします。 ・応募用紙は、表紙に記載している「提出先・お問い合わせ先」のほか、厚生労働省、都道府県労働局、ハローワーク、地域障害者職業センター、高齢・障害者雇用支援センター、障害者就業・生活支援センター等で配布します。また、当機構のホームページからダウンロードした用紙も使用できます。 ・応募用紙は、表紙に記載している「提出先・お問い合わせ先」に郵送または電子メールにて提出してください。 ・前年度に入賞した事業所の応募につきましては、前年度と同様の改善事例又は改善内容の一部を変更した事例による応募は原則認めないこととし、新たな改善事例のみ受け付けることとします。 8.賞  優秀な事例には、最優秀賞(厚生労働大臣賞)、優秀賞(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞)、奨励賞(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞)を贈ります。  なお、優秀賞と奨励賞については、部門(一般部門、特例子会社部門)を設け、部門ごとに賞を贈ります。 9.審査  当機構に審査員会を設置し、審査します。なお、審査において同程度の評価を受けた応募事例があった場合は、過去の受賞歴のない事業所を優先的に選定します。 10.表彰 上記の最優秀賞、優秀賞の入賞事業所の表彰式は、平成26年9月に東京で開催する予定です。 11.その他 ・応募の際、事例の対象となる障害者の承諾を得てください。また、障害者の名前の表記については、イニシャルを用いるなど匿名にしてください。 ・応募書類は、返却しません。 ・応募した文書の著作権及びこれに付随する一切の権利は、当機構に帰属するものとします。 ・応募に際して得られた個人情報は、当機構が管理し、本募集の実施運営にかかわる作業と障害者雇用の普及・啓発に関する資料送付のみを目的として使用します。 ・応募事例については好事例集としてまとめ、事業所、関係団体等に配布します。このうち、入賞事例については取材を行い、具体的な事例の内容を好事例集へ掲載するとともに、当機構のホームページにも掲載します。 【審査員の構成】 遠藤 和夫 一般社団法人日本経済団体連合会 労働政策本部 主幹 鈴木  修 特定非営利活動法人くらしえん・しごとえん 代表理事 中川 正俊 田園調布学園大学人間福祉学部社会福祉学科 教授 畑  俊一 厚生労働省職業安定局雇用開発部 障害者雇用対策課地域就労支援室 室長 吉光  清 九州看護福祉大学看護福祉学部社会福祉学科 学科長 清川 啓三 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 理事 平成26年度障害者雇用職場改善好事例の厚生労働大臣賞受賞者について 「障害者雇用職場改善好事例募集」の趣旨  障害者雇用事業所で行われている雇用管理や雇用環境の改善等の様々な取組の中から、他の事業所のモデルとなる好事例を募集し、優秀事例を表彰するとともに、広く一般に周知することによって、企業における障害者の雇用と職域の拡大及び職場定着の促進を図るとともに、障害者雇用に関する理解の向上を図る。 ※平成26年度は支援機関の活用や企業内における専門人材の育成等による精神障害者の職場改善好事例を募集 ●最優秀賞(厚生労働大臣賞)(計1件) ・東京都 第一生命チャレンジド株式会社  精神保健福祉士、社会福祉士、ジョブコーチなどを職場定着推進室に配置し、障害のある社員の育成のためのサポートや、全社員に対する研修を行っている。精神障害のある社員が有する職場でのさまざまな不安を解消し、業務を円滑に進めるため、目標管理制度の活用、チーム制度の導入、突発的な課題に対するタイムリーな対応などの取組が行われている。安定した支援体制のもとで、工夫・改善を重ねた取組を通じて、社員全体の安心感が醸成されているほか、精神障害者本人の新たな業務にチャレンジする意欲の醸成や、職業人としての自信の獲得に寄与しており、他の企業にとって大いに参考となる。 ●平成26年度 障害者雇用職場改善好事例の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞受賞者について 優秀賞(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞) (計2件) ・新潟県 新潟ワコール縫製株式会社  障害のある社員の増加に伴い、障害者職業生活相談員、企業内のジョブコーチなどの配置を増やし、各々の役割を明確化した社内体制を確立している。企業内の専門人材が業務の適性配置、課題や小さな変化などを把握するとともに、障害のある社員の所属部署担当者が参集する会議において課題解決を図るなど、きめ細やかな支援が評価された。 ・山口県 THK株式会社山口工場  精神疾患により休職中の社員の職場復帰に向けて、本人の不安軽減のため復職前に支援機関と相談し適切な業務を検討し、復職後には企業内のジョブコーチが本人と面談するなどして作製した緻密な計画により職場定着を図っている点が評価された。また、支援機関に講師を依頼し研修会を開催するなどして、企業内の専門人材のスキルアップにも取り組んでいる。 奨励賞(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞)(計4件) ・宮城県 農業生産法人 株式会社GRA  障害者雇用の経験がなく不安が大きかったため、支援機関に要請し、障害についての理解促進や受入体制の整備に向けて勉強会を開催したほか、支援機関のジョブコーチと作業スケジュールの作成などを行っている。支援機関を活用し、社員ミーティングを重ねるなかで徐々に社内体制を整え、精神障害者が安心して働ける環境作りを行っていることが評価された。 ・山形県 株式会社ヨークベニマル大野目店  障害者雇用を増やす方針があったが、精神障害者の雇用はなく、不安を抱えていたため、支援機関のジョブコーチによる支援を活用し、指示系統を固定化し、指示書の作成を的確に行うなど、初めて精神障害者を雇用する事業所に参考となる取組が評価された。 ・神奈川県 グリービジネスオペレーションズ株式会社  社員数が増加し障害特性が多様化するなかで、社員が能力を十分に発揮できるよう支援機関と連携し、定期的な面談を丁寧に行うとともに、障害特性を踏まえた業務分担や疲労への配慮に取り組んでいる。障害者を主体とする業務運営を行うためリーダー&サブリーダー制度を導入するなど、精神障害者の職場定着に向けて今後の展開が期待される点が評価された。 ・鹿児島県 生活協同組合コープかごしま産直センター  産直センターの障がい者雇用責任者、障害者職業生活相談員が核となり、本部障がい者担当者・人事教育部や他センターと支援機関が連携し、職場定着に向けた取組を行っている。障害者の支援体制の強化のほか、ミーティングなど個別対応も丁寧に行われているなど、今後の職場定着が期待される点が評価された。 障害者雇用を支援する機関 障害者を雇用する場合に、相談や支援を行ってもらえる機関  平成26年度の障害者雇用職場改善好事例の募集テーマは、「支援機関の活用や企業内における専門人材の育成等による精神障害者の職場改善好事例」でした。  応募事業所の多くは、支援機関と連携して、職場で生じる課題に応じて役割分担をしながら雇用促進・職場定着を進めています。  障害者の就職に向けた支援を実施する機関には、主に以下のようなものがあります。 ●ハローワーク 主な業務内容:職業紹介、雇用率達成指導 主な支援スタッフ:専門援助部門の職員、事業主指導部門の職員 ●障害者就業・生活支援センター 主な業務内容:就職・職場定着に向けた支援、生活習慣、健康管理、金銭管理などの日常生活の助言など 主な支援スタッフ:就業支援ワーカー、生活支援ワーカー ●地域障害者職業センター 主な業務内容:ジョブコーチ支援、リワーク支援、事業主支援など 主な支援スタッフ:障害職業カウンセラー、ジョブコーチ、リワークアシスタント ●高齢・障害者雇用支援センター 主な業務内容:障害者雇用納付金制度に基づく申告・申請の受付、障害者職業生活相談員認定講習の開催など 主な支援スタッフ:助成金担当者 ●障害者職業能力開発校 主な業務内容:職業訓練など 主な支援スタッフ:職業訓練指導員 ●就労移行支援事業所 主な業務内容:就労に必要な訓練など 主な支援スタッフ:指導員 支援機関と連携し、支援体制や助成措置を活用した流れの一例をご紹介します。なお、支援制度や助成措置の活用のためには、それぞれ要件があります。 ▲図:企業の障害者雇用の流れ・支援機関と支援の内容・制度・助成措置などの活用 ※ p60,61は、当機構で作成したマニュアル「はじめからわかる障害者雇用 事業主のためのQ&A集」のQ28を参考にしています。 障害者雇用を支援する施策 ▲図:障害者雇用納付金制度 ▲図:特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金) ▲図:障害者トライアル雇用奨励金 ▲図:障害者短時間トライアル雇用奨励金 ▲図:職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業 地域障害者職業センター 障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、事業主に対する雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関に対する助言・援助を実施しています。 地域障害者職業センター一覧 北海道障害者職業センター 〒001-0024 札幌市北区北24条西5丁目1-1札幌サンプラザ5階 TEL 011-747-8231 北海道障害者職業センター旭川支所 〒070-0034 旭川市4条通8丁目右1号ツジビル5階 TEL 0166-26-8231 青森障害者職業センター 〒030-0845 青森市緑2丁目17番地2号 TEL 017-774-7123 岩手障害者職業センター 〒020-0133 岩手県盛岡市青山4丁目12番30号 TEL 019-646-4117 宮城障害者職業センター 〒983-0836 仙台市宮城野区幸町4丁目6番1号 TEL 022-257-5601 秋田障害者職業センター 〒010-0944 秋田市川尻若葉町4番48号 TEL 018-864-3608 山形障害者職業センター 〒990-0021 山形市小白川町2丁目3番68号 TEL 023-624-2102 福島障害者職業センター 〒960-8135 福島市腰浜町23-28 TEL 024-522-2230 茨城障害者職業センター 〒309-1703 茨城県笠間市鯉淵6528-66 TEL 0296-77-7373 栃木障害者職業センター 〒320-0865 栃木県宇都宮市睦町3番8号 TEL 028-637-3216 群馬障害者職業センター 〒379-2154 群馬県前橋市天川大島町130-1 TEL 027-290-2540 埼玉障害者職業センター 〒338-0825 さいたま市桜区下大久保136-1 TEL 048-854-3222 千葉障害者職業センター 〒261-0001 千葉市美浜区幸町1-1-3 TEL 043-204-2080 東京障害者職業センター 〒110-0015 東京都台東区東上野4-27-3 上野トーセイビル3階 TEL 03-6673-3938 東京障害者職業センター多摩支所 〒190-0012 立川市曙町2-38-5立川ビジネスセンタービル5階 TEL 042-529-3341 神奈川障害者職業センター 〒252-0315 神奈川県相模原市南区桜台13-1 TEL 042-745-3131 新潟障害者職業センター 〒950-0067 新潟市東区大山2丁目13-1 TEL 025-271-0333 富山障害者職業センター 〒930-0004 富山市桜橋通り1-18北日本桜橋ビル7階 TEL 076-413-5515 石川障害者職業センター 〒920-0856 石川県金沢市昭和町16-1 ヴィサージュ1階 TEL 076-225-5011 福井障害者職業センター 〒910-0026 福井市光陽2丁目3番32号 TEL 0776-25-3685 山梨障害者職業センター 〒400-0864 山梨県甲府市湯田2丁目17番地14号 TEL 055-232-7069 長野障害者職業センター 〒380-0935 長野市中御所3丁目2番4号 TEL 026-227-9774 岐阜障害者職業センター 〒502-0933 岐阜市日光町6丁目30番地 TEL 058-231-1222 静岡障害者職業センター 〒420-0851 静岡市葵区黒金町59-6大同生命静岡ビル7階 TEL 054-652-3322 愛知障害者職業センター 〒453-0015 名古屋市中村区椿町1-16 井門名古屋ビル4階 TEL 052-452-3541 愛知障害者職業センター豊橋支所 〒440-0888 愛知県豊橋市駅前大通り1-27 MUS豊橋ビル6階 TEL 0532-56-3861 三重障害者職業センター 〒514-0002 三重県津市島崎町327-1 TEL 059-224-4726 滋賀障害者職業センター 〒525-0027 滋賀県草津市野村2丁目20-5 TEL 077-564-1641 京都障害者職業センター 〒600-8235 京都市下京区西洞院通塩小路下る東油小路町803 TEL 075-341-2666 大阪障害者職業センター 〒541-0056 大阪市中央区久太郎町2-4-11クラボウアネックスビル4階 TEL 06-6261-7005 大阪障害者職業センター南大阪支所 〒591-8025 大阪府堺市北区長曽根町130-23 堺商工会議所会館5階 TEL 072-258-7137 兵庫障害者職業センター 〒657-0833 神戸市灘区大内通5-2-2 TEL 078-881-6776 奈良障害者職業センター 〒630-8014 奈良市四条大路4丁目2-4 TEL 0742-34-5335 和歌山障害者職業センター 〒640-8323 和歌山市太田130番地の3 TEL 073-472-3233 鳥取障害者職業センター 〒680-0842 鳥取市吉方189 TEL 0857-22-0260 島根障害者職業センター 〒690-0877 島根県松江市春日町532 TEL 0852-21-0900 岡山障害者職業センター 〒700-0821 岡山市北区中山下1-8-45 NTTクレド岡山ビル17階 TEL 086-235-0830 広島障害者職業センター 〒732-0052 広島市東区光町2-15-55(広島市児童総合相談センター2階) TEL 082-263-7080 山口障害者職業センター 〒747-0803 山口県防府市岡村町3-1 TEL 0835-21-0520 徳島障害者職業センター 〒770-0823 徳島市出来島本町1-5 4・5階 TEL 088-611-8111 香川障害者職業センター 〒760-0055 香川県高松市観光通2丁目5番20号 TEL 087-861-6868 愛媛障害者職業センター 〒790-0808 愛媛県松山市若草町7番地の2 TEL 089-921-1213 高知障害者職業センター 〒781-5102 高知市大津甲770-3 TEL 088-866-2111 福岡障害者職業センター 〒810-0042 福岡市中央区赤坂1-6-19ワークプラザ赤坂5階 TEL 092-752-5801 福岡障害者職業センター北九州支所 〒802-0066 福岡県北九州市小倉北区萩崎町1-27 TEL 093-941-8521 佐賀障害者職業センター 〒840-0851 佐賀市天祐1丁目8番5号 TEL 0952-24-8030 長崎障害者職業センター 〒852-8104 長崎市茂里町3-26 TEL 095-844-3431 熊本障害者職業センター 〒862-0971 熊本市中央区大江6丁目1-38熊本公共職業安定所4階 TEL 096-371-8333 大分障害者職業センター 〒874-0905 大分県別府市上野口町3088の170 TEL 0977-25-9035 宮崎障害者職業センター 〒880-0014 宮崎市鶴島2丁目14-17 TEL 0985-26-5226 鹿児島障害者職業センター 〒890-0063 鹿児島市鴨池2丁目30-10 TEL 099-257-9240 沖縄障害者職業センター 〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち1-3-25沖縄職業総合庁舎5階 TEL 098-861-1254 高齢・障害者雇用支援センター ※平成27年4月より各都道府県支部高齢・障害者業務課に名称変更します。  障害者の雇用に関する相談・援助、障害者雇用納付金制度に基づく申告・申請の受付、啓発等の業務を実施しているほか、高年齢者等の雇用に関する相談・援助、各種給付金の支給申請の受付等を実施しています。 高齢・障害者雇用支援センター一覧 ※平成27年2月27日現在 北海道高齢・障害者雇用支援センター 〒063-0804 札幌市西区二十四軒4条1-4-1北海道職業訓練支援センター内 TEL 011-622-3351 青森高齢・障害者雇用支援センター 〒030-0822 青森市中央3-20-2 青森職業訓練支援センター内 TEL 017-721-2125 岩手高齢・障害者雇用支援センター 〒020-0024 岩手県盛岡市菜園1-12-10 日鉄鉱盛岡ビル5階 TEL 019-654-2081 宮城高齢・障害者雇用支援センター 〒980-0021 仙台市青葉区中央3-2-1 青葉通プラザ13階 TEL 022-713-6121 秋田高齢・障害者雇用支援センター 〒010-0951 秋田市山王3-1-7 東カンビル3階 TEL 018-883-3610 山形高齢・障害者雇用支援センター 〒990-2161 山形市大字漆山1954山形職業訓練支援センター内 TEL 023-674-9567 福島高齢・障害者雇用支援センター 〒960-8054 福島市三河北町7-14 福島職業訓練支援センター内 TEL 024-526-1510 茨城高齢・障害者雇用支援センター 〒310-0803 茨城県水戸市城南1-1-6サザン水戸ビル7階 TEL 029-300-1215 栃木高齢・障害者雇用支援センター 〒320-0072 栃木県宇都宮市若草1-4-23栃木職業訓練支援センター内 TEL 028-650-6226 群馬高齢・障害者雇用支援センター 〒379-2154 群馬県前橋市天川大島町130-1 TEL 027-287-1511 埼玉高齢・障害者雇用支援センター 〒336-0931 さいたま市緑区原山2-18-8埼玉職業訓練支援センター内 TEL 048-813-1112 千葉高齢・障害者雇用支援センター 〒261-0001 千葉市美浜区幸町1-1-3 TEL 043-204-2901 東京高齢・障害者雇用支援センター 〒130-0022 東京都墨田区江東橋2-19-12 墨田公共職業安定所5階 TEL 03-5638-2284 神奈川高齢・障害者雇用支援センター 〒231-0003 横浜市中区北仲通4-40 商工中金横浜ビル5階 TEL 045-640-3046 新潟高齢・障害者雇用支援センター 〒951-8061 新潟市中央区西堀通6-866 NEXT21ビル12階 TEL 025-226-6011 富山高齢・障害者雇用支援センター 〒930-0004 富山市桜橋通り1-18北日本桜橋ビル7階 TEL 076-471-7770 石川高齢・障害者雇用支援センター 〒920-0352 石川県金沢市観音堂町へ1 石川職業訓練支援センター内 TEL 076-267-6001 福井高齢・障害者雇用支援センター 〒910-0005 福井市大手2-7-15明治安田生命福井ビル10階 TEL 0776-22-5560 山梨高齢・障害者雇用支援センター 〒400-0854 山梨県甲府市中小河原町403-1 山梨職業訓練支援センター内 TEL 055-242-3723 長野高齢・障害者雇用支援センター 〒381-0043 長野市吉田4-25-12 長野職業訓練支援センター内 TEL 026-258-6001 岐阜高齢・障害者雇用支援センター 〒500-8856 岐阜市橋本町2-20 濃飛ビル5階 TEL 058-253-2723 静岡高齢・障害者雇用支援センター 〒420-0851 静岡市葵区黒金町59-6 大同生命静岡ビル7階(静岡障害者職業センターと同一フロア) TEL 054-205-3307 愛知高齢・障害者雇用支援センター 〒450-0002 名古屋市中村区名駅4-2-28 名古屋第二埼玉ビル4階 TEL 052-533-5625 三重高齢・障害者雇用支援センター 〒514-0002 三重県津市島崎町327-1 TEL 059-213-9255 滋賀高齢・障害者雇用支援センター 〒520-0856 滋賀県大津市光が丘町3-13 滋賀職業訓練支援センター内 TEL 077-537-1214 京都高齢・障害者雇用支援センター 〒600-8006 京都市下京区四条通柳馬場西入立売中之町99 四条SETビル5階 TEL 075-254-7166 大阪高齢・障害者雇用支援センター 〒541-0056 大阪市中央区久太郎町2-4-11 クラボウアネックスビル3階 TEL 06-4705-6927(窓口サービス課) 兵庫高齢・障害者雇用支援センター 〒650-0023 神戸市中央区栄町通1-2-7 大同生命神戸ビル2階 TEL 078-325-1792 奈良高齢・障害者雇用支援センター 〒630-8122 奈良市三条本町9-21 JR奈良伝宝ビル6階 TEL 0742-30-2245 和歌山高齢・障害者雇用支援センター 〒640-8483 和歌山市園部1276 和歌山職業訓練支援センター内 TEL 073-462-6900 鳥取高齢・障害者雇用支援センター 〒689-1112 鳥取市若葉台南7-1-11 鳥取職業訓練支援センター内 TEL 0857-52-8803 島根高齢・障害者雇用支援センター 〒690-0001 島根県松江市東朝日町267 島根職業訓練支援センター内 TEL 0852-60-1677 岡山高齢・障害者雇用支援センター 〒700-0951 岡山市北区田中580 岡山職業訓練支援センター内 TEL 086-241-0166 広島高齢・障害者雇用支援センター 〒730-0825 広島市中区光南5-2-65広島職業訓練支援センター内 TEL 082-545-7150 山口高齢・障害者雇用支援センター 〒753-0861 山口市矢原1284-1 山口職業訓練支援センター内 TEL 083-995-2050 徳島高齢・障害者雇用支援センター 〒770-0823 徳島市出来島本町1-5 TEL 088-611-2388 香川高齢・障害者雇用支援センター 〒761-8063 高松市花ノ宮町2-4-3 香川職業訓練支援センター内 TEL 087-814-3791 愛媛高齢・障害者雇用支援センター 〒791-8044 愛媛県松山市西垣生町2184 愛媛職業訓練支援センター内 TEL 089-905-6780 高知高齢・障害者雇用支援センター 〒780-8010 高知市桟橋通4-15-68 高知職業訓練支援センター内  TEL 088-837-1160 福岡高齢・障害者雇用支援センター 〒810-0042 福岡市中央区赤坂1丁目10-17 しんくみ赤坂ビル6階 TEL 092-718-1310 佐賀高齢・障害者雇用支援センター 〒849-0911 佐賀市兵庫町大字若宮1042-2 佐賀職業訓練支援センター内 TEL 0952-37-9117 長崎高齢・障害者雇用支援センター 〒850-0862 長崎市出島町1-14 出島朝日生命青木ビル5階 TEL 095-811-3500 熊本高齢・障害者雇用支援センター 〒860-0844 熊本市中央区水道町8-6 朝日生命熊本ビル3階 TEL 096-311-5660 大分高齢・障害者雇用支援センター 〒870-0131 大分市皆春1483-1 大分職業訓練支援センター内 TEL 097-522-7255 宮崎高齢・障害者雇用支援センター 〒880-0916 宮崎市大字恒久4241 宮崎職業訓練支援センター内 TEL 098-551-1556 鹿児島高齢・障害者雇用支援センター 〒890-0068 鹿児島市東郡元町14-3 鹿児島職業訓練支援センター内 TEL 099-813-0132 沖縄高齢・障害者雇用支援センター 〒900-0006 那覇市おもろまち1-3-25沖縄職業総合庁舎4階 TEL 098-941-3301 障害者雇用に役立つ情報(文献)  独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構では、障害者雇用に関する様々なテーマの調査研究を実施したり、事業主のみなさまに対して障害者の雇い入れに活用できる実践的なマニュアル等の作成をしています。これらは、機構ホームページからダウンロードできます。ぜひ、ご活用ください。 障害者職業総合センター研究部門が取りまとめた報告書・資料等 ・調査研究報告書 No.122 就労支援機関等における就職困難性の高い障害者に対する就労支援の現状と課題に関する調査研究 2014年発行 No.114 精神障害者の職場定着及び支援の状況に関する研究 2014年発行 No.113 SSTを活用した人材育成プログラムに関する研究−ジョブコミュニケーション・スキルアップセミナー(試案)の作成− 2013年発行 No.109 精神障害者の雇用管理のあり方に関する調査研究 2012年発行 No.108 精神障害者の常用雇用への移行のための支援に関する研究 2012年発行 No.107 企業に対する障害者の職場定着支援の進め方に関する研究 2012年発行 No.95 精神障害者の雇用促進のための就業状況等に関する調査研究 2010年発行 No.93の2 特別の配慮を必要とする障害者を対象とした、就労支援機関等から事業所への移行段階における就職・復職のための支援技法の開発に関する研究(第2分冊 復職・職場適応支援編) 2010年発行 No.93の1 特別の配慮を必要とする障害者を対象とした、就労支援機関等から事業所への移行段階における就職・復職のための支援技法の開発に関する研究(第1分冊 就職・職場適応支援編) 2010年発行 No.90 精神障害者に対する就労支援過程における当事者のニーズと行動の変化に応じた支援技術の開発に関する研究 2009年発行 No.70 精神障害者の職業訓練指導方法に関する研究−技能訓練と職業生活支援− 2006年発行 No.65 精神障害者へのジョブコーチ支援の現状−職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業を対象とした調査結果− 2005年発行 No.64 精神障害者等を中心とする職業リハビリテーション技法に関する総合的研究(活用編) 2004年発行 No.57 精神障害者等を中心とする職業リハビリテーション技法に関する総合的研究(最終報告書) 2004年発行 ・資料シリーズ No.81 就労の困難さの判断の精度を高めるための連携についての調査研究 2014年発行 No.78 事業所における障害者雇用に関する配慮や支援の状況 2014年発行 No.76 精神障害者・発達障害者の雇用における課題と配慮の推進に関する調査研究 2013年発行 No.71 医療機関における精神障害者の就労支援の実態についての調査研究 2012年発行 No.70 精神障害を有する求職者の実態に関する調査研究 2012年発行 No.66 職場における心の病の多様化と事業主支援に関する研究 2012年発行 No.63 気分障害を有する者への雇用促進・雇用継続支援技法に関する研究 2012年発行 No.60 ディーセント・ワークの実現を視野においた「障害管理」に関する研究 2011年発行 No.59 認知に障害のある障害者の自己理解促進のための支援技法に関する研究 2011年発行 No.53 うつ病を中心としたメンタルヘルス不全による休職者の職場復帰支援の実際と課題に関する文献研究 2010年発行 No.52 雇用対策上の精神障害者の認定のあり方に関する調査研究 2010年発行 No.37 継続して医療的ケアを必要とする人の就業を支える地域支援システムの課題に関する調査 2007年発行 No.31 新たな地域精神保健福祉の動向−日本におけるACT(包括型地域生活支援)プログラムでの取り組み− 2005年発行 ・各種教材・ツール・マニュアル等 No.45 精神障害者の就労支援における医療と労働の連携のために 2014年発行 No.41 ジョブコミュニケーション・スキルアップセミナー(試案) −SST研修資料集− 2013年発行 No.38 精神障害者雇用管理ガイドブック 2012年発行 No.33 幕張ストレス・疲労アセスメントシート MSFASの活用のために 2010年発行 No.29 精神障害者窓口相談ガイドブック 2009年発行 No.28 就労支援ハンドブック 統合失調症者を支えるために 2009年発行 No.19 精神障害者に対する効果的な職業訓練を実施するために〜指導・支援者のためのQ&A〜 2006年発行 障害者雇用に役立つ情報(資料等) ・マニュアル、好事例集 ●職場改善好事例集:障害者の雇用管理や雇用形態、職場環境、職域拡大等について事業所が創意・工夫して実践している取組を、テーマ別にとりまとめて紹介した事例集。 ●障害者雇用マニュアルコミック版:障害者雇用に関する問題点の解消のためのノウハウや具体的な雇用事例を障害別にコミック形式でまとめたマニュアル。 ●はじめからわかる障害者雇用〜事業主のためのQ&A集〜:障害者雇用を進めるにあたり職務選定、労働条件、環境整備等について不安や悩みを抱える事業主のために、具体的方策を30のQ&Aを通じてわかりやすく解説したマニュアル。 マニュアル等の資料は、ホームページからダウンロードできます。(PDFファイルまたはTEXTファイル)(障害者雇用資料/検索) ・障害者雇用事例リファレンスサービス 積極的に障害者雇用への取組を行っている全国の事業所の事例をデータベースに蓄積し、「障害者雇用リファレンスサービス」としてホームページで紹介しています。 業種や障害、事業所規模、指定するキーワード等で雇用事例を検索することができます。 https://www.ref.jeed.go.jp/ ・就労支援機器、DVD等の貸出し 障害者を雇用している、または雇用しようとしている事業主に、障害者の就労を用意にするための支援機器の情報提供、無料貸出しを行っています。また、障害者雇用事業所の取組をDVD・ビデオにまとめ、事業主に貸し出ししています。 障害者が実際に働く姿や職場での具体的工夫の内容を動画で見ることができます。 貸し出しの概要、リストはホームページに掲載しています。 https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/dvd/index.html ・マニュアル、好事例集、・障害者雇用事例リファレンスサービスについては、雇用開発推進部雇用開発課へ TEL:043-297-9513、FAX:043-297-9547 ・DVD等の貸出しについては、中央障害者雇用情報センターへ TEL:03-5638-2792、FAX:03-5638-2282 誰もが職業をとおして社会参加できる「共生社会」を目指しています。 企画/発行 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 雇用開発推進部雇用開発課 〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉3-1-3(障害者職業総合センター内) TEL 043(297)9515 FAX 043(297)9547 https://www.jeed.go.jp/ 平成27年3月発行