平成28年度 中小企業等における精神障害者や発達障害者の 職場改善好事例集 ―平成28年度障害者雇用職場改善好事例募集の入賞事例から― 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 はじめに   独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構では、事業所における障害者の雇用および職場定着を進めるため、雇用管理や職場環境の整備などさまざまな改善・工夫を行った障害者雇用職場改善好事例を募集し、 優秀な事例を表彰、広く周知しています。本募集は平成3年度から開始し、近年では年度ごとにテーマを設定しています。  平成28年度においては、中小企業等における精神障害者や発達障害者の職場改善好事例を募集しました。全国の事業主のみなさまから多数のご応募をいただき、審査員による厳正なる審査の結果、11事業所の入賞を決定しました。  このたび、これらの事例を「中小企業等における精神障害者や発達障害者の職場改善好事例集―平成 28 年度障害者雇用職場改善好事例募集の入賞事例から―」としてご紹介します。障害者の雇用促進と職場定着のためにご活用いただければ幸いです。 最後に、ご応募いただきました事業主のみなさま、そしてご協力いただいた関係機関・団体などのみなさまにはあらためて感謝申し上げます。    平成 29 年3月   独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 Contents はじめに .................................................... 1 目次 .........................................................2 精神障害とは .................................................4 発達障害とは .................................................6 高次脳機能障害とは ...........................................7 用語解説 .....................................................8 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 最優秀賞 シダックスオフィスパートナー株式会社(東京都新宿区)............10 精神障害者の「やりがい」に配慮し、キャリアアップのための取組みを行って、職場定着を促進。また、本社のサポート体制を構築し、全国に定着支援員を配置して、全社的に雇用管理ノウハウを蓄積・共有化。   キーワード   1 キャリアアップ   2 モチベーションアップ   3 社内サポート体制   4 配置転換   5 不安の軽減   6 体調管理   7 スキルアップ 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 優秀賞 特別養護老人ホーム 鶴住荘(青森県北津軽郡).....................16  支援機関のサポートを受け、障害特性に配慮したきめ細かな対応を行って職場定着を図る。   キーワード   1 支援機関との連携   2 不安の軽減   3 コミュニケーションの改善・工夫   4 社内サポート体制    5 職務遂行の工夫   6 社内の理解 京浜パネル工業株式会社 山形工場(山形県村山市).................20  社長自らが社員研修を行い、社内理解を促進。技術が必要とされる塗装部門で、初めて発達障害者を受け入れ、支援機関と連携し、職場定着を図る。   キーワード   1 社内の理解   2 支援機関との連携   3 社内サポート体制   4 職務遂行の工夫   5 コミュニケーションの改善・工夫   6 不安の軽減   7 スキルアップ 株式会社カシマ(茨城県かすみがうら市)..........................24  障害者本人の希望を最優先しながら、粘り強く1人ひとりの個性に合った環境改善を図る。 共存共栄の心で、一緒になって企業の発展を目指す。   キーワード   1 職務遂行の工夫   2 配置転換    3 不安の軽減    4 社内サポート体制   5 支援機関との連携    6 社内の理解 大和ライフプラス株式会社(東京都港区)..........................28  個々人の特性に配慮して配置転換を行うなど、きめ細かにサポート。一人ひと りが安心して働ける組織風土の醸成に向けた取組みを着実に推進。   キーワード   1 配置転換   2 職務遂行の工夫    3 不安の軽減   4 体調管理    5 支援機関との連携   6 コミュニケーションの改善・工夫 グリービジネスオペレーションズ株式会社(神奈川県横浜市)........32  障害特性をふまえ、一人ひとりの「強み」の評価を行い、職務のマッチングと適正配置に加え、さまざま な環境整備を実践。社員の能力発揮とキャリアアップなど、働きがいを感じられる職場作りを進める。   キーワード    1 配置転換    2 職務遂行の工夫    3 支援機関との連携   4 キャリアアップ    5 職務創出    6 スキルアップ    7 モチベーションアップ    8 社内サポート体制 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 ユニオン給食株式会社(北海道札幌市)............................36  本人の状態を見極め、無理なくできる仕事から段階的に本人の自信を醸成し、職域を拡大、職場定着を図る。   キーワード    1 不安の軽減    2 社内サポート体制   3 職務遂行の工夫   4 スキルアップ    5 社内の理解    6 コミュニケーションの改善・工夫    7 勤務形態の見直し 株式会社ジェイアール西日本米子メンテック(鳥取県米子市)........40  社員が先生役となってきめ細かな新人教育を行い、何でも相談しやすい体制を構築して職場定着を図る。   キーワード   1 不安の軽減   2 社内サポート体制   3 職務遂行の工夫    4 スキルアップ   5 社内の理解    6 採用方法の工夫    7 コミュニケーションの改善・工夫 株式会社グランドビジョン(福岡県福岡市)........................44  障害のある社員がチームで「やりたい仕事、できる仕事」を提案し、モチベーションを向上。   キーワード   1 モチベーションアップ    2 職務創出    3 社内の理解   4 職務遂行の工夫   5 コミュニケーションの改善・工夫   6 体調管理   7 支援機関との連携 MCS ハートフル株式会社(埼玉県さいたま市)......................48  周囲の社員の理解促進を図り、障害特性の把握と職場環境の整備を行って、モチベーションを向上。   キーワード    1 社内の理解    2 コミュニケーションの改善・工夫   3 モチベーションアップ    4 体調管理    5 社内サポート体制   6 支援機関との連携 株式会社キャプラ・ウィッシュ(岡山県岡山市)....................52  「お互いの良いところを見つけ、業務はみんなで助け合おう」のスローガンを実践し、職場定着と成長に向け、ともに歩んできた3年間。   キーワード   1 職務遂行の工夫   2 コミュニケーションの改善・工夫    3 スキルアップ   4 不安の軽減    5 社内サポート体制 職場改善のために事業所が作成した資料・支援ツール ............ 56 応募いただいた事業所 .........................................68 応募状況 .....................................................69 平成28年度障害者雇用職場改善好事例応募要項 ...................70 障害者雇用を支援する施策 .....................................72 地域障害者職業センター一覧 ...................................78 高齢・障害者業務課一覧 .......................................79 障害者雇用に役立つ資料(マニュアルなど)........................80 ※この事例集では、障害の表記を法令などで使われている「障害」に統一しました。 障害について ■精神障害とは   精神障害は、さまざまな精神疾患が原因となって起こります。主な精神疾患には、統合失調症、気分障害(うつ病、そううつ病など)、 精神作用物質(アルコール、シンナーなど) による精神疾患などがあります。 厚生労働省では、障害者雇用促進のための各種助成金制度などの対象となる精神障害者の範囲を、「精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人」か「統合失調症、そううつ病(そう病及びうつ病を含む)、てんかんにかかっている人」で、「症状が安定し、就労が可能な状態にある人」としています。 また、雇用率の算定対象となる精神障害者の範囲を、「精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人」としています。  なお、てんかんはWHO国際疾病分類では「神経系及び感覚器の疾患」の一部とされていますが、厚生労働省の障害者施策においては精神障害者に対する施策の対象としています。 ◆統合失調症とは   統合失調症は、およそ 100 人に1人弱がかかる頻度の高い病気です。症状が改善した後にも日常生活や職業生活に支障をきたすこともあるため、就労支援などの対象となることが多い疾患でもあります。 統合失調症の症状から回復した人によく見られる特徴として、「体力や持続力の乏しさ」「細かな指先の動作が苦手」「生真面目さや過緊張からくる疲れやすさ」「臨機応変に判断することが苦手」「新しいことに対する不安の強さ」などが指摘されていますが、それらの特徴やその程度は人によりさまざまです。  現在では薬物療法を中心とした精神医療やリハビリテーションの進歩によって、自立した職業生活を送る人も大変多くなっています。 ◆気分障害(うつ病、そううつ病)とは   気分障害は、憂うつや気分の高ぶりなどの気分の浮き沈みが、生活に支障をきたすほどに一定の期間正常を超えた状態となる病気で、その代表は、うつ病(単一性障害)とそううつ病(双極性障害)です。うつ病では、一般に身体と精神の両方に症状が現れます。身体症状としては、睡眠障害、食欲不振、性欲減退、頭痛・腰 痛・肩の痛み、疲労感・倦怠感などが見られます。精神症状は、身体症状に隠れて見逃されがちですが、抑うつ状態、日内変動(特に朝方の憂うつ感がひどく、夕方になるにつれて軽くなっていく状態が続く)、集中力低下、注意力散漫、意欲低下、不安、取り越し苦労、自信の喪失などが特徴的です。身体の症状が強く表面に出て、精神の症状が目立たない「仮面うつ病」と呼ばれるタイプもあります。  「そう」は、「うつ」とは逆に気分の高揚が特徴で、気力や活動性の亢進(こうしん)があります。例えば、社交性が高まり、あちこちに電話をかけたり、話が止まらなかったり、過度の馴れ馴れしさが出たりといった特異な行動が見られることがあります。うつの睡眠障害とは反対に、寝なくても平気である場合が多いのが特徴です。このそう状態とうつ状態が交互に繰り返されるのがそううつ病です。 ■発達障害とは   発達障害は、発達障害者支援法において、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性 発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとされています。  発達障害者のなかには、精神障害者保健福祉手帳や療育手帳の交付を受けて障害者雇用における支援施策を活用している人たちも少なくありませんが、そのどちらの手帳も持たない発達障害者についても、障害者の雇用支援施策が適用できる場合もあります。  発達障害の特性として、社会性・想像力・コミュニケーションの三つの側面に独特な特徴を持っている人が多いほか、不注意、衝動性、多動性、感覚過敏、運動や読み、書き、計算の苦手さといった特徴を有している人もいます。  特性の表れ方は多様であるため、一人ひとりに合った支援が必要となります。 ◆自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害   自閉症は、3つの特徴(社会性の障害、コミュニケーションの障害、こだわりが強く、興味や行動が極めて限られている障害)の組み合わせとして診断されます。  社会性の障害の例として、「人への反応や関心が乏しすぎたり、逆に大きすぎたりして、対人関係がうまく結べない」、「指示されているルールは守れるが、職場の暗黙のルールに混乱する」、「注意されると、相手が自分を敵視しているように感じてしまう」ことがあります。  コミュニケーションの障害の例として、「言葉や表情、ジェスチャーなどの手段をうまくつかえないことがある」、「上司や同僚に対する接し方がうまくできない(誰にどう接して良いのかわからない)」、「指示がわからないときに、タイミングよく質問することが苦手」なことがあります。こだわりなどの障害の例として、「活動や興味の範囲が著しく制限されている」、「立場を変える、場を理解するなどがうまくできない」、「変化を恐れる」、「複数のことを担当すると、どれを優先するのかわからなくなる」、「時間や場所などの予定が変更になると不安になる」ことがあります。  このほかにも、感覚過敏、不器用さなどがある場合もあります。  なお、新しい診断分類では「広汎性発達障害」にかわって「自閉症スペクトラム障害」という診断名が使われることになります。「スペクトラム」という言葉は、連続しているという意味で使います。自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害の間に明確な線引きをすることは困難であり、むしろ知的障害を伴う自閉症から高機能自閉症、アスペルガー症候群まで全てがつながっているという考え方から、これらをまとめて「自閉症スペクトラム障害」といいます。 ◆注意欠陥多動性障害(ADHD)とは   注意が散漫で気が散りやすい「不注意」や、じっとしていられないといった「多動性」、何か思いつくと後先考えず行動してしまう「衝動性」などが特徴です。 不注意の例として、「言われたことを聞いていない」、「毎日の活動や約束を忘れてしまう」ことがあります。  多動性や衝動性の例として、「じっとしていられない」、「落ち着かずそわそわしている」、「話しすぎる」、「質問が終わる前に答えてしまう」、「順番を待つことができない」、「他人の邪魔をしたり干渉する」ことがあります。 ◆学習障害(LD)とは   一般的には、全般的な知的発達の遅れがないにも関わらず、読み、書き、算数(計算能力等)の特定の領域に困難さが見られる場合をいいます。 読み書きの障害の例として、「文字の区別ができない」、「うまく文字を書くことができない」、「文字を書いても鏡文字になってしまう」、「句読点が打てない、助詞のつけ方がわからない」ことがあります。  算数の障害の例として、「足し算の繰り上がりがわからない」、「数字や図形を正しく写せない」、「買い物をしてもおつりの計算ができない」ことがあります。 ■高次脳機能障害とは   高次脳機能障害は、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管障害や交通事故などの外傷性脳損傷などが原因で脳に損傷を受けると、片まひなどの身体機能の障害や視覚・聴覚などの感覚機能の障害だけでなく、注意・ 知覚・学習・記憶・判断・言語・思考などの高次の精神機能の低下や喪失が生じます。脳の損傷部位や大きさ、損傷のされ方の違いによって、さまざまな症状が見られます。 記憶障害:見たことや聞いたことをすぐに忘れてしまう、忘れたことの自覚がない、新しいことが覚えにくい、昨日までできていたことを忘れる・できなくなるなど。 注意障害:一つのことに集中できない、同時に物事をこなせない、他のことに行動を切り替えられないなど。 遂行機能障害:計画が立てられない、課題や作業を正しい方法で続けられないなど。 社会的行動障害:子どもっぽくなったり周囲に依存的になる・怒りっぽくなる・突然泣き出すなど感情のコントロールが困難になる、周囲に無関心になる、意欲に欠けるなど。 用語解説 (事例をお読みになるにあたって) この好事例集をお読みいただくにあたり、事例に記載されている支援制度などの用語について、概要をご説明します。 ■就労移行支援(事業所)就労継続支援(A型・B型事業所)   障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのひとつです。「就労移行支援」は、一般企業などへの就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識および能力の向上のために必要な訓練を行います。「就労継続支援」は雇用契約を結ぶA型と雇用契約を結ばないB型があり、一般企業などへの就労が困難な人に、働く場を提供し、知識および能力の向上のために必要な訓練を行います。 ■障害者就業・生活支援センター   就職や職場への定着に当たって、就業面における支援とあわせて、生活面における支援を必要とする障害者に対して、身近な地域で、雇用、保健福祉、教育などの関係機関との連携を行いながら、障害者の就業およびこれに伴う日常生活、社会生活上の相談・支援を一体的に行う支援機関です。(平成28年4月現在、全国に計328か所設置) ■障害者職業生活相談員   5人以上の障害のある従業員が働いている事業所では、「障害者の雇用の促進等に関する法律」により、厚生労働省が定める資格を有する従業員のうちから障害者職業生活相談員を選任し、職業生活の相談・指導を行うよう義務づけられています。(各都道府県支部の高齢・障害者業務課で障害者職業生活相談員の資格認定講習を実施しています。) ■障害者トライアル雇用奨励金  p.75をご覧ください ■ジョブコーチ支援   知的障害者、精神障害者などの職場適応を容易にするため、職場にジョブコーチを派遣し、事業所、障害者双方にきめ細かな人的支援を行う制度です。国の制度として実施するジョブコーチには1地域障害者職業センターに所属する「配置型ジョブコー チ」と、2就労支援ノウハウを有する社会福祉法人などに所属する「訪問型ジョブコーチ」、3事業主自ら配置する「企業在籍型ジョブコーチ」の3つのタイプがあります。 なお、上記のほか、自治体の独自の制度として養成されたジョブコーチもあります。 ■特例子会社制度   事業主が一定の要件を満たした上で障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立した場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できる制度です。 事業主にとってのメリットとして、障害の特性に配慮した仕事の確保・職場環境の整備が容易となり、これにより障害者の能力を十分に引き出すことができるといったことが挙げられます。 ■発達障害者支援センター   発達障害児(者)への支援を総合的に行うことを目的とした専門機関です。発達障害児(者)とその家族が豊かな地域生活を送れるように、保健、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携し、地域における総合的な支援ネットワークを構築しながら、発達障害児(者)とその家族からのさまざまな相談に応じ、指導と助言を行っています。 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 最優秀賞 シダックスオフィスパートナー株式会社(東京都新宿区) 精神障害者の「やりがい」に配慮し、キャリアアップのための取組みを行って、職場定着を促進。また、本社のサポート体制を構築し、全国に定着支援員を配置して、全社的に雇用管理ノウハウを蓄積・共有化。 キーワード 1 キャリアアップ 2 モチベーションアップ 3 社内サポート体制 4 配置転換 5 不安の軽減 6 体調管理 7 スキルアップ [ 事業所の概要 ] シダックスグループの特例子会社として平成23年に設立。新宿・調布・渋谷に事業所があり、現在65人の障害者を雇用。 従業員数89名 [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 会社設立当時、データ入力作業の受託が多かったことなどから、パソコンスキルを有する精神障害者を中心に雇用を進め、現在50人の精神障害者を雇用している。 [ 業種および主な事業内容 ] シダックスグループの事務代行・契約書管理・ 名刺作成・印刷関係(販売促進ポスター・チラシ等)、社内便の配達など [ 紹介内容 ] 精神障害 【従事作業】 事務代行・契約書管理、データ入力、印刷関係(販売促進ポスター・チラシなど)、社内便の配達、 実習生の指導など [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 2名 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 50名 週の労働時間が 20~30 時間未満 13名 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2未満 11名 2年~3年未満 12名 3年~4年未満 7名 4年~5年未満 13名 5年以上 22名 取組の概要 精神障害者の個々の特性に配慮しつつ積極的にキャリアアップを図り、モチベーションの維持・向上に焦点を当てた取組みを行って、職場定着を促進。 また、障害者雇用が社風のなかに自然と溶け込むように、本社のサポート体制を構築した上で、全国10ブロックに定着支援員を配置し、全社的に雇用管理ノウハウの蓄積と共有化を図っている。 企業の声 保永 茂樹さん (代表取締役社長) 障害のある方に永続的に働いてもらうためには、シダックスグループの全従業員が理解を深めることが必要不可欠と考え、そのシンボルとしての特例子会社の設立を当時の本社の経営陣に説得しました。今でもその思いが根底にあり、障害者雇用が自然と社風のなかに溶け込むように、あらゆる機会をとらえて、不断に、さまざまな取組みを展開しています。 当初苦労したのは職域の確保です。どの事業部門も、どんな仕事ができるのか、どんな仕事を切り出したらよいか分からず、1部門ずつ研修、説明、各部門に即した業務の例示を繰り返し行いました。シダックスグループには500の仕事がありますが、私は障害のある方ができない仕事はないと思っています。会社の工夫と本人のモチベーション次第でさまざまなことが実現でき、双方にとってメリットがあると思います。今では、無理に新たな仕事を創らなくてもよくなっており、私が障害者雇用にたずさわり始めた15年前と比べて、特例子会社を中心にグループの障害者雇用の取組みが1つにまとまってきて、本当に良かったなというのが素直な感想です。  キャリアアップに関しては、年数を経て、上を目指している社員の存在に気づき、キャリアパスの形成も含めて何とか形にしたいと思い、社内で議論を重ねました。その結果、個々人の志向性などにも配慮し、いかにモチベーションを向上させるかを鍵として、「教育して今の業務に定着してもらう」、「将来的には職責者に」という両輪で制度設計することにしました。この取組みを通じて、社員の笑顔も増え、会社としての一体感が出てきており、良かったと感じています。しっかりと業務に従事すれば、どこかで人は見ているということが、本人のモチベーションにもなり、永続的に働いてもらえればと願っています。 「常々雇う、常々共存する」を社風にし、それを永続させること、このためにこれからも邁進していきたいと思います。 シダックスオフィスパートナー株式会社の取組紹介 長期安定雇用を実現するための取組(健康管理) 健康状態の把握 出勤時「気分ノート」に当日の気分などを記入。 →朝の気分、健康状態によって作業内容の変更などを行っている。 休憩時間の細分化 午前1回、午後2回(各10分間)の休憩時間を設定。 →長時間の集中、離席へのためらいから休憩を取らず、体調不良になることを防ぐ。 心の相談室 「こころの相談室」を開設し、外部のカウンセラーによるカウンセリングが受けられる環境を整備。 [ 改善前の状況 ] 【Dさんについて】 単純作業が多く、モチベーションが低下していた。 自ら進んで話をするタイプではないが、パソコンスキルや業務の進め方などの作業遂行能力の高さ、データ入力や校正作業などの正確性に定評があった。 改善策1 1 キャリアアップ 2 モチベーションアップ トレーナー・リーダーに選任され、やりがいに配慮した職務の提供、自ら考えた「改善好事例報告書」の提案を通じて本人のモチベーションが向上。同社としてキャリアアップの制度設計も加速。 「トレーナー及びリーダー制度」が導入されたことに伴い、本人の作業遂行能力などを活かすためトレーナーに選任。 併せて、キャリア形成の一環として「改善好事例報告書」を提出してもらうこととした。 紹介 【D さんの改善好事例の例】 リーダーが毎朝各スタッフの業務の割振りを指示していたものを、各スタッフに月間の業務予定表を配付し、朝礼時に各スタッフから作業進捗状況を報告してもらうこととした。 [ 改善後の効果 ] トレーナーとなり、「改善好事例報告書」を会社に提出し始め、責任感とモチベーションが向上。本人はさらなるキャリアアップを目指し、人一倍真剣に体調管理に取り組み、今はリーダー(正社員)に登用されている。 また、本人の「改善好事例報告書」により業務が効率化され、チームが活性化。さらに、本人に触発され、他のスタッフから「改善好事例報告書」が提出されるようになり、キャリアアップの制度設計が加速した。 社員の声 Dさん【勤続約4年】 チーム異動時、お客様から「引き続き担当してほしい」と言われ迷いましたが、さまざまな仕事をしたいと異動を決意し、それがターニングポイントになりました。「ただやるだけ」だと前と同じなので、改善提案をどんどん上げています。改善提案ができる環境、実際採用されていくことにやりがいと喜びを感じます。今のチームは業務の種類が多く、改善事項が多くあるので、モチベーションを維持・向上できています。 上司の立場が初めてで、「この割振りで負担にならないかな」と迷ったこともありましたが、スタッフの理解やグループリーダーの助言で、今は業務の割振りは単独で行っています。みんなで仕事をやり遂 げたときの達成感も得られています。 トレーナーに立候補したとき「上司になるからには、話しかけられて話すではだめ」と思い、今は仕事中や昼休みにスタッフに声をかけるように心がけています。 今後は、スタッフの体調管理をしっかりサポートし、チームの安定性を高めるとともに、グループリーダー不在時でも1人で対応できるようにスキルを高めていきたいと思います。 努力しただけ評価され、毎日会社に行くのが楽しいです。長く続けるには、何より環境が大事だと思います。モチベーション向上のための制度があっても、対人関係や環境でやめている人もいます。今の会社はありのままを受け入れてくれ、無理に周りと合わせなくても疎外される環境ではないので、とても居心地が良いです。 [ 改善前の状況 ] 【青木さんについて】 単純な仕事が多く、モチベーションが低下。仕事と家庭との両立で、少し体調が悪いときに休むことを優先してしまうこともあった。 改善策2 1 キャリアアップ 2 モチベーションアップ 「自ら考え取り組む能動的な仕事」への移行により、モチベーションや責任感が向上。チームリーダーとして、チームの安定的運営やスタッフのサポートに能力を発揮。 紹介 書類のPDF化や郵便物の仕分けなどの単純な仕事ではなく、本人の作業遂行能力やコミュニケーション能力などを活かし、チームメンバーをまとめ業務の割振りと最終確認を行うリーダー(正社員)に選任。 リーダー主導で朝礼を実施することとし、スタッフへの業務の割振りを任せた。 また、リーダーによるスタッフ面談(ピアサポート)を実施することとなった。 [ 改善後の効果 ] 単純な仕事から「自ら考え取り組む能動的な仕事」への移行により、モチベーションや責任感が向上。少し体調が悪いときの欠勤もなくなった。チームを安定的に運営しており、チームの雰囲気も良好。 ピアサポートに関しては、リーダーとして特に知的障害のあるスタッフに丁寧に対応し、このスタッフも安定出勤。 障害者職業生活相談員の資格も取得し、サポート力の向上に努めている。 社員の声 青木 達也さん【勤続約4年】 今は自分を含めて6人のチームのリーダーをしています。日々スタッフと一緒に「うまくやるにはどうすればよいか。一緒に考えてみよう」と話し合いながら進めており、「やって広げていける」仕事なので、モチベーション向上につながっています。気苦労やジレンマもありますが、みんなの仕事がうまくいっていると嬉しいです。 自分の改善好事例報告は、「業務の割振りボード」などです。 口頭説明から、「業務の割振りボード」による作業指示に改善。 (業務内容を記載した表に、スタッフ名を書いたマグネットシートを貼り付ける。) このほか ・50ページのマニュアルを要点をまとめて10ページにし、慣れたスタッフでも1時間以上かかっていた作業時間を初めての人でも10分で終了できるようにした。 ・マニュアルの落丁・汚れチェック作業について、目視確認からPDF化して確認する方法に変更し、作業時間を1/3に短縮。スタッフの疲労軽減にもつなげた。 などの改善を行っている。  リーダーとして気を配っているのは、スタッフの体調です。少人数のチームなので、1人欠けても誰かに負荷がかかります。その日の体調によって同じ業務でも負荷がかかることもありますし、負荷がかかった翌日に反動で大きな波がくることもあります。自分も含めて「波をつくらない、なるべく小さい波に」をテーマにして、その日の作業量を落としてでも「みんなが定時にいる」ことを重視しています。 今の会社は「こういう形でやりたい」と提案すると受け入れてくれる土壌があって、窮屈でなく、のびのびと仕事ができています。この会社に入れて良かったです。 [ 改善前の状況 ] 【菅原さんについて】 初めての就職で、職場環境にうまくなじめず、不適応から不眠や体調不良になることが多かった。 加えて、配属先に隣接する他社の会話が気になって集中できず、作業能率の伸び悩みから自信をなくしていた。 改善策3 2 モチベーションアップ 4 配置転換 5 不安の軽減 6 体調管理 本人が適応しやすい環境に配置転換し、体調面・精神面の安定を図る。さらに、新チームで実習生の指導担当に抜擢し、いきいきと仕事に取り組めるようにした。 紹介 精神的安定を考慮し、本人が利用していた就労移行支援事業所の先輩がリーダーを務めるチームに配置転換。 他社からも離れた場所に移動。 新チームでの作業習得はスムーズで、スタッフへの指導も行えていたため、実習生の指導担当に抜擢。 体調管理を行うため、自ら禁煙にも取り組む。 [ 改善後の効果 ] 能力を発揮できる環境となり、自信を回復し、いきいきと仕事をしている。 禁煙に取り組んだこともあり、体調面・精神面ともに安定しており、スタッフとのコミュニケーションも円滑である。 社員の声 菅原 聡さん【勤続約3年】 今の仕事は、データ入力や郵便物の仕分け、全国から送られてくる書類の受付や内容の電話問合せ(確認)など10種類以上の業務、そして実習生の指導担当です。 実習生の指導担当になった当初は「自分がどうするか、言葉の使い方に気を付ける、自分を表現する」ことに気を取られていましたが、今は実習生から受ける印象、受けた言葉をふまえて、自分がどう答えたらよいかといった「積極的な受身」を意識するようになりました。 新しい仕事を任されたことはやりがいになっています。また、実習生が仕事にやりがいを感じたときも喜びを感じますし、感謝の手紙が来た時は「やってよかった」と温かい気持ちになり、これまでにない自信につながっています。 個人差があると思いますが、私には禁煙もプラスに作用し、睡眠がとれるようになったことで体調も安定しています。 自分の変化としては、自信がついたことで過去を振り返るゆとりができ、今まで関わってくださった支援機関の方々などに感謝できるようになったことです。 シダックスオフィスパートナー株式会社の取組紹介 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】 特例子会社の社員には就業経験が浅い人も多く、職場のルールやマナー、対人スキルなどの研修・教育が必要な状況。 また、シダックスグループでは全国3,000か所以上の事業所で500人以上の障害のある方を雇用しているが、その定着が課題だった。 改善策4 1 キャリアアップ 3 社内サポート体制 7 スキルアップ 「キャリア推進室」を新設し、職場のルールやキャリア形成のための研修・教育を実施。 また、全国に定着支援員を配置し、特例子会社の指導員と定着支援員で情報共有・事例検討を行うなど、グループ全体で長期安定雇用に向けた取組みを推進。 ①特例子会社の社員に対する研修・教育 「キャリア推進室」を新設し、推進室主催で職場のルールやマナー、対人スキルなどについて社員同士がグルー プワークを行う機会を提供。 ②グループ全体で長期安定雇用を実現するための取組み  平成23年に特例子会社を設立し、本社のサポート体制を構築するとともに、雇用管理ノウハウを蓄積。 平成25年には全国10ブロックに専任の定着支援員を配置。定着支援員が全国の事業所を訪問し、面談やサポート、従業員への研修などを行う体制を整備。 また、特例子会社の指導員と定着支援員の専門性の向上、全社的な雇用管理ノウハウの蓄積と共有化のため、次の取組みを実施。 ・障害者職業生活相談員資格認定講習や企業在籍型ジョブコーチ養成研修の受講 ・グループリーダー会議での好事例の情報共有、困難事例の検討など 紹介 [ 改善後の効果 ] 1 グループワークを行うことで、社会経験の豊富な人の意見や体験を知る機会もでき、個々人の対人スキルなどの向上、課題解決策の幅の広がりが認められつつある。 2 全国でサポート体制を整備したことで、相談できずに離職するケースが減少した。 現場の従業員も、採用や担当業務の選定、本人との接し方や体調不良時の対応などについて相談できる環境が整備され、安心感が高まった。また、相談・指導の具体的方法の助言が得られ、各現場でナチュラルサポート(従業員による自然な援助)が行われるような環境が整ってきている。 さらに、各定着支援員から好事例を本社に上げ、全社的連携を推進しようとする機運が醸成されてきている。 企業の声 高橋 秀明さん (本部長) 今後も、シダックスオフィスパートナー株式会社の人事ビジョンである「誰もが成長し、働き続ける力を身につける」ことを目標とするとともに、個々人の事情を考慮した働き方を選択し、誰もがいきいきと活躍できる職場とするため、 1、特例子会社および全国の定着支援員の専門的なサポートをさらに向上させ、雇用管理ノウハウを深化させる。 2、本社、特例子会社、定着支援員がサポートしつつ、障害のある社員と一緒に働く現場の従業員のナチュラルサポートの形成を促進する。 3、特例子会社全社員のキャリアアップを目指し、学びへの転身をステップアップさせるため、共に学び共に成長する過程で最も重要となる相互理解や信頼関係などのマインドを醸成する などに取り組んでいきたいと思います。 優秀賞 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 特別養護老人ホーム 鶴住荘(青森県北津軽郡) 支援機関のサポートを受け、障害特性に配慮したきめ細かな対応を行って職場定着を図る。 キーワード 1 支援機関との連携 2 不安の軽減 3 コミュニケーションの改善・工夫 4 社内サポート体制 5 職務遂行の工夫 6 社内の理解 [ 事業所の概要 ] 社会福祉法人鶴住会は、介護老人福祉施設、短期入所生活介護施設、認知症対応型生活介護施設などの介護事業や、幼保連携型認定保育園、児童福祉施設などの保育事業を行っている。 特別養護老人ホーム鶴住荘は常に介護が必要な方のための入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や機能訓練、療養上の世話などを提供している。 従業員数59名 [ 業種および主な事業内容 ] 医療・福祉業 (特別養護老人ホーム) [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 障害者雇用について、門戸を閉ざしているわけではなかったが、交通至便が悪いためか、これまで障害者の応募がなかった。そのようななか、改正納付金制度をきっかけに障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、ハローワーク、高校などと連携して、職場実習を実施した後に発達障害者1名を採用。 採用後はジョブコーチ支援により、発達障害のある職員の職場定着を図っている。 [ 紹介内容 ] 発達障害(高機能自閉症) 【従事作業】 施設内の清掃業務 [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が30時間以上 1名 週の労働時間が 20~30 時間未満 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2年未満 1名 2年~3年未満 3年~4年未満 4年~5年未満 5年以上 取組の概要 発達障害者の雇用について経験のなかった法人が支援機関のサポートを受けながら、障害特性の理解を深め、勤務時間の配慮、日常的な不安の聞き取り、勉強会への参加など特性に配慮したきめ細かな対応を行って職場定着につなげた。 企業の声 鳴海美佳子さん(障害者職業生活相談員) 最初は、発達障害とはどういう障害なのかが全くわかりませんでした。どういうふうに本人と接したらいいのかがわからなかったのです。支援機関の力を借りることは重要だと思いました。「一人前になるのに3年かかる仕事であれば、5年かかると思えばよい」というアドバイスを受け、当初は「一日も早く 本人を一人前にしてあげたい」という思いだったのが、本人と「寄り添っていく」という気持ちに変わっていきました。 人は誰もが、最初から好きな仕事に就くというよりは、仕事に就いた後で、その仕事が好きになっていくものだと思います。人に感謝されたり、頼られたり、わかってもらえたりして、「この仕事も嫌いではない」と感じ、やりがいが生まれてくるものだと思います。本人にもそういう気持ちになってもらえたらいいなあと思っています。できるだけ長く働いてほしいと願っています。 社員の声 渋谷涼平さん 【勤続約1年】 施設内の清掃業務を担当しています。主な仕事は床掃除、掃き掃除をはじめ、拭き掃除やトイレ掃除 です。毎日、職場まで約30分自転車通勤をしています。高校生の頃も自転車通学をしていたので、通勤は苦ではないのですが、雨の時など自転車を使えない日は送迎してもらっています。 夏の納涼祭や冬の忘年会にも参加させてもらいました。帰りは職場の方に送ってもらい、参加することができました。人の話を聞くのが好きで、とても楽しかったのを覚えています。家では小説を読むのが好きです。料理も好きで、簡単なものなら作ることができるので、毎日弁当を作っています。 仕事を始めてから体力もついてきましたが、翌の仕事に影響しないよう、夜更かしには気をつけています。今は職場にも慣れ、毎日楽しく仕事をしています。 現場担当者の声 布施利絵子さん(清掃グループリーダー) 最初は、本人にどういうふうに伝えていけば良いのかわからず、不安がありましたが、ジョブコーチが来てくれてずいぶん助かりました。また、地域障害者職業センターに研修してもらい、少しずつわかるようになっていきました。業務上は、本人に対して丁寧に説明していきました。例えば、本人が疲れを出し、仕事の途中で集中が途切れてしまったとき、利用者にけがを負わせたり、本人もけがをしたりしないように気をつける必要があることなど、言わなければいけないことを本人にしっかりと伝えていく必要がありました。 最初、本人はまだ高校生の延長のような感じでしたが、2年目に入って、少し大人になったような気が します。しっかりとしていて、とても素直です。特別なことではなく、例えば、あいさつ、言葉遣い、身だしなみなど、本人が「普通のこと」を普通にやっていけるように心がけています。 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】  障害者雇用に関する経験や実績が少なかったため、どのような手順で障害者を雇用し、どのような支援を活用すればよいかわからなかった。また、障害特性に配慮した労務管理、職場環境、受入れ体制を整備することに不安を感じていた。 改善策1 1 支援機関との連携 2 不安の軽減 3 コミュニケーションの改善・工夫 支援機関のサポートを受け、障害者雇用に関する理解を深めながら、職場実習を行い、特性に配慮した勤務時間の設定など受入れ体制を構築。 ①支援機関との連携  障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターと採用に向けた手順、職務内容について相談を行い、施設内清掃の実習を5日間実施した。 現場担当者が終日、寄り添って見本を見せながら丁寧な指導を行い、実習終了後は、家族や支援機関など関係者間で振り返りを行った。また、障害者職業センターに発達障害に係る社員研修を実施してもらい、周囲の職員の障害者雇用に関する理解を深めた。さらに、本人の職場適応のためジョブコーチ支援を活用した。 ②障害特性などに配慮した労務管理と体制整備  公共交通機関の至便の悪さ、雪の降る冬季の通勤、そして本人の集中力や体力を考慮し、勤務時間を9:30~16:30の6時間で設定するとともに、当面は本人の自宅最寄り駅から送迎することとした。本人は自分の不安をなかなか話せないという特性があるため、勤務終了後、本人から不安に思っていることを毎日ヒアリングすることとした。   ヒアリングに当たっては、支援機関から専門的なアドバイスを得るため適宜、記録表に書き留めた。勤務終了後は、現場担当者と相談員が1日の状況を確認し、現場担当者から課題を把握し、相談員から法人本部へ報告する体制とした。 また、異変があった場合など、緊急時には支援機関へ電話連絡することとし、日々、現場担当者、相談員、法人本部間で円滑な報告、連絡、対応ができるよう体制を整備した。 ※緊急連絡先カードを提携 異変時の報告 記録表 日課業務の記録 清掃業務 [ 改善後の効果 ]  体制を整えたことで、本人や現場の職員が抱える不安や課題を早期に把握・対応することができ、本人の職場適応に つながった。また、障害特性に関する周囲の職員の理解が進み、最初は本人とは挨拶程度のコミュニケーションだけだったのが、今では家族のような雰囲気となった。  現在は、本人からのヒアリングは2週間に1回程度の頻度となった。また、天候の悪い日以外、本人は毎日、自力で自転車通勤し、現在まで無遅刻・無欠勤が継続している。 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】 就職から半年が経過し、障害特性をふまえた適切な指導を行い、職場定着を図っていく必要があった。例えば、本人については、予定どおりに作業が進まないなど困ったことが発生した場合の報告ができなかったり、清掃業務中に車いすで通行する方に気付かなかったりした。また、職場に慣れ始めたこともあり、作業中の居眠りが見られたり、興味のある話に夢中になったり、みんなへの差し入れを好きなだけ取ってしまうといった課題が見られた。 改善策2 4 社内サポート体制 5 職務遂行の工夫 6 社内の理解 障害特性をふまえ、根気よく具体的な説明を行うとともに、本人がタイムリーに相談できる体制を確立して職場定着を図る。 ①障害特性に配慮した指導  安全面に関して、本人に具体的な説明を行うとともに、本人が現場担当者へ報告・連絡しやすくするため、頻繁に声かけをすることとした。昼食時や休憩時、午後からの仕事への準備に向けた声かけも行うことで、本人の業務遂行への認識も高まってスムーズに作業ができるようになった。 ②本人が職場に慣れ始めた頃に生じた諸課題への対応   作業中の居眠りについては、安全面も考え、生活リズムの状況について家族に相談。家族からも注意喚起をすることで改善がみられた。差し入れの取り過ぎについては、周囲に障害特性を説明し、本人には具体的な数量を示す必要があることなど、その都度説明を行うことで解決に向けた対応を行った。 ③職場定着への対応とその体制づくり 〜勉強会や行事への参加〜   毎月1回、衛生面など介護業務に関する勉強会を開催しており、本人にも職員同様に参加してもらっている。また、忘年会などの行事参加をうながし、現場スタッフ以外ともコミュニケーションがとれるような場面を設定している。 解説 業務内容と一日の流れ 本人には、抽象的な説明は理解しにくいという特性があるため、ペース配分や具体的な回数を明示するなどを心がけ、寄り添って作業見本を見せることで、本人は作業がスムーズにできるようになった。 紹介 視覚で理解できる清掃マニュアル 具体的な作業回数などを明らかにし、視覚で理解できるようマニュアル(手順書)を作成した。これにより、全社員に作業を共通化することができた。 [ 改善後の効果 ] 現場担当者は、発達障害についての研修を受け、頭では理解し指導を行っているつもりであったが、実際に本人の就労が始まると諸課題が見られた。そこで、ジョブコーチや支援機関からのアドバイスを受け、根気よく、より具体的に作業指導を行うことによって、例えば、車いすで通行している方の気配を感じると作業をストップするなど、本人の作業面に改善がみられてきた。 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 優秀賞 京浜パネル工業株式会社 山形工場(山形県村山市) 社長自らが社員研修を行い、社内理解を促進。 技術が必要とされる塗装部門で、初めて発達障害者を受け入れ、支援機関と連携し、職場定着を図る。 キーワード 1 社内の理解 2 支援機関との連携 3 社内サポート体制 4 職務遂行の工夫 5 コミュニケーションの改善・工夫 6 不安の軽減 7 スキルアップ [ 事業所の概要 ] 制御装置を中心とする総合板金メーカー。山形工場には、設計から板金、塗装、組立までの一貫生産が可能な生産システムを備えている。 従業員数104名 [ 業種および主な事業内容 ] 電子・通信・印刷・医療・環境・情報産業などに関連する設備機器の機構部品(精密板金による筐体)およびそれらに付随する部品の設計、製造。 [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 平成16年に、障害者就職面接会で面接した知的障害者を職場 実習を経て採用。平成17年には、ハローワークから紹介された 聴覚障害者を雇用(2人とも現在まで勤続)。 平成26年、ハローワークからの紹介で、製造業希望の発達障 害者を初めて受け入れた。 [ 紹介内容 ] 発達障害 【従事作業】 塗装作業 [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 3名 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 週の労働時間が 20~30 時間未満 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数  ~2年未満 2年~3年未満 3年~4年未満 1名 4年~5年未満 5年以上 2名 取組の概要 社長自らが社員研修を行い、障害特性についての社内理解を促進し、技術が必要とされる塗装部門で初めて発達障害者を受入れ。支援機関と連携して、実習から雇用後のスキルアップの段階まできめ細かな配慮を行い、職場定着につなげた。 企業の声 二文字 修さん (代表取締役社長) 本人は、作業・対人面で配慮は必要ですが、一生懸命集中して作業に取り組み、非常に高い能力を発揮してくれています。  受入れにあたって不安はありましたが、支援機関のサポートを得たり、発達障害の特性や対応方法の学習をするなかで、本人への指導方法や接し方の方向性が見えてきました。 塗装工程は、技術の積み重ねが大事です。今は下地処理の段階ですが、近い将来、仕上げの工程を任せられるように指導・教育をみんなで行っていきたいと思います。 阿部 直巳さん(製造部部長補佐・塗装課長) 始めに本人や支援機関の方から長所や配慮事項を聞いていたので、指示内容さえ間違わなければやっていけるかなと思いました。同じ人が同じ話し方で指示しないと、どれが本当に良いのかわからなくなってしまうことがあるので、指示はすべて私から行っています。 今後とも長く勤めてもらい、将来的には、すべて自分の手で1つの製品を塗装してもらいたいと思っています。本人が努力家なので、できると思います。 社員の声 石井 達樹さん 【勤続約2年】 製造業を希望していたので、京浜パネル工業の面接を受けました。職場実習のときから、ミスをしたときに「こうするとうまくいく」ということを自分でメモして、作業場に貼り、いつでも見られるようにしています。今の仕事は楽しく、とてもやりがいを感じています。 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】  会社として発達障害者の受入れは初めてで、配属先の塗装部門では障害者の受入れ自体が初めてだったため、本人と の距離感をはかりかね、コミュニケーションの取り方や指導方法について現場従業員の不安感があった。 また、本人の対人面では、自分の興味のある話題を一方的に話すなどの課題があった。 改善策1 1 社内の理解 2 支援機関との連携 3 社内サポート体制 5 コミュニケーションの改善・工夫 ナビゲーションブックで障害特性を把握し、社長自らが社員研修を行い社内理解を促進。支援機関と連携して、発達障害者の職場定着を図る。 ①受入前にナビゲーションブックで特性把握  本人、会社、障害者職業センターのカウンセラーで初回面接した際、本人から「ナビゲーションブック」をもとに自分の特徴やセールスポイント、配慮を依頼したいことを説明。 (注)このナビゲーションブックは例示であり、本人作成のものではありません。 ②社長自らが社員研修  ナビゲーションブックなども参考にしながら、社長自らが発達障害について学習。研修資料を作成し、社員研修を実施。 ③支援機関と連携し、スムーズな受入れを目指す   障害者職業センターのジョブコーチによる支援を活用。 ジョブコーチが、本人に対して作業理解度の確認、職場のルール・マナーについての助言、精神面のフォローを実施。また、従業員に対して、本人への対応方法やフィードバックの方法などについて助言。  さらに、職業センターの紹介で、本人の生活面の支援、家族との相談などをになう障害者就業・生活支援センターの支援も受ける。 ④コミュニケーション方法についての指導   ジョブコーチの助言も参考に、質問のタイミング、相手や場面に応じた従業員との関わり方などについて指導。 [ 改善後の効果 ] 本人の特性に配慮しつつ、研修による社内理解の促進、支援機関によるジョブコーチ支援や生活支援の活用により、本人のスムーズな職場適応と、受入れにあたっての従業員の不安感の軽減が図られた。 また、ルールやマナー面については、課題が見られた際は従業員からその場で指摘をすることや、必要に応じて本人・家族・支援機関を交えて話し合うなどで対応している。 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】 塗装作業は複数の工程に分かれており、コツを要する作業もあり、本人がどの程度習得できるか見通しが持ちにくかった。 また、周囲の作業員は、「失敗しても優しく」という対応になりがちであった。 改善策2 3 社内サポート体制 4 職務遂行の工夫 6 不安の軽減 7 スキルアップ 技術が必要とされる塗装部門で、本人の特性に応じた作業指導を段階的に行い、スキルアップを図る。 ①社内体制の整備 指示命令系統を一本化。塗装課長が本人に対する作業 指導、体調面の相談を行うこととした。 ②作業指導   同時並行作業が苦手などの特性をふまえて、ジョブコーチの助言を得ながら、本人の作業を組立。 当日の作業については、朝礼時に「作業計画書」をもとに視覚的にわかりやすく指示。   担当作業や納期、塗装課全体の作業進捗状況を視覚的に確認可能   また、「手順書」により指示内容を統一し、視覚的に指示。 ③スキルアップに向けた取組み  作業習得を確実なものとするため、次の指導・工夫を実施。 ◯図面の見方について、注意すべきポイントを具体的に伝える。 ◯練習用のもので繰り返し練習してから製品を扱うようにする。 ◯塗料をこぼした際、「こぼさないように」だけではなく、有機溶剤の有毒性と取扱方法も具体的に説明。 ◯製品棚の移動の際は、前方と製品の両方を見ながら移動するよう指導。  また、判断基準が明確な定型作業から、徐々にコツや判断を伴う作業へと段階的に作業の難易度を上げていき、 本人のスキルアップを図った。 ④業務日誌の導入   口頭での質問や相談が苦手だったため、ジョブコーチからの提案により「業務日誌」を導入。  塗装課長が毎日確認し、コメント欄に助言を記入。また、本人の同意を得た上で、それを従業員も見られるようにした。 紹介  周囲の従業員が本人の作業理解度や質問、就業上気に なることをタイムリーに把握できるようにした。また、本人が、上司の承認を視覚的に確認し、安心して作業に取り組めるようになることを目指した。 [ 改善後の効果 ] 本人の作業面では、準備を含めて下塗りの工程を習得でき、スキルアップが図られた。 また、本人への理解や本人の作業理解度が深まるにつれて、周囲からも必要なことは具体的にはっきり伝えられるようになった。 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 優秀賞 株式会社カシマ(茨城県かすみがうら市) 障害者本人の希望を最優先しながら、粘り強く1人ひとりの個性に合った環境改善を図る。 共存共栄の心で、一緒になって企業の発展を目指す。 キーワード 1 職務遂行の工夫 2 配置転換 3 不安の軽減 4 社内サポート体制 5 支援機関との連携 6 社内の理解 [ 事業所の概要 ] 株式会社ノーリツのグループ会社である株式会社アールビーの100%出資子会社。給湯器、システムバス、システムキッチンに使用される金属部品のプレス、板金、組立加工を受け持っている。 従業員数62名 [ 業種および主な事業内容 ] 温水器部品製造組立、精密プレス加工、各種精密板金、各種溶接加工、金型設計製作 [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 特別支援学校から相談があり、職場実習を経て平成23年に新卒者を雇用。以後、学校や就労支援センターから毎年実習生を受け入れ、会社全体で雇用に取り組む。現在、精神障害者などを12人雇用している。 [ 紹介内容 ] 精神障害・知的障害 【従事作業】 プレス加工、スポット溶接、梱包作業、部品ス トアでのピッキング作業など [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 12名 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 週の労働時間が 20~30 時間未満 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2年未満 4名 2年~3年未満 4名 3年~4年未満 1名 4年~5年未満 1名 5年以上 2名 取組の概要 プレス加工・梱包などの現場において、本人の希望を聞きながら試行錯誤を重ね、 特性に合った環境改善や雇用継続を図った。ジョブコーチ支援の活用で雇用管理ノウハウを深化させ、部品ストアの環境改善にもつながり、そのことが「全社的な働きやすい環境づくり」という波及効果も生んだ。 企業の声 米田 一夫さん (代表取締役社長) 雇用を始めて6年ですが、責任感をもって働いてくれていることに感謝しています。私たちも彼らから多くのことを学んでおり、今後も個々の能力を引き出し、キャリアアップや社会人として自立するための取組みを進めていきたいです。これからも我々カシマは、少しハンディキャップのあるみんなと一緒に汗を流し、喜びを感じ、「共存共栄」していく企業を目指していくことを約束します。 横山 正人さん (常務取締役) 若い人が多いので、彼らが自立して生活するために何をすべきか考えていきたいです。家族や学校の先生との面談を行い、リーダーへの育成とそのための環境整備などに1つひとつ取り組んでいきたいと 思います。とてもまじめに仕事に取り組んでもらっており、彼らがいないと会社が成り立たなくなっています。今回の取組みで他の従業員も働きやすくなりました。 箱根 一徳さん (取締役工場長) 始めは不安もありましたが、ジョブコーチの接し方なども参考に指導し、今では周りの社員も何の分けへだてなく接しています。彼らは絶対に「できる分野」を持っているはずです。それを見抜けず「できない」と判断する人が多いと思いますが、「できる分野」をどう引き出すかが最も重要なポイントだと思います。 社員の声 田山 裕也さん 【勤続約6年】 今は梱包作業をしています。周りの人は親切な人ばかりです。今の目標は、仕事中に手が止まってしまうことがあ るので、作業の手を止めないように心がけて残業時間を短くすることです。 新貝 峻一さん 【勤続約3年】 始めは大変でしたが、1~2か月たつと慣れました。今の職場は働きやすいです。今はピッキングや溶接の作業 をしていますが、自分の得意なところを活かせていると思います。今いる作業場の一連の作業を覚えることが目標です。 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】 特別支援学校からの相談で新卒者2人を雇用したが、当時ほとんどの作業が「記憶の作業」。聞かないと作業できない、複雑ですぐに理解できない、結果の良し悪しの判断ができないという課題があった。 改善策1 1 職務遂行の工夫 4 社内サポート体制 6 社内の理解 雇用管理ノウハウを着実に蓄積。作業の「誰にでも簡単にできる化」の仕組み作りをし、第1歩としてプレス加工作業への定着を図る。 ①職場実習の受入経験から環境改善に着手 「同じ手順で繰り返し作業する」「目で見て理解できる」 ことで戦力化が期待できると考え、写真入りの作業指示書を作成。  また、異常をすぐに報告できる設備「アンドン(呼び出しベル)」を考案・設置。 < 紐を引くと、離れた場所にいる指導者に音と点滅ライトで伝達できる > ②1人はプレス加工に配属  部品によって形状は異なるが、同じ手順での繰り返し作業のため、3か月で習得。 今は作業も上達し、品質も安定している。 ③1人はスポット溶接に配属 部品ごとに溶接が異なり、自分の判断で溶接位置を変えるなど、複雑な判断、理解力を必要とする作業。 部品のセット位置が明確な作業は習得。ただ、作業が複雑でなかなか習得できず、本人も落ち込んでしまう。 ⇒次の「改善策2」へ展開し(配置転換・ジョブコーチ支援の活用)、今も雇用継続。 「改善策2」での作業の様子 [ 改善後の効果 ] 特別支援学校新卒者の採用をきっかけに、雇用管理ノウハウを着実に蓄積。作業の「誰にでも簡単にできる化」の仕組み作りをし、第1歩としてプレス加工作業への定着を図った。 もう1人のスポット溶接への配属では、「その都度、判断・感覚を必要とする作業は習得に時間がかかる」「品種を限定し、少量にすれば作業できる可能性がある」との社内蓄積が得られ、次の「改善策2」への展開の契機となる。 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】 特別支援学校新卒者をスポット溶接に配属。8か月間、本人・会社ともに懸命に努力したが、作業が複雑でなかなか習得できず、作業量も伸び悩み、本人も落ち込んでしまう。雇用継続のためには、別の方法を検討する必要性が出てきていた。 改善策2 1 職務遂行の工夫 2 配置転換 3 不安の軽減 4 社内サポート体制 5 支援機関との連携 本人の希望も叶えた配置転換を行い、達成感をもって仕事ができるようにした。 今回得られた社内蓄積を「全社的な働きやすい環境づくり」にも波及させる。 ①本人の希望も叶えた配置転換の検討  「改善策1」で得られた雇用管理ノウハウの蓄積をもとに、配置転換先を検討。 同じ手順での繰り返し作業で、部品によって人の判断を必要としない作業 品種が限定されており、少量な作業梱包作業への配置転換を検討 。   本人に作業内容を説明。本人も「やってみたい」との 希望。配置転換の準備を開始。 ②配置転換の準備・実行 「聞かないと作業できない、結果の良し悪しの判断ができない」という環境を改善。  梱包作業の種類ごとの作業指示書を作成。  作業手順やポイントを写真入りでわかりやすく作成。   品種の判断が必要で、少し複雑な作業だが、ジョブコーチの支援も得ながら、作業指示書をもとに「やってみせる→言って聞かせる→させてみる」を繰り返したところ、短期間で習得できた。 ③多品種化への対応、たゆまぬ企業努力  その後、製品が4種から8種に増え、作業指示書だけではミスが発生する可能性が出てきた。   部品名称の確認は 、「絵皿」を使用し、現物確認に変更 人の判断ではなく、バーコー ド(データ)照合を採用   こうしたたゆまぬ企業努力と本人の頑張りで6年間勤続している。 ④社内蓄積を全社的に展開  今回の雇用を通じて得られた社内蓄積を他製品に横展開。他の職場にも作業指示書を整備して効率向上につなげ、流失不良ゼロも達成。  部品ストアの作業効率や安全性も大幅に改善。   部品ストアの改善事例 [ 改善後の効果 ] 梱包作業へ配置転換後、作業量が他者と同等になり、本人は自信を取り戻し、今は達成感をもって仕事をしている。 今回の雇用を通じて得られた社内蓄積を「全社的な働きやすい環境づくり」に波及させたことで、部品ストアでは、ベテラン社員でなくても作業可能となり、安全性も向上した。 新規配属者への教育も容易になり、現在では障害者の職場実習の受入れ、個人個人の作業能力の確認の場としても機能している。 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 優秀賞 大和ライフプラス株式会社(東京都港区) 個々人の特性に配慮して配置転換を行うなど、きめ細かにサポート。一人ひとりが安心して働ける組織風土の醸成に向けた取組みを着実に推進。 キーワード 1 配置転換 2 職務遂行の工夫 3 不安の軽減 4 体調管理 5 支援機関との連携 6 コミュニケーションの改善・工夫 [ 事業所の概要 ] 大和ライフネクスト株式会社の特例子会社として平成23年に設立。現在45人の障害者を雇用。管理職、障害者職業生活相談員である障害のある社員も在籍。 従業員数48名 [ 業種および主な事業内容 ] 印刷、製本およびコピーサービス事業。データ入力、書類の電子化事業。 [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 平成18年、本社人事課に「ダイバーシティ推進チーム」を発足させ、精神障害者の雇用を開始。平成22年に、社員がより安心して働ける職場環境の整備のため、特例子会社の設立準備を開始。 現在まで精神障害者などの雇用を積極的に進めている。 [ 紹介内容 ] 発達障害 【従事作業】 データ入力・編集、書類の電子化業務など [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 44名 週の労働時間短縮等の変動あり 1名 パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 週の労働時間が 20~30 時間未満 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2年未満 13名 2年~3年未満 7名 3年~4年未満 5名 4年~5年未満 4名 5年以上 16名 取組の概要 採用から配置転換、職場定着、休職者の職場復帰まで、支援機関と効果的に連携しながら、個々人の特性に配慮し、きめ細かにサポートを行うことで、安心して働ける職場づくりに努めている。 企業の声 石﨑 順子さん (代表取締役社長)  親会社の障害者雇用の取組みを受け継ぎ、平成23年に特例子会社として設立し、主に事務分野での雇用拡大を図ってきました。障害種別に関わらず雇用を進めていますが、なかでも精神障害者の雇用は平成18年から開始しています。 これまで、一人ひとりに合わせた勤務の設定、相談員体制の整備、業務体制の工夫により、安定しかつ意欲の高い就業の継続を目指してきました。今後も、社員全員がお互いの障害特性を認め合い、活かしあうことのできる業務体制の整備を更に進め、併せて、安心して働くことのできる組織風土の醸成への取組みを続けてまいります。 そして、一人ひとりの多様な個性の融合によって生み出す力を活かして、一層の高い生産性と安定した就業を両立する会社を目指したいと考えています。 大和ライフプラス株式会社の取組紹介 相談員会議 (各課の課長・リーダーが週1回、各社員の業務内容などを情報共有・協議) 企業の声 〈目標設定・評価制度について〉 生産性の向上と雇用の継続の両立のためには、定性評価が1つのポイントだと考えています。本人と一緒に目標とすべきことを考え、日常的にフィードバックを行った上で、評価に「成長度」や「貢献度」を反映できればいいなと思っています。公平感など、難しい課題はありますが、そういった環境の方がみんなが安心でき、成長可能な組織が作れると思います。 〈今後の取組みについて〉 「一人一人が安心できる、成長できる、そして社会に貢献できる」組織の実現のために、日常業務や制度がどうあるべきかを地道に検討し、企業として成長していくことが目標です。 管理職には障害のある社員もいますが、お互いに理解し合い、キャリアアップが目指せるのは、この組織の良さだと思います。今後もそういった良さを活かしながら運営していきたいと思います。 鈴木 信也さん(中央) (ダイバーシティ推進部 部長) 髙橋 広樹さん(左) (ダイバーシティ推進部 統括課 課長) 塩原 麻里さん(右) (ダイバーシティ推進部 統括課) [ 改善前の状況 ] 【栗村さんについて】 まじめで責任感が強いため、作業スピードを他者と比較し、劣等感を感じながら、それを自分一人で解決しようとし ていた。 【栗林さんについて】 従来担当していた印刷業務は短納期で、急な変更を求められることが多く、不安から体調不良(頭痛)になり、欠勤につながることもあった。 改善策1 1 配置転換 3 不安の軽減 4 体調管理 5 支援機関との連携 6 コミュニケーションの改善・工夫 情報の「見える化」によるチームワークの推進とメンバーのストレス軽減、支援機関との連携で定着促進。また、特性に配慮した配置転換、支援機関との連携による体調安定のための取組みにより、安定出勤と作業適応につなげる。 ①職務内容の再構築 栗村さんについては、長所である高い正確性、丁寧さが活かせるデータ編集に担当変更。 ②配置転換 栗林さんについては、同一作業を継続実施できる書類電子化業務に配置転換。作業指示は「仕様書」と「メモ(書いて伝える)」で行い、変更が発生する場合は、「すぐ」ではなく「翌日の午後から」などと本人が整理するための時間的余裕を設けた。 ③社内体制の整備  「情報共有シート」や「ミス傾向分析シート」で情報の「見える化」を推進。   < 情報共有シート:イレギュラー対応を記載し、チームで共有 >   < ミス傾向分析シート:ミスが起こりやすい項目を記載し、チームで共有 > ④支援機関との連携   入社前から本人と関わっている支援機関を交えた三者面談を定期的に実施し、不安や悩み、課題の解決を図っている。 支援機関作成の「頭痛チェックシート」(頭痛の度合い を数値化し、表にしたもの)や「行動予定表」を活用し、 本人の状態と行動予定の両面から課題解決に努めた。 [ 改善後の効果 ] 【栗村さんについて】 職務内容の再構築により、本人がストレスを感じることなく、長所を活かして業務を行えるようになるとともに、支援機関との効果的な連携により、不安や課題に迅 速に対応でき、定着が促進された。 【栗林さんについて】 急な変更が発生しづらい業務に配置転換したことで、作業の集中力が高まった。また、変更が発生する場合に時間的余裕ができたことで、本人の安心感が高まり、作業遂行も安定した。 また、「頭痛チェックシート」や「行動予定表」をもとに体調面の課題に対応したことで、安定出勤が可能となった。 社員の声 栗村 浩之さん【勤続約2年】 今の会社は、良いところを評価してくれるのが嬉しいです。業務面でも、頭の整理ができるように順序立てて指示してもらえるのでありがたいです。苦手なことであってもチャレンジしようという気持ちになれて、仕事の達成感 もあります。 与えられた仕事をこなすことが前提ですが、今後は他の人と協力する、他の人の意見を取り入れることも意識しな がら頑張っていきたいと思います。 栗林 幸輝さん【勤続約3年】 配置転換のおかげで、悩みの種だった頭痛が劇的に減りました。業務の変更がある場合も、当日の朝には連絡が来るので、心の準備ができ、業務に取り組むことができています。今は不安に思うことはなく、働きやすいです。 今後の目標は、他の障害のあるメンバーをサポートするため、イレギュ ラーなことが発生した場合に自分から意識的に管理者に報告することや、質問に対応できるよう業務の知識を増やすことです。 [ 改善前の状況 ] 【津田さんについて】 固定業務を継続実施するのが得意だが、職域拡大の志向もあり。希望に沿って職域拡大をしたが、同時並行処理は苦手で、他者と作業スピードを比較し、自信をなくしていた。また、見通しを立てることが必要な目標設定やスケジュール管理への苦手意識が不安につながっていた。本人はかなり疲労しており、いったん休職し、様子を見ることとなった。 改善策2 キーワード 2 職務遂行の工夫 3 不安の軽減 4 体調管理 5 支援機関との連携 支援機関と密に連携し、休職者の早期復帰を実現。本人、会社、支援機関で相談を重ね、本人に合った目標設定やスケジュール管理の方法を考案、実践することにより、本人の自信の回復や不安の軽減につなげる。 ①支援機関と連携した職場復帰支援 休職期間中、管理者が定期的に支援機関を訪問し、本人と面談。「制度を利用して休養し、復帰を」との会社の意思を直接、または支援機関に仲立ちしてもらい伝達。 結果的に、支援機関と連携した職場復帰支援を行うことができた。 休職期間と目標設定の時期が同時期だったため、本人・ 支援機関と相談し、「件数を増やすのではなく、同じ件数を半年間持続する」といった無理のない目標設定をする形で調整。 ②職場復帰後の取組み   支援機関と連携し、次の取組みを実施。 ・1日4時間勤務から開始し、2か月後に休職前の時間とした。 ・本人の能力を活かせる、定型フォームへのアンケート結果入力に業務を固定化。 ・「ToDoリスト」を活用したスケジュール管理を実施。 [ 改善後の効果 ] 支援機関と連携した職場復帰支援を行ったことで、早期の復職が実現。 復職後は、業務を固定化したことで作業遂行が安定し、本人も自信を回復した。また、「ToDo リスト」が習慣化されたことで、業務の見通しを立てられるようになり、本人の不安が軽減された。 社員の声 津田 敏正さん【勤続約9年】 休職して少し考え方が変わり、今は「自分が不得手なことがあるのは認めた上で、どうしたら周りから認められるか」をずっと考えています。この考えに至るまで時間はかかりましたが、気持ちが楽になったし、周りから頼られることも多くなりました。昔は「会社に守ってもらう」といった思いもありま したが、ギブ&テイクの関係になれるように、これからも会社に貢献していきたいと思います。 優秀賞 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 グリービジネスオペレーションズ株式会社(神奈川県横浜市) 障害特性をふまえ、一人ひとりの「強み」の評価を行い、職務のマッチングと適正配置に加え、さまざまな環境整備を実践。社員の能力発揮とキャリアアップなど、働きがいを感じられる職場作りを進める。 キーワード 1 配置転換 2 職務遂行の工夫 3 支援機関との連携 4 キャリアアップ 5 職務創出 6 スキルアップ 7 モチベーションアップ 8 社内サポート体制 [ 事業所の概要 ] ゲームを中心としたインターネットサービス事業を営むグリー株式会社の特例子会社として平成24年に設立。設立当初から発達障害者を中心に雇用を進め、現在、障害のある社員は36人。 従業員数42名 [ 業種および主な事業内容 ] データ作成・入力、総務・人事業務のサポート、調査・レポート作成、ビジネスサポート業務、マッサージルーム運営業務などの業務 [ 精神障害者等雇用の経緯 ]  設立当初から、PCやゲームなどのICTリテラシー(情報通信 (Information and Communication Technology)やその 技術などに関する活用能力)が高い方が多い発達障害者を中心に雇用。業務拡大に合わせて採用を進め、現在、発達障害、高次脳機能障害、精神障害、視覚障害のある方、計36人を雇用(うち31人が発達障害者)。 [ 紹介内容 ] 発達障害・高次脳機能障害 【従事作業】 パンフレットなどの発送代行業務、レポートの 英語翻訳、本社での書類配付などの社員対応、 ゲーム調査・品質保証業務など [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 4名 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 32名 週の労働時間が 20~30 時間未満 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2年未満 13名 2年~3年未満 8名 3年~4年未満 2名 4年~5年未満 13名 5年以上 取組の概要 障害特性をふまえ、一人ひとりの「強み」の評価やそれに基づく適正配置を行い、相談体制の整備や環境の改善を実践。また、「ワーキングバリアフリー」というコンセプト(※)を掲げ、本社と一体となって、社員の能力発揮とキャリアアップのための取組みも拡充。 ※ワーキングバリアフリーについて   働く(ワーキングする)上で「健常者」と「障害者」、「親会社社員」と「子会社社員」などの間に存在するさまざまな見えない障壁(バリア)を撤廃(フリー)し、会社全体としての業務パフォーマンスの向上と社員の成長を実現していくための取組みの総称 企業の声 福田 智史さん (代表取締役社長) 会社設立当時、全国でも発達障害のある方の雇用はまだ進んでおらず、仕事を探している方が多くいました。実際に会って話を聴くと、発達障害のある方の特性とゲーム、インターネット業界の業務との親和性が高いと考え、採用を促進することにしました。  半期に1回、私と全社員との間で「1 on1(個別)面談」を行っていますが、社員は日々成長し、変化しています。社員と意見交換するなかで、新しい制度が誕生することもあります。 現状では障害のある方は、安定して働くことが課題かと思いますが、それだけではなく、仕事を通じて成長できる環境も提供していきたいと考えています。これからも「働く喜び」や「成長する喜び」を実感してもらうことに力を入れていきたいと思います。 グリービジネスオペレーションズ株式会社の施策紹介 企業の声 竹内 稔貴さん(事業管理部シニアマネージャー) 設立当初から、障害のある社員と一緒に環境整備や職場のルール作りを進めてまいりましたので、それが現在の弊社オフィスにおいての障害特性に応じた働きやすい環境につながっていると思われます。業務についても本人と話し合いながら、「本人が使いやすいマニュアルを自分で作る」というスタイルでやってきました。 また、発達障害のある方はそれぞれ得意分野があって、これらをうまく組み合わせれば非常に高いパフォーマンスを発揮してくれます。そこで、業務ごとにチームを組み、障害のある社員のなかからリーダー・サブリーダーを決め、社員同士で課題解決を図っていくという、「リーダー&サブリーダー制度」も導入しました。そのような環境、業務面での取組みに加え、「人事評価制度」「正社員登用制度」などの社員の成長と成果に合わせた制度も整えていきました。今後は、より事業に貢献できる会社として社員も会社も成長していきたいと考えています。 [ 改善前の状況 ] 【金光さんについて】 本人の希望もあり、社内システムのデータ入力およびメンテナンスを担当していたが、正確性やスピードに課題があり、本人も 自信をなくしていた。初めての就職であり、これ以上自信を喪失させることなく、業務内容の変更などを検討する必要があった。 キーワード 1 配置転換 2 職務遂行の工夫 3 支援機関との連携 支援機関と連携し、本人の「強み」を活かした配置転換を行い、併せてチーム編成も変更することで本人の適応を促進。  本人の強みが活かせるパンフレットなどの発送代行業 務に配置転換。同時に、本人が苦手な業務設計やイレギュラーな対応を行うメンバーを同じチームに配置。 また、モチベーションを低下させないよう、本人が利用していた就労移行支援事業所の担当者に定期的なフォローアップ面談を依頼。 [ 改善後の効果 ] 支援機関と連携しながら、本人の「強み」を活かした配置転換を行うとともに、チーム編成を変更することで、ストレスなく業務に臨めるようになった。 社員の声 金光 新さん【勤続約2年】 今は発送代行業務などを主に担当しています。業務や依頼内容によっては短納期で作業量が多かったりもしますがいろいろと工夫をして対応しています。また、チームのメンバーへ作業指示をしたりすることがありますが、指示の仕方などに気を付けて、メンバーが働いていて楽しいと思ってもらえるように心がけています。これからも会社に貢献して、自分も成長し、チームの規模も大きくしていきたいです。 [ 改善前の状況 ] 【矢吹さんについて】 入力ミスを繰り返していたが、本人も会社もそれが高次脳機能障害によるものなのか、事務職の経験がないことによるものなのか判断できず苦慮していた。 改善策2 1 配置転換 2 職務遂行の工夫 3 支援機関との連携 支援機関の助言を得て、高次脳機能障害についての理解を深め、それをもとに本人の持つスキルや強みを見極め、配置転換を行った。  障害者職業センターに支援を依頼し、本人の職業能力の把握、会社への障害特性についての助言をしてもらう。 障害特性の理解、本人のスキル(強み)の英語・コミュ ニケーション力を考慮し、レポートの英語翻訳、本社での書類配付などの社員対応に配置転換。 また、本人がマニュアルを作成し、リーダーがチェックする体制を整備。 [ 改善後の効果 ] 本人・会社ともに障害についての理解が深まり、本人の「強み」を活かした配置転換を行って定着につながった。 社員の声 矢吹 雅敬さん【勤続約2年】 仕事上は、「相手の話をよく聴いて、自分の理解をあらためて言語化や図示化することにより、自分の理解 度や行違いがないか相手に確かめる」ように心がけています。もともとの強みであるコミュニケーション力 を発揮することで、どこにメモを残したか忘れてしまうなどの短期記憶における弱みなどをカバーしていま す。自分もできたのだから、同じような悩みを持つ人たちもできるということを伝えていきたいです。 [ 改善前の状況 ] 【髙田さんについて】 入社当初は簡単な入力やコピーなどの単純作業に従事していたが、これが続くことで本人が将来への不安を抱き、本人の志向と成長に合わせた業務の創出が課題だった。 改善策3 4 キャリアアップ 5 職務創出 6 スキルアップ 7 モチベーションアップ 8 社内サポート体制 「ワーキングバリアフリー」のコンセプトのもと、本社と一体となって、社員の能力発 揮とキャリアアップのための取組みを拡充。 ①社長自らが本社から業務を創出 「社長1 on1面談」の結果をふまえて、社長自らが本社と交渉し、ゲーム調査・品質保証業務を創出。本人をこの業務チームのリーダーに抜擢。 ②「ワーキングバリアフリー」に向けた取組み 委託元の本社が特例子会社の社員の特性を理解し、円滑に業務が進められるようにするため、まずは本社社員に障害者職業生活相談員資格認定講習を受講してもらい、 障害についての理解を深めてもらった。 ③社員の能力発揮とキャリアアップのための取組み  本社社員を講師とした各種スキル向上研修を実施(例: Photoshop ソフト利用スキル向上研修) [ 改善後の効果 ] 各種研修の実施など、本社と一体となった取組みを行った結果、本人の志向と成長に合わせた業務の創出、モチベーション向上、能力発揮とキャリアアップが図られた。 社員の声 髙田 健弘さん【勤続約5年】 以前アルバイトをしていたとき、指示を取り違えたり段取りが苦手だったりして苦労しました。その後、発達障害と診断を受け、途方に暮れていましたが、特性を活かして働けるところがあると紹介され、ぜひ行ってみたいと思い、今の会社に入社しました。 今は、発売前のゲームの動作チェック・品質保証という重要な業務を行うグループのリーダーを任されています。最初は自分にはできないだろうと思っていましたが、1つひとつ達成していくことで自信がつきました。また、信頼されてマネジメントを任されていることがとても嬉しいです。 成長を実感できるし、希望の仕事ができているので、とても満足しています。これからも、もっとプロフェッショナルとして任される業務を増やせるように、さまざまな知識やスキルを身につけていきたいと思います。 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 ユニオン給食株式会社(北海道札幌市) 本人の状態を見極め、無理なくできる仕事から段階的 に本人の自信を醸成し、職域を拡大、職場定着を図る。 キーワード 1 不安の軽減 2 社内サポート体制 3 職務遂行の工夫 4 スキルアップ 5 社内の理解 6 コミュニケーションの改善・工夫 7 勤務形態の見直し [ 事業所の概要 ] ユニオン給食株式会社は昭和39年2月に創業。平成24年に 札幌市から運営を受託し、平成25年2月に札幌市中央図書館 1階ロビー内に「元気カフェ本の森」を開設。障害のあるスタッフが接客などを通じてさまざまな人と交流することで、市民の理解と民間企業における障害者雇用の促進を図っている。 従業員数153名 [ 業種および主な事業内容 ] 弁当の製造と販売(折詰、オードブル、会議用)、給食業務(企業、幼稚園、保育園、学校等)への派遣、レストラン・食堂・喫茶店の受託業務 [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 札幌市から「元気カフェ本の森」(喫茶店)の業務受託に伴い、NPO法人から4名の障害者を受入れ、その後2名を雇用。知的障害者(20代)3名、精神障害者(40代)3名、店長、副店長の8名体制で運営している。 [ 紹介内容 ] 精神障害 【従事作業】 喫茶店業務(ホール・厨房・レジ) [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 6名 週の労働時間が 20~30 時間未満 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2年未満 2名 2年~3年未満 3年~4年未満 4年~5年未満 4名 5年以上 取組の概要 喫茶サービスに従事する精神障害者に対し、イラスト入りの手順書の作成、ロールプレイングの実施、できる仕事から始め、自信がついてから他の仕事に挑戦してもらうなどの試みを行った。その結果、就労初期の不安や自信のなさが解消され、職場定着につながった。 企業の声 堀川輝男さん (代表取締役) 当社は弁当製造の工場を運営しており、工場では従来から障害者を雇用していました。   障害者雇用については、自分達の仕事を見直すことができる良い刺激になると考えています。 平成24年度に札幌市からカフェの運営を受託し、精神障害者の雇用を開始しました。このカフェでは精神障害者と知的障害者が一緒に働いています。職場を別々に分けるより、一緒に働いた方が良いと考えています。 社 会にはさまざまな人がいて、そのなかで視野が狭くならないようさまざまな人と交わりながら、感謝の気持ちを持って支え合うことが大切だと思っているからです。 「障害のある人が自立できるように」という思いでこのカフェを運営していますが、今後も社員同士がお互いをわかり合いながら楽しく働き続け、「ここで働くことができて良かった」と思うことができるような共同体になっていくことを願っています。 社員の声 Aさん 【勤続約4年】 現在は、厨房、ホール、接客、レジなど、さまざまな業務を担当しています。 最初は接客業務から始め、今ではレジ業務までできるようになりました。当初、レジ業務は覚えることが多く混乱することもありましたが、店長はダメなところはダメ、良いところは良いと愛情を持って教えてくれて、自分の仕事を高めることができました。まわりの人も良いアドバイスをくれるので感謝しています。 この職場はみんな和気あいあいとして仲が良く、言いたいことを言える雰囲気で、とても働きやすい職場です。以前はネガティブになることもありましたが、今は前向きな姿勢で仕事に向かうことができるようになりました。 人とふれあうことが好きなので、この仕事は楽しく、働くことに生きがいを感じています。一所懸命 働くことをモットーにして、将来もカフェで働き続けていきたいと思っています。 現場担当者の声 吉田ひろ子さん(元気カフェ本の森 店長) 障害のある社員一人ひとりの特徴を理解し、それぞれの思いや不満を理解しようと心がけています。  まず、朝の挨拶で社員それぞれの調子がわかるのですが、例えば、自分の思いをあまり言葉にしない社員に対しては、様子を見て声をかけるなどの対応をしています。 全員に対して平等に接しつつ、日常的に何でも話してもらうことが重要だと考えています。社員同士で話し合ってもらうこともあり、例えば、商品として何を出すかは全員で相談しています。 社員たちは、それぞれ自分の将来に不安を抱えており、逆にそういった気持ちは大切だと思っています。まず、「失敗してもいいからやってみる」ことを社員にうながし、それをフォローするのが私の仕事だと考えています。 今は、最近入社した社員の職場定着をどう図ろうか考えています。コミュニケーションの機会を新たに設けようと考えているところです。 [ 改善前の状況 ] 【A さんについて】  入社当初、レジにお客が大勢並ぶと、パニックに陥り、目の前のお客様への対応が困難になることがあった。特に、レジ打ち業務については、お金を間違えることに恐怖心を持っていた。また、作業マニュアル(パフェの作り方など) の理解にも苦労していた。 改善策1 1 不安の軽減 2 社内サポート体制 3 職務遂行の工夫 4 スキルアップ イラスト入り手順書を使用して、できる仕事から始めていくことで、本人の自信を醸成。サポートを付けて、ロールプレイングを何度も実施。 ①イラスト入りの手順書の貼り出し  視覚で理解できるように、イラストや写真のマニュアルを業務内容ごとに作業台やレジ横に貼り出した。当初、本人はコーヒーメーカーのスイッチを入れるなど3工程までしかできず、「そんな難しいことはできない」と言っていたが、視覚で明確にイメージできるようにしたことで、今ではパフェやサンドウィッチまで作ることができ るようになった。 ②できる仕事から始めて、自信がついてから他の仕事に挑戦 当初、本人はレジ打ち業務に関して自信がなく、お金を扱うことに恐怖心を持っていたため、最初はホールや厨房の業務を行ってもらった。そのうちに、仕事に対する自信が芽生え、レジ打ち業務もできるのではないかという意識が本人に生まれた。レジのボタンに品名を書いたり、値段を統一するなどの工夫を行い、レジの責任は店長が持つと教え、本人が恐怖心を抱かないように配慮しながら、レジ打ち業務に配置転換した。 紹介 イラスト入りの手順書の貼り出し 手順書が貼ってある メモや絵を多用してわかりやすくしている イラストを描いて、作り方を厨房に貼っている ③サポートを付け、自信が持てるまでロールプレイングを実施  レジにサポートを一人付け、お客様が多く並んでも、目の前の一人ひとりに丁寧に対応するように声をかけ、一つひとつ正確にできるように、本人が自信を持てるまで何度もロールプレイングを行った。サポートがついたことで、本人の不安が取り除かれ、練習を重ねたことで自信がつき、現在は問題なく一人で対応できるようになった。 [ 改善後の効果 ] 自信を持つことができるまで練習を重ね、できる仕事から始め、自信がついてから他の仕事に挑戦することで、本人の不安が取り除かれ、さまざまな業務を身につけることができるようになった。本人の苦手だったレジ打ち業務については、「一番自分に合っている」と日々やりがいを持って業務を行うことができるようになった。今では売り上げ計算まで任せることができるようになり、その結果、厨房、レジ、ホール全ての業務を行うことができるようになった。 [ 改善前の状況 ] 【A さんについて】 就労に当たって、本人はこれまで知的障害のある社員と一緒に働いたことがなかったため、作業に対する不安だけでなく、人間関係の面で不安を持っていた。 改善策 2 1 不安の軽減 5 社内の理解 6 コミュニケーションの改善・工夫 7 勤務形態の見直し 社員全員がそれぞれの障害特性を理解し合う体制を確立。家族とも協力しつつ社員が相談しやすい工夫を行って人間関係面の不安を軽減。 ①社員全員がそれぞれの障害特性を理解し、支え合う   社員それぞれが相互に特性を理解して業務ができるように、知的障害者には精神障害者の特徴を、精神障害者には知的障害者の特徴をそれぞれ説明し、お互いを理解し、業務に当たるようにした。それぞれの障害特性について、丁寧に説明を行ったことにより、お互いの特徴を わかり合いながら業務を行うことができるようになった。 ②勤務体制の配慮   通院日を考慮した勤務シフトを組んで、体調不良のときには休憩させたり帰宅させたりするなどの配慮を行った。   「例えば、ケーキの盛りつけでも、まずやってみてもらいます。足りないところがあれば、私がフォローするという感じです。やってみないと、できるようにならないからです」(吉田店長) ③障害のある社員が相談しやすい雰囲気づくりと家族との協力   障害のある社員は、自分が抱えている不安を自ら申し出ることが難しいという特性があったため、障害のある社員との連絡帳をそれぞれ作成し、家族とも連絡帳のやりとりを行うことで、作業や人間関係の不安の解消に努めた。 その結果、連絡帳でやりとりしていた内容も現在は障害のある社員と口頭でのやりとりで行うことができるようになった。 [ 改善後の効果 ] 本人に無理なくできる仕事から始め、それが仕事として評価されて、本人の自信につながり、本人の心に余裕を持た せることができた。結果として、私生活にも良い影響をおよぼす結果となった。 オープン当初は、障害のある社員のそれぞれがさまざまな不安を抱えながらの出発だったが、今では全員が自信を持ってのびのびと業務を行うことができるようになり、お客様から「障害者の店だったんですか?」と驚かれるほどまでになった。最近は、障害のある社員のうち一名が調理師免許の取得に挑戦し、合格することができた。 奨励賞 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 株式会社ジェイアール西日本米子メンテック(鳥取県米子市) 社員が先生役となってきめ細かな新人教育を行い、何でも相談しやすい体制を構築して職場定着を図る。 キーワード 1 不安の軽減 2 社内サポート体制 3 職務遂行の工夫 4 スキルアップ 5 社内の理解 6 採用方法の工夫 7 コミュニケーションの改善・工夫 [ 事業所の概要 ] 株式会社ジェイアール西日本米子メンテックは西日本旅客鉄道株式会社のグループ会社の一つであり、主に鉄道の駅舎・車両清掃および車両基地内の車両入換運転、駅窓口の受託を行っている。また、駅前広場の清掃や市中の一般事務所、ホテル、病院などの清掃に加え、駅前ビジネスホテルの経営など、多岐にわたる事業を行っている。 従業員数285名 [ 業種および主な事業内容 ] JR 駅舎・鉄道車両の清掃・給油・給水・入換業務、JR 委託駅の出札改札業務、ビルメンテナンス業、JR 米子支社のフロント受付業務、一般貨物自動車運送業および貨物軽自動車運送業、ボイラー・冷房機・空調機の運転および整備、貸ロッカー業、 駐車場管理業、家電製品・日用品雑貨品等の販売、 広告看板業、花木リース、ホテル業など [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 今後の高齢化退職などによる雇用率低下を危惧し、平成23年、社長をトップとして全現場長が参画する「障がい者雇用プロジェクト検討会」を設置した。当時の障害者雇用率は2.26% であったが、平成27年度末までに28回の検討会を行って障害者雇用を進め、身体障害者6名、精神障害者3名、知的障害者1名の計10名を採用し、現在、雇用率は5.00%となっている。 [ 紹介内容 ] 精神障害(統合失調症)、知的障害   【従事作業】 駅舎清掃、駅前広場清掃 [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 8名 週の労働時間が 20~30 時間未満 2名 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2年未満 3名 2年~3年未満 3名 3年~4年未満 2名 4年~5年未満 5年以上 2名 取組の概要 障害のある社員のために、「その方だけのためのオリジナルマニュアル」を作成するとともに、全体ミーティング、個別相談の実施によって「何でも相談できる体制」を構築し、働きやすい環境を整備した。 企業の声 林原敏夫さん (代表取締役社長) 平成25年に法定雇用率が2%に引き上げられることを契機に、平成23年「障がい者雇用PT」を立ち上げました。当時の当社の実雇用率は2.26%でしたが、将来にわたる安定雇用を目指しました。 職場は常に「動く列車」に隣接しており、障害者には危険であるとの思い込みがみんなにありました。一方、当時受け入れた特別支援学校の実習生が入社を希望され、私は授業参観で生徒達の「仕事をしたい」との熱意を全身で感じ26年春の採用を決めました。 この度の「奨励賞」の事例は、紆余曲折を経ながらも障害者雇用の意義が社内に浸透し始めた頃のものです。受入れの見本も手本も少ないなかで、相手の気持ちを慮り、オンリーワンの「仕事マニュアル」を作りました。作った本人、受け入れた本人も素晴らしいのですが、それを実現した職場の雰囲気がなによりと考えています。障害をもつ従業員が教えてくれた「仕事への熱意」「明るさ」「元気」は当社を明日へと導く力の源であると確信しています。 社員の声 廣瀬友江さん 【勤続約 3 年】 緊張感が先に立ち、なかなか仕事を覚えられなかったのですが、手書きのマニュアルを作ってもらって手に取るように教えてもらったので、緊張がほぐれ仕事を覚えることができるようになりました。 マニュアルを手渡されたときはとてもうれしかったです。職場はアットホームな雰囲気でとてもなじみやすく、社内行事にも参加させてもらいながら、いつも楽しく仕事をすることができています。 普段、所長は「今日はどうかね?」と声をかけてくれます。調子が良くないときでも、周囲の方が「大丈夫?」「がんばろう」と励ましてくれます。また、毎朝、職場のティータイムで、気持ちが元気になります。今は駅舎の清掃の仕事をしていますが、今後は体調を管理しながら特急列車の車内の清掃にも挑戦していきたいと思っています。これからもこの仕事を続け、自立していきたいと思っています。 現場担当者の声 今岡久人さん (出雲事業所出雲市駅派出所長) 精神障害者雇用は初めてだったので、当初は不安もありました。  通常、新規採用の職員にはOJTで複数の職員が交代で指導するのですが、今回は、本人の状態を見て、面倒見の良さそうな職員を先生役に指名し、マンツーマンで指導してもらうことにしました。 本人の体調の変動を考えると、継続雇用のためには勤務シフトの柔軟な変更など周囲の理解が必要となってきます。 この派出所では毎朝10分間のティータイムを設けており、「話しやすく話かけやすい雰囲気」のなかで全員が集まって楽しく話をします。職場全体でコミュニケーションを図り、周囲の仕事をカバーし合うことができる良好な職場づくりを心がけています。 また、適宜、各職員から個別に話を聞くようにしています。「信用」と「信頼」をもって意思疎通を図ることが大切だと考えています。今後は、本人の体調をみながら、勤務時間の拡大を図っていきたいと考えています。 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】 ハローワークの紹介により、初めて精神障害のある社員を採用することになったが、精神障害の特性もわからず、不安に思うことが多々あった。 また、従来から社内で使用している「清掃マニュアル」を使って OJT で新人教育を開始したが、専門用語を使った内容であったため、精神障害のある社員には理解されなかった。 改善策1 1 不安の軽減 2 社内サポート体制 3 職務遂行の工夫 4 スキルアップ 心のこもった「その方だけのためのオリジナルマニュアル」を作成し、精神障害のある社員の不安を軽減して働きやすい環境を整備。 新人教育に当たっては、日頃から活発で業務改善提案 活動にも積極的な従業員を先生役に指名し、マンツーマンでの OJT 教育を開始した。 しかし、これまで社内で使用してきた「清掃マニュアル」は本人には理解が難しく、役に立たなかった。先生役をはじめとする既存の社員にとっては慣れたマニュアルだが、専門用語を使った内容であったため、障害のある社員には、理解することが難しいことがわかった。このため、先生役の職員は「その方だけのためのオリジナルマニュアル」を作成し、本人に手渡した。 紹介 その方だけのためのオリジナルマニュアル(P64 参照) ・すべて手書きとして親しみやすくした(ポイント箇所にはカラー付け) ・何時に(時間)、何を使って(持ち物)、何をするのか(作業内容)に分類 ・朝 8 時 20 分の作業開始から昼 12 時 35 分の作業終了まで時間順に作成 ・最終ページには帰宅する列車時間を記載 ・持ち物には「わかりやすい実物の絵」 ・作業内容には「清掃場所ごとの歩く順路の絵」を図示 これを手にした本人は「わかりやすい」と心から感激し、「清掃の仕事は思ったよりも大変だったけど、きれいになると気持ちがいい。なんだか楽しくなった」と発言するなど作業習得が格段に進んだ。 そして、作業上の注意点を確認しながら、先生役の職員が実際に作業を行い、作業のポイントを具体的に助言することを繰り返し行い、作業に慣れてもらった。 「汚したくて汚している人はいない」、「仕事は大変だけど、お客様や仲間のみなさんに“ありがとう”って言ってもらえるのがうれしい」など、本人の素直な心や行動が先生役の職員の心に伝わり「教えているつもり」がいつの間にか「教えられている」との思いになった。 紹介 毎朝 10 分間のティータイム 職場全体のコミュニケーションを図っている。適宜、個別相談を行ってプライベートな話も聞いたりしている。 ボーリング大会やグランドゴルフ大会を毎年実施するなど、オフの時間も日常的に関わりを持っている。 [ 改善後の効果 ] 障害のある社員が働きやすい環境を整備するだけでなく、支援機関からも効果的なアドバイスをもらい、職場内で派出所長を筆頭に情報の共有化をすることで、社員のスキルの向上にもつながった。 また、職場内の全体ミーティングや個別相談を通じて、障害のある社員の不安などを吸い上げ、素早く対応することで安心感が生まれた。現在まで継続雇用を実現することができた。 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】 法定雇用率は確実に確保、維持できているものの、現状の社員の年齢構成をふまえ今後の高齢化にともなう退職などを考慮すると、将来的には実雇用率の低下が危惧された。また、障害者雇用を推進するに当たって、社内には障害のある若手社員がおらず、中途採用しかできていないという課題があった。 改善策2 2 社内サポート体制 5 社内の理解 6 採用方法の工夫 7 コミュニケーションの改善・工夫 全社を挙げたプロジェクト検討会を設置して職場実習を推進。新卒社員に入社後1年間 のアドバイザーをつけて何でも相談できる体制を構築。 ①プロジェクト検討会 平成23年、社長をトップに全現場長が参画する「障がい者雇用プロジェクト検討会」を設置した。この検討会では、これまで特別支援学校からの職場実習の要請に応えてきた事例を活用し、職場実習を新卒者の採用に発展させていくことができるかどうかを検討した。 その結果、同一生徒を2年生時、3年生時に清掃実習を受け入れることができ、生徒の駅舎清掃に係る適性を確認することができた。また、社長自身が特別支援学校の「授業参観」に参加した。社長は生徒の「仕事をしたい」という熱意に感激し、この取組みを強力に推進した。 紹介 チーム「米子メンテック 100」  社員全員が一丸となって一人ひとりが素直な心で「次の一歩」をふみ出すために小冊子を発行、全社員に配付し、「思い」をみんなで共有した。 ②何でも相談できる体制の構築  実習後は、本人の入社希望を確認し、その後、家族も賛同し、学校が推薦することとなり、平成28年4月入社の新卒高卒採用6名のうちの一人として特別支援学校から初めて1名採用することができた。 見習い期間中は、「聞きやすい、話しやすい」などを考慮し、年齢の近い社員を先生役につけて新人教育を行った。 入社後一年間、アドバイザーをつけ、「何でも相談できる体制」を構築した。 [ 改善後の効果 ] 新卒採用で初めて障害者を雇用することができ、雇用を継続することができた。この社員は、入社後、いつも笑顔をたやさず、積極的に清掃業務を習得した。また、周りの社員にも「やる気」、「元気」、「笑顔」が伝わり、職場が明るくなった。 今は別の特別支援学校からの職場実習の要請にも応じ、この取組みを進めている。 最近も実習を重ね、本人の適性、意思、家族・学校の意見をふまえ、二人目の新卒採用者を内定した。 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 株式会社グランドビジョン(福岡県福岡市) 障害のある社員がチームで「やりたい仕事、できる仕事」を提案し、モチベーションを向上。 キーワード 1 モチベーションアップ 2 職務創出 3 社内の理解 4 職務遂行の工夫 5 コミュニケーションの改善・工夫 6 体調管理 7 支援機関との連携 [ 事業所の概要 ] 株式会社グランドビジョンは平成23年11月、福岡市において創業。広告代理店としての事業はもとより、クライアントの事業成長、課題解決に向けたプロデュース、マーケティング戦略から制作まで事業を展開。平成27年には従業員が100名を超え、同年2月に東京南青山にオフィスを、9月には福岡市内にコールセンターを開設。 従業員数103名 [ 業種および主な事業内容 ] 広告業 (事業プロデュース、通販コンサルティング、 WEB コンサルティング、コールセンター運営、 ブランディング、採用プロデュース、メディア・イベントプロモーション、映像プロデュース、空間プロデュース) [ 紹介内容 ] 発達障害、知的障害 【従事作業】 社内外の清掃、郵便物配達、調理、農園作業、 社内広報誌の発行、備品発注、名刺入力作業 [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 社員食堂のスタッフとして平成22年より雇用を開始。多様性のある社会を作りたいという思いから、特別支援学校からの職場実習の受入れや採用活動を積極的に行ってきた。平成22年に2名、平成23年に2名を採用し、現在も同じメンバー4人が継続して勤務している。 [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 4名 週の労働時間が 20~30 時間未満 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2年未満 2年~3年未満 3年~4年未満 4年~5年未満 5年以上 4名 取組の概要 前身の会社で障害者雇用を開始し、当初は社員食堂メンバーとして調理補助の仕事をしていたが、事務所移転により社員食堂の廃止が決定。従事していた仕事がなくなりメンバーの士気も下がっていた。平成23年に株式会社グランドビジョンとして全員を再雇用し、障害のある社員が「自分たちのやりたい仕事、できる仕事」を社長に提案。自ら仕事を創出するとともに「ホームランチーム」を結成してモチベーションの向上につなげた。 企業の声 中尾 賢一郎さん (代表取締役社長) 私にとって、ホームランチームとの出会いは運命的だと思っています。もともと大学時代に福祉を専攻して学び、一時は社会福祉士を目指していました。私立の三育幼稚園、小学校では障害者の仲間と一緒に学ぶ環境にいたので、ホームランチームと一緒に仕事をすることに喜びを感じますし、むしろ励みをもらっています。  笑顔がホント素晴らしいです!今後の抱負としては、グランドビジョンとしても雇用を増やしていければと思っています。弊社の取組みがさまざまな企業に広がっていくことが理想です。障害者の持つ潜在能力は高いし、もっと社会の表舞台で役立つ環境が整えばと願います。 社員の声 「ホームランチーム」のメンバー 井上 高志さん【勤続約7年】 清掃業務のほか、パソコン入力の業務にたずさわっています。絵を描くことが得意で、風呂敷のデザインもしています。 落ち込んでしまいそうなときでも、 笑顔でがんばっていきたいと思っています。自分で考え、行動していけるようになりたいと考えています。 稲田 萌依さん【勤続約6年】 新聞広告のなかから、健康食品、美容、育毛、エステ関係などの広告を切り抜き、スキャンしてデータを残す仕事などをしています。難しかったのですが、できるようになりました。 農園での野菜づくりや、社内販売用の「お結び(おむすび)」、サンドイッチ作りが好きです。 狭間 航平さん【勤続約7年】 清掃業務では、社内に加えて会社周辺の掃除を広範囲に行っており、街で声をかけてもらうこともあります。 主にパソコン入力やラベル作成など事務関係の業務にたずさわっています。毎朝、早めに出社したり、ミスのない仕事ができるよう心がけています。 中野 真里さん【勤続約6年】 名刺作成、バッグ・封筒・雑巾などの作成の仕事をしています。 会社の移転時は不安な気持ちもありましたが、社内販売用の「お結び(おむすび)」作りなど仕事は楽しく、この「ホームランチーム」でさまざまな仕事をやっていくことはやりがいがあります。 現場担当者の声 長尾 育恵さん (マネジメント局ホームランチーム リーダー) スピードや結果が求められる業界ですが、そんななかでホームランチームは社内の潤滑油として大きな役割をになっています。このチームが他の部署の社員と同じフロアで当たり前のように働いていることは、とても意味のあることだと考えています。配属当初は悩むこともありましたが、メンバーを知れば知るほど気付きがあり、視野が広がっていきました。みんな、自分に正直で、不安を抱えながらも「自分達の給料は自分達でかせぐ」という気持ちでがんばっています。 そのなかで、私の役目は「やって見せて、やってもらって、その上でチェックを行う」ことで、メンバー のために「いい環境」を作ることが大切だと考えています。また、スキンシップとコミュニケーションを心がけ、できるだけ時間をとってメンバーの話を聞くようにしています。メンバーといると自分も「素のまま」で穏やかな心を持つことができます。メンバーのみんなに出会えて本当に良かったと思ってい ます。 【生じていた課題】 [ 改善前の状況 ] 平成22年、前身の会社で障害者雇用を開始し、当初は社員食堂メンバーとして調理補助の仕事をしていたが、事務所移転により社員食堂が廃止。従事していた仕事がなくなりメンバーの士気が下がっていた。 改善策1 1 モチベーションアップ 2 職務創出 3 社内の理解 障害のある社員たちが、自ら「自分たちのやりたい仕事、できる仕事」を考え、得意分野を伸ばす仕事を創出しモチベーションを向上。 社員食堂の廃止後、社内外の清掃、発送物の封入、郵便物の社内集配、備品発注、名刺作成など、社内の業務を切り出し、職務を創出した。さらに、障害のある社員たちが自分たちの得意分野を伸ばす仕事を自ら考えて社長に提案し、新たな職務を創出した。 ①ホームランチーム  障害のある社員の部署の愛称。「カキーンとホームランを打ったときのように、元気に動き回るチーム」という思いが込められており、チームの一員によって名付けられた。自らやりたいことをすぐにチャレンジできる環境を構築している。 ②社内サービス「お助けホームラン隊」の開始  シャツのアイロンかけ、ボタンつけ、軽食・季節のジュース作りと販売など、社員に喜ばれながら社内コミュニケーションを図ることができる社内サービスを展開。自立のための練習の場にもなっており、保護者からも喜ばれている。実践練習も会社で行っている。 社内での要望をきっかけに始めた ③オリジナルグッズの商品化、店舗販売  古民家を借り、個展「人間の色々展」を開催。絵や制作物の販売につなげた。バッグ、絵、コースター、言葉のおみくじなどを販売。また、イベントなどでも出店。 「制作物がとてもいいと思ったので販売につなげた」(長尾さん) 紹介 ホームランチームが提供するサービスメニュー [ 改善後の効果 ] 障害のある社員たち全員が自ら考えて職務創出をしたことで、職場にチームとしての一体感と自律性が生まれ、モチベーションが向上した。また、障害のある社員の一人ひとりに仕事に対する強い責任感を醸成することができた。 [ 改善前の状況 ] 【生じていた課題】  障害のある社員が、同じホームランチームのメンバーや他の部署の社員とコミュニケーションをうまく図ることができず、孤立することがあった。また、リーダーの指示がうまく伝わらず、やっていなかったり、違うことをすることが多々あった。 改善策2 4 職務遂行の工夫 5 コミュニケーションの改善・工夫 6 体調管理 7 支援機関との連携 仕事の見える化、社内勉強会に加え、ホームラン新聞やホームラン農園を開始して社内コミュニケーションを強化。家族や支援機関とも連携。 ①仕事の可視化  時間割を作って仕事を「見える化」し、毎日、その日にやることを朝礼で伝え、確認を行っている。リーダーは「やってほしいこと」「気をつけること」をメモし、それぞれの社員に渡している。終礼前には振り返りも行っている。 紹介 地域での清掃 よく声をかけられる。地域からは「あたたかい会社」と言われている。 ②社内コミュニケーション  リーダーはホームランチーム専任とし、障害のある社員が相談しやすい環境を作っている。障害の社内理解のための社員向け勉強会や、家族・他部署の社員も参加するボーリング大会、農園の収穫祭、芋掘り大会などのイベントを開催している。 紹介 ホームラン農園 「自然農」で実施。収穫した作物は社内やパートナー企業のなかで消費 ③家族や支援機関との連携 毎日、リーダー・本人・保護者の三者で連絡帳をやりとりしている。本人は一日の反省を書く。定例保護者会を開催し、本人が会社で働く様子を家族に見てもらったりしている(年2回)。支援機関による個人面談も実施している(2か月に1回)。 紹介 「月刊ホームラン新聞」 毎月5年間継続している社内広報誌。 取材が地域交流にもなっている。会社付近の店舗(飲食店など)にもこのホームラン新聞を置いてもらっている。文章を書くことが苦手だった社員も、今ではすらすらと書けるようになった。 インターネットでもホームランチームの活動を発信している。 [ 改善後の効果 ] 普段一緒に仕事をしない社員ともコミュニケーションを図ることができるようになった。また、言いづらいことや不安なことを相談しやすくなり、チームの絆、家族との絆、社員との絆、地域との絆が深まり、仕事への自信や意欲を感じることができるようになった。 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 MCS ハートフル株式会社(埼玉県さいたま市) 周囲の社員の理解促進を図り、障害特性の把握と職場環境の整備を行って、モチベーションを向上。 キーワード 1 社内の理解 2 コミュニケーションの改善・工夫 3 モチベーションアップ 4 体調管理 5 社内サポート体制 6 支援機関との連携 [ 事業所の概要 ] MCSハートフル株式会社はグループホーム(認知症対応型 共同生活介護施設)などを全国規模で運営するメディカル・ケアサービス株式会社の特例子会社として、平成22年10月に認定された。社内の業務は「清掃」、「PC」、「印刷」、「総務」の4グループに分かれている。 従業員数65名 [ 業種および主な事業内容 ] 親会社が運営するグループホームなどの床、窓などの清掃および床ワックス清掃。グループ会社が運営している賃貸物件(マンション、アパートなど)の共有部の清掃。親会社で使用するパソコンのセットアップ作業、ヘルプデスク業務、名刺作成、ホームページ作成、チラシ作成など印刷業務 [ 紹介内容 ] 精神障害、発達障害   【従事作業】 清掃部門の事務業務 パソコンのセットアップ、ヘルプデスク業務 [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 親会社の社員数の増加に伴い、障害者雇用率が著しく低下するなか、障害者雇用を推進していくという方針が確立され、特例子会社を平成22年に設立。親会社が運営している認知症介護グループホーム、特定介護施設の清掃、管理部門の業務を切り出し、平成23年から雇用を開始した。障害特性に合わせて、清掃部門は知的障害者、事務部門は身体障害者と精神障害者を雇用している。 [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 5名 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 40名 週の労働時間が 20~30 時間未満 2名 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2年未満 8名 2年~3年未満 7名 3年~4年未満 10名 4年~5年未満 7名 5年以上 11名 取組の概要 社内の精神保健福祉士を中心とした研修などにより、周りの社員の理解促進を図り、障害者本人が「コミュニケーションは楽しいこと」と気づいたり、自信をもって後輩を指導する場面が見られるようになるなど、障害特性の把握と職場環境の整備がなされている。 企業の声 今野 雅彦さん (代表取締役社長) 会社がスタートした翌23年4月に特別支援学校から最初の新卒社員を迎えました。彼らが東日本大震災の影響などで沈滞していた社内の雰囲気を一掃してくれたことを覚えています。当社では、わかりやすいマニュアルを整備し、障害者職業生活相談員やジョブコーチを積極的に配置するなかで、清掃業務の検定試験を実施して、その結果を名札の星の色で表現しています。このことは、障害のある社員のモチベーションアップに寄与するだけではなく、担当指導員の技術や意識の向上にも役立っています。その他、毎月第三水曜日に開催しているボーリング大会は5年目を迎え、昨年からは年間成績上位3名が埼玉県障害者スポーツ大会に参加しています。 これまで試行錯誤の連続でしたが、やりたいことは全てやってきたつもりです。主役である障害のある社員が明るく元気に伸びのびと働くことのできる環境を目指して、これからも挑戦を続けていきたいと思っています。 社員の声 Aさん【勤続約2年】 清掃業務の事務、総務事務などを担当しています。わたしは字を書くことが苦手なのですが、請求書の発行やPC入力の業務は自分に合っていて、楽しく仕事をすることができます。 当初は、周囲に話しかけてよいのかわからず気を遣っていましたが、今では冗談を言い合えるようになりました。経験はまだ少ないのですが、担当している仕事をもっと究めていきたいと思っています。この会社は、さまざまな仕事をさせてもらえます。これからもこの会社で働き続け、経験を積んでいきたいと思っています。 木本昌代さん【勤続約4年】 社内ネットワークのヘルプデスクやPCのセットアップを担当しています。この仕事は、電話の向こうにいる顔の見えない相手の気持ちを読み解きながら進めていく必要があります。日々勉強が必要ですが、指名をいただいたり、「よかった」という声をいただいたりすると、「やっていてよかった」と嬉しく感じます。 職場は明るくアットホームな雰囲気で、とても楽しく仕事をすることができています。人と関わることが好きなので、これからもこの仕事を続けていきたいと思っています。 現場担当者の声 岡田 祐子さん (課長、総務グループ グループ長) 当社は障害者が主役の特例子会社ですが、できるだけ一般企業の組織に近づけようと心がけています。 社員みんなとコミュニケーションを図りながらも、「普通の上司と部下」の関係性を保つようにしています。難しい部分もあるのですが生活面で支援機関に関わってもらいつつ、社員をフォローしていくことが大切だと考えています。これまで支援体制や業務支援のツールなどに関し、さまざまな取組みを行ってきました。今はある程度「形になってきた」という状況です。しかし、このでき上がってきた形にとらわれすぎて、社員や会社が成長するための支援という目的を見失っては、意味がありません。今後も、「その人らしく」仕事に取り組めるよう、個々の特性に合わせた支援を模索していきたいと考えています。 高坂 美幸さん(定着支援グループ、精神保健福祉士) 当社は、身体障害、知的障害、精神障害を抱える社員がともに働いています。そういった環境においては個々の配慮が必要ですが、精神障害を抱える社員に対しては、障害の見えなさゆえに過剰な配慮が見られる場面がありました。そこで、適切な配慮や双方向の関係づくりの構築を目的とした連絡会を管理職やリーダーに加え、同僚に向けても開催することとしました。また、精神障害を抱える社員に対しては、「自己理解を深め、自分で自分の生活をマネジメントする」ことへの支援が職場定着に繋がると考え、社内での取組みを行っています。これからも社内に在籍する専門職として、声掛けのしやすい「やわらかい存在」でありつつ、柔軟で臨機応変な定着支援を実施していきたいと思います。 [ 改善前の状況 ] 【A さんについて】 指示が理解できない、周囲の物音、話し声、暑さで集中が途切れる、睡眠不足による眠気で作業が止まるという課題があった。また、同僚・先輩社員とのコミュニケーションに基づくストレスの抱え込み、日報作成に時間がかかり、退社時間が遅くなるなどの課題があった。 改善策1 1 社内の理解 2 コミュニケーションの改善・工夫 3 モチベーションアップ 4 体調管理 社内において障害特性の共通理解を図りながら、発達障害のある社員が、業務に集中するための工夫を行って、モチベーションを向上。 ①指示の統一と細分化、キーパーソンの固定  Aさんに指示をする上司を一人に特定し(一本化)、指示内容は小さなステップに細分化・単純化したことで「報告、連絡、相談」ができるようになった。また、上司と話す場面が増加し、信頼関係の構築につながった。 ②社内における障害特性の共通理解(連絡会の開催) 毎月、社員間で連絡会を開催し、管理職と精神保健福 祉士の資格を持つ社員が各グループの現場の社員の思いをヒアリングしながら、「Aさんに伝わりやすいコミュニケーションの方法」について伝達するなど、社内全体で障害特性の共通理解を図っている。 ③デスクの仕切り設置  業務に集中できるように各机に視線の高さまでの仕切りを設置した。また、体温調節の苦手なAさんのために専用の扇風機を設置し、職場環境を整備している。 ④モニタリングシートの活用  睡眠リズムの乱れが翌日の業務遂行や満足度に大きな影響をおよぼしていることをAさんにフィードバックし た。Aさん自身が「気付く」という「本人を主体にした支援」を実施している。 ⑤定期面談とSSTの実施(ソーシャルスキルトレーニング)   精神保健福祉士の資格を持つ社員がAさんのストレスを吐き出せる機会を作り、具体的場面を想定したSSTを実施した。Aさんのコミュニケーションスキルの向上につながった。 紹介 勤怠処理チェックリスト 作業内容を小さなステップに細分化 日報 各デスクの仕切り 精神保健福祉士の資格を持つ社員がAさんと毎日確認を行った結果、Aさんは日報に記入するテーマの選定に時間がかかっていることがわかり、テーマ決めのパターン化を支援することで、日報作成の時間が短縮された。 [ 改善後の効果 ] Aさんは、人と会話を楽しみたいと考えているが、相手の言葉に引っ掛かることが多く、自分から声をかけることを躊躇していた。しかし、精神保健福祉士に、気になった言葉について相談したり、SSTの練習を行い、気になる言葉を発した本人に確認することにより、自分が誤解して受け取っていたことに気付いていった。今では、自分から周囲に声をかけるようになっている。 [ 改善前の状況 ] 【木本さんについて】 入社後、本人のアセスメントができていないなかで、体調不良時には本人の希望通りに休職し、休職期間や復帰スケジュールも曖昧なままで復職したということがあった。また、その後も突発的な欠勤や体調不良がみられ、慣れている業務や指示された業務を忘れてしまうということがあった。また、「プライベートの充実がストレス発散」だと思い込み、ハードなスケジュールを立ててしまうという課題もみられた。 改善策2 1 社内の理解 4 体調管理 5 社内サポート体制 6 支援機関との連携 モニタリングシートによる振り返り、支援機関との明確な役割分担、ケース会議により、精神障害のある社員の安定的な勤務を支援。 ①社内研修会の開催 精神障害の特性を周囲に分かってもらうことで、これまで、精神障害のある社員に「過度な配慮」になりがちだった社内環境を「適切な配慮」に変える取組みを行った。 ②支援機関との明確な役割分担  本人の業務面、勤怠面、生活面については、支援機関と明確に役割分担を行った。また、主治医との連携については本人と支援機関とで受診メモを作成することで、情報の共有を図っている。  勤務時間の延長などについては、社内での検討時に産 業医にも参加してもらい、多角的な視点で判断している。 ③ケース会議  管理職、精神保健福祉士の資格を持つ社員、本人、支援機関の4者によるケース会議を定期的に開催し、情報共有を実施。本人もふまえて、次回のケース会議までの目標設定を行うことで、複数の支援機関が関わることによる支援のずれを防止している。 ④グループワーク  グループワークでストレス対処法を学ぶ機会を定期的 に設けた。これにより、安定した勤怠を維持するためには、 休日も含めた余裕のあるスケジュールの立て方が重要だということに気付き、休息、休憩にも意識が向くようになった。 紹介 モニタリングシートによる振り返り 服薬管理表1 服薬管理表2 服薬、睡眠時間、業務・職場満足度などをセルフモニタリングできる会社独自のシート。個別にカスタマイズも行い、木本さんには、メモ欄にスケジュールを記入してもらっている。勤怠の推移と体調、休日を含むスケジュールのつながりについて、精神保健福祉士の資格を持つ社員が2週間ごとに振り返りを行う。タイムリーに行うことで本人への気づきをうながす。 [ 改善後の効果 ] 本人には社内の定着支援を始め、複数の支援機関が関わっていたが、支援の方向性の共有が曖昧だったため、各機関との面談の場が本人のできないこと探しの場になっていた。そのため、明確な役割分担、目標の共有を行った。その結果、業務面には大きな問題がないことが明確になり、スケジュール管理に焦点を当てた支援の実施につながった。 本人もその課題に気づくことができたことで、徐々に安定した勤務ができてきている。 平成28年度 障害者雇用職場改善好事例 奨励賞 株式会社キャプラ・ウィッシュ(岡山県岡山市) 「お互いの良いところを見つけ、業務はみんなで助け合おう」のスローガンを実践し、職場定着と成長に向け、ともに歩んできた3年間。 キーワード 1 職務遂行の工夫 2 コミュニケーションの改善・工夫 3 スキルアップ 4 不安の軽減 5 社内サポート体制 [ 事業所の概要 ] 株式会社キャリアプランニング(人材派遣事業など、本社:岡山市)の特例子会社として、平成26年1月に設立。親会社から受注した各種印刷・事務代行業務や、外部から受注した教育教材の発送代行業務などを行っている。 従業員数23名 [ 業種および主な事業内容 ] 印刷(名刺、チラシ、パンフレット)、発送代行(ダイレクトメール、チラシ、教材)、事務代行(データ入力、ファイリング)などの業務 [ 紹介内容 ] 発達障害 【従事作業】 教育教材の発送作業、データ入力等の事務作業 [ 精神障害者等雇用の経緯 ] 親会社では各拠点で雇用を展開していたが、法定雇用率の引上げなどが行われるなか、さらなる雇用拡大を検討。先行の特例子会社の見学などを通じて、障害のある方が安心して働ける環境整備を推進するため、平成26年1月に特例子会社を設立。現在、在宅勤務者1人を含め、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、知的障害、発達障害、精神障害のある方、計20人を雇用。 [ 障害者の雇用形態・勤続年数 ] 雇用形態 正社員 週の労働時間に変動なし 18名 週の労働時間短縮等の変動あり パート アルバイト 週の労働時間が 30 時間以上 2名 週の労働時間が 20~30 時間未満 週の労働時間が 20 時間未満 勤続年数 ~2年未満 15名 2年~3年未満 1名 3年~4年未満 4名 4年~5年未満 5年以上   取組の概要 「キャプラウィッシュ スローガン」の実践により、本人の良いところを探し、強みを活かすことで職場定着を図っている。また、評価制度の新設などで、社員のさらなる成長をうながしている。 企業の声 友光 弘さん (代表取締役社長) 親会社の株式会社キャリアプランニングでは平成28年から働き方改革を行っており、多様な働き方の社員の集合体として会社を経営していく時代に、特例子会社は企業全体の活力となっています。 特例子会社設立から3年、障害のある方には丁寧にしっかり仕事をしてもらっています。親会社の業務をスリム化し、特例子会社が受注することで、親会社の負荷が減り生産性を上げる働き方に切替ができるとともに、障害のある方が特性を活かして働くことができる、という双方がWIN・WINな関係ができてきています。 雇用・定着を進める上で大切に考えていることは、彼らとの一体感、お互いが協力共存していくという意識です。 日々きちんとコミュニケーションをとり、お互いが成長していくことを目指し、半期ごとの目標設定面談などを行っています。面談を通じて、本人に向上心を持ってもらい、この会社にいて良かった、頑張っていきたいという気持ちになってもらうことを願っています。 株式会社キャリアプランニングは創業30周年を迎えました。さらなる継続に向け、株式会社キャプラ・ウィッシュでも、外部の方の支援を得ながら、引き続き雇用拡大・職域拡大に努力していきたいと思います。 小林 吹雪さん(部長) 始めは、面接での対応、雇用管理の方法など、わからないことが多くありましたが、障害者雇用の経験のあるスタッフの助言を得ながら1つひとつ対応してきました。 親会社から印刷・データ入力・ファイリングなどを発注してもらい、10人のメンバーでスタートしましたが、当初は週1回ミーティングをして、みんなで仕事の進め方について話し合いを重ねました。 今は支援機関の方などの支援もあって、メンバーは20人になっています。みんなが自主的に仕事をし、本当に順調に回っているなと感じています。 左から 藤井課長、小林部長、黒田指導員、高畠主任 ※高畠主任は前職で障害者の就業支援・労務管理に従事 ※黒田指導員は企業在籍型ジョブコーチ 設立当初は業務量の確保など課題もありましたが、「時間は少しかかりますが、正確にできる」という実績を重ね、ここ1年で業務量は急増しました。それにともなってみんなが成長し、みんなの頑張りやパワーに驚いています。仕事が人を成長させるのだと感じています。 社員の声 Aさん【勤続約2年】 今は、自分も含めて3人のグループのリーダーを任されています。  藤井課長とメンバーの間に入って、納期の設定や業務の進め方などを検討しています。また、メンバーに聴覚障害のある方もいるので、藤井課長や黒田指導員に相談し、自分なりに考えながらコミュニケーションをとっています。 今後の目標は、成長し続けることです。社外の方からも「みなさんに任せれば安心だよね」と言われるように日々努力していきたいです。 キャプラ・ウィッシュに出会えて感謝しています。周りの方に負けないように、自分のできることをしっかりやっていき たいです。 [ 改善前の状況 ] 【磯本さんについて】 本人は就労継続支援A型事業所を利用後、初めて企業就職。 作業面では、指示を理解できないと混乱し、声が大きくなり感情的になってしまうことがあった。 また、対人緊張が強く、周囲は本人が何を言っているのかなかなか理解できないような状況だった。 改善策1 1 職務遂行の工夫 2 コミュニケーションの改善・工夫 3 スキルアップ 作業面や対人面の特性に配慮しながら、本人の良いところを探し、強みを活かすことで、業務範囲の拡大を行い、本人の自信にもつながった。 ①A型事業所からの情報提供をもとに作業指導 「指示は細かく、具体的に」を実践。 また、封入作業の指示書を作成。 ②業務範囲の拡大  もともと入力作業が好きで、几帳面で慎重、納得できるまで確認してから作業を進めるタイプだったので、入力作業も任せてみることにした。 紹介 入力規則が決まっていれば、アンケート結果のエクセル入力で抜群の安定性を発揮。 ③コミュニケーション能力の向上に向けた取組み   人前で話すことに慣れ、対人関係で自信を持てるように、朝礼・晩礼の進行を当番制にし、本人にも担当してもらった。また、晩礼でも、当番の時に「本日の良かったこと」を発表してもらった。 ④ビジネスマナー研修の実施   本人は初めての就職だったため、「仕事や環境に慣れてきたから、もう1段ステップアップしよう」と提案し、親会社から講師を迎えてビジネスマナー研修を実施。 ⑤リーダー体験の提供   グループ作業の時にリーダーに指名。  責任感をもって業務を行うことで、仕事をやり遂げたときの達成感を体験してもらった。  また、「指導する、報告・質問を受ける」立場を経験することで、報告などの重要性を理解してもらい、報告する側、される側双方の気持ちなどについて考える機会を提供した。 改善策2 4 不安の軽減 5 社内サポート体制 「お互いの良いところを見つけ、業務はみんなで助け合おう」のスローガンの実践、評価制度の新設などで、本人はじめ社員のさらなる成長を促す。 ①本人の良いところを継続的にフィードバック  より自信を深められるように、「週報」に本人の良いところ、できているところを認めるコメントを継続的に記入。 ②メンバー同士が感謝しあう場の創出   メンバー同士がお互いに感謝の気持ちを伝えあう「ありがとうメッセージ」の取組みを実施。「キャプラウィッシュ スローガン」の実現を目指した。 [ 改善後の効果 ] 視覚的に指示することで正確に作業でき、入力作業では必要不可欠な戦力となっている。いきいきと仕事に取り組み、率先して行動できるようになった。 対人面では、落ち着いて話を聴く、相手の状況を見て話しかけるなどもできてきている。  精神的にも安定し、自信もついてきた。また、晩礼での発表などを通じて、自己を承認し、他人の良い点を見つけることが習慣化された。他のメンバーからほめられる機会も増え、他者を許容する気持ちも増してきている。 社員の声 磯本雄介さん 【勤続約1年】 入社した頃は、仕事ができるか不安でしたが、経験を積んで何とかできるようになってきました。わからないことはきちんと質問するように心がけています。今後は、入力を今以上にできるようになりたいです。 また、緊張しやすくて、焦ると早口になるところがあるので、ある程度の時間をおく、いったん待つことを心がけたいと思います。 コラム 評価制度の新設 半期ごとに目標設定面談を行い、そこで立てた目標について「自己評価」と「上長評価」を実施。 具体的にどうなれば評価され、処遇に反映されるのかを「見える化」し、社員のモチベーション向上を目指した。 職場改善のために事業所が作成した 資料、支援ツール 職場改善のために作成した資料や精神障害者に対して用いた支援ツールなどを、取材先事業所のご了解のもと、当機構において一部修正を加えて掲載しています。 精神障害者の職場改善に役立つ実践的な資料ですので、是非、参考にしてください。 支援ツールリスト 特別養護老人ホーム 鶴住荘 ①清掃マニュアル ②業務の記録 ③業務内容と1日の流れ 京浜パネル工業株式会社 山形工場 ①手順書 株式会社カシマ ①環境改善に関する資料 グリービジネスオペレーションズ株式会社 ①発達障害がある方などのための環境調整と配慮などについて ユニオン給食株式会社 ①イラスト入り手順書の貼り出し 株式会社ジェイアール西日本米子メンテック ①その方だけのためのオリジナルマニュアル ②「次の一歩」へのワンコメント ③私の「一歩」 株式会社グランドビジョン ①ホームランチームのサービス 「お助けホームラン」 ②ホームランチームについて ③スケジュール表 ④連絡帳 ⑤ホームラン新聞 ⑥ホームランチームのイラスト 7ホームランチームのグッズやホームラン農園の収穫物 MCSハートルフル株式会社 ①星の名札(例) ②認定証 ③名刺作成チェック表 ④勤怠処理チェックリスト ⑤日報 ⑥服薬管理表 株式会社キャプラ・ウィッシュ ①教材封入作業の手順書 特別養護老人ホーム 鶴住荘 ①清掃マニュアル ②業務の記録 ③業務内容と1日の流れ 京浜パネル工業株式会社 山形工場 ①手順書 株式会社カシマ① ①環境改善に関する資料 株式会社カシマ② 株式会社カシマ③ グリービジネスオペレーションズ株式会社 ①発達障害がある方などのための環境調整と配慮などについて ユニオン給食株式会社 ①イラスト入り手順書の貼り出し 株式会社ジェイアール西日本米子メンテック ①その方だけのためのオリジナルマニュアル ②「次の一歩」へのワンコメント ③私の「一歩」 株式会社グランドビジョン ①ホームランチームのサービス「お助けホームラン」 ②ホームランチームについて ③スケジュール表 ④連絡帳 ⑤ホームラン新聞 ⑥ホームランチームのイラスト ⑦ホームランチームのグッズやホームラン農園の収穫物 △バッグ △封筒 △リバーシブルコースター △ホームラン農園の収穫物 MCSハートフル株式会社 ①星の名札(例) ②認定証 ③名刺作成チェック表 ④勤怠処理チェックリスト ⑤日報 ⑥服薬管理表 株式会社キャプラ・ウィッシュ ①教材封入作業の手順書 応募いただいた事業所 平成28年度の障害者雇用職場改善好事例募集において、全国83事業所からご応募をいただきました。 事業所名  都道府県 1 ユニオン給食株式会社 北海道 2 株式会社ショーワ 北海道 3 株式会社シムス 北海道 4 株式会社北海道健誠社 北海道 5 社会福祉法人鶴住会 特別養護老人ホーム鶴住荘 青森 6 一般財団法人済誠会 十和田済誠会病院 青森 7 株式会社北日本朝日航洋 岩手 8 株式会社サイコー 宮城 9 社会福祉法人相和会 特別養護老人ホームビハーラ赤坂 秋田 10 京浜パネル工業株式会社 山形工場 山形 11 株式会社大善チルドセンター 福島 12 株式会社カシマ 茨城 13 社会福祉法人足利むつみ会 社会就労センターきたざと 栃木 14 河淳株式会社 今市テクニカルセンター 栃木 15 明電ユニバーサルサービス株式会社 群馬 16 MCSハートフル株式会社 さいたま事務所 埼玉 17 SAPハピネス株式会社 埼玉 18 株式会社富士薬品ユニバーサルネット 埼玉 19 ポラスシェアード株式会社 埼玉 20 株式会社サザビーリーグHR 市川業務サポートセンター 千葉 21 社会福祉法人常磐会 特別養護老人ホームときわ園 千葉 22 公益財団法人日本分析センター 千葉 23 シダックスオフィスパートナー株式会社 東京 24 大和ライフプラス株式会社 東京 25 丸紅オフィスサポート株式会社 東京 26 株式会社サンキュウ・ウィズ 東京 27 コニカミノルタウイズユー株式会社 東京 28 株式会社ビジネスパートナーズ 東京 29 株式会社エースソリューション 東京 30 株式会社リクルートオフィスサポート 東京 31 株式会社博報堂DYアイ・オー 東京 32 株式会社ジェイコムハート 東京 33 株式会社ベネッセビジネスメイト 東京 34 株式会社フロンティアチャレンジ 東京 35 株式会社ゲットイット 東京 36 グリービジネスオペレーションズ株式会社 神奈川 37 富士ソフト企画株式会社 神奈川 38 株式会社サザビーリーグHR 横浜業務サポートセンター 神奈川 39 株式会社スタッフサービス・ビジネスサポート 神奈川 40 株式会社湘南ゼミナールオーシャン 神奈川 41 株式会社ココット 神奈川 42 フジイコーポレーション株式会社 新潟 43 株式会社北越 砺波工場 富山 44 株式会社金沢環境サービス公社 石川 45 株式会社日本エー・エム・シー 福井 46 株式会社タンザワ 山梨 47 ENSEMBLE株式会社 岐阜 48 平下塗装株式会社 愛知 49 TIY株式会社 愛知 50 学校法人関西福祉学園 働き教育センター甲良 滋賀 51 株式会社駒月 滋賀 52 株式会社京都庵 京都 53 フジアルテスタッフサポートセンター株式会社 大阪 54 シャープ特選工業株式会社 大阪 55 昌和不動産株式会社 大阪 56 株式会社F・O・ホールディングス 兵庫 57 医療法人社団十善会 野瀬病院 兵庫 58 株式会社岸本製作所 奈良 59 オリックス・ゴルフ・マネジメント株式会社 サンリゾートカントリークラブ 和歌山 60 株式会社ジェイアール西日本米子メンテック 鳥取 61 有限会社アルソアいとくま 島根 62 丸藤伸興アゴおばさん弁当有限会社 島根 63 株式会社かみありづき 島根 64 株式会社キャプラ・ウィッシュ 岡山 65 株式会社カタオカ(特)チャレンジこざかなくんの親会社) 広島 66 株式会社コパックス (特)アクレスの親会社) 広島 67 株式会社ハートコープおのみち 広島 68 西精工株式会社 徳島 69 あなぶきパートナー株式会社 香川 70 有限会社AMプランニング 香川 71 有限会社松山サービス 愛媛 72 三昭紙業株式会社 高知 73 株式会社グランドビジョン 福岡 74 九州メタル産業株式会社 福岡 75 医療法人大和正信会 ふじおか病院 佐賀 76 株式会社にくせん 長崎 77 株式会社白屋リネンサービス 熊本 78 合同会社サンライズネットワーク 大分 79 オムロン太陽株式会社 大分 80 社会福祉法人弘心園 多機能型事業所心里 大分 81 医療法人社団望山会 有料老人ホーム望山荘 宮崎 82 有限会社新興産業 鹿児島 83 株式会社EMウエルネスリゾート 沖縄 応募状況 1.都道府県別応募数 都道府県  計 北海道 4 青森  2 岩手  1 宮城  1 秋田  1 山形  1 福島  1 茨城  1 栃木  2 群馬  1 埼玉  4 千葉  3 東京  13 神奈川  6 新潟  1 富山  1 石川  1 福井  1 山梨  1 長野  0 岐阜  1 静岡  0 愛知  2 三重  0 滋賀  2 京都  1 大阪 3 兵庫  2 奈良  1 和歌山  1 鳥取  1 島根 3 岡山  1 広島 3 山口 0 徳島 1 香川  2 愛媛  1 高知  1 福岡  2 佐賀  1 長崎  1 熊本  1 大分  3 宮崎  1 鹿児島  1 沖縄  1 合計  83 2.事業所規模別応募数 事業所規模  計 300人以上  1 200人~300人未満  9 10 人~200人未満  15 50人~100人未満  25 50人未満  33 合計  83 3.産業別応募数 業種  計 農業、林業  1 農業  1 製造業  22 食料品製造業  6 家具・装備品製造業  1 化学工業  1 金属製品製造業  3 はん用機械器具製造業  2 生産用機械器具製造業  2 電子部品・デバイス・電子回路製造業  2 電気機械器具製造業  1 輸送用機械器具製造業  3 その他の製造業  1 情報通信業  2 情報サービス業  1 インターネット附随サービス業  1 運輸業、郵便業  1 倉庫業  1 卸売業、小売業  7 飲食料品卸売業  1 建築材料、鉱物、金属材料等卸売業  1 その他の卸売業  1 織物・衣服・身の回り品小売業  2 機械器具小売業  1 その他の小売業  1 学術研究、専門・技術サービス業  3 学術・開発研究機関  1 技術サービス業(他に分類されないもの)  2 宿泊業、飲食サービス業  1 宿泊業  1 生活関連サービス業、娯楽業  5 洗濯・理容・美容・浴場業  3 その他の生活関連サービス業  1 娯楽業  1 教育、学習支援業  1 その他の教育、学習支援業  1 医療・福祉  11 医療業  3 社会保険・社会福祉・介護事業  8 サービス業(他に分類されないもの)  29 廃棄物処理業  2 その他の事業サービス業  27 合計  83 4.部門別応募数 中小企業等  50 特例子会社  33 合計  83 平成28年度障害者雇用職場改善好事例応募要項 1 趣旨  障害者雇用において雇用管理、雇用環境等を改善・工夫し、様々な取組を行っている事業所の中から、他の事業所のモデルとなる好事例を募集し、これを広く一般に周知することにより、事業所における障害者の雇用促進と職域の拡大及び職場定着の促進を図るとともに、障害者雇用に関する理解の向上に資することを目的とします。 2 募集テーマ  平成27年度障害者雇用状況の集計結果によると、民間企業における雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新し、法定雇用率達成企業の割合もすべての企業規模の区分で前年より増加しており、障害者雇用は着実に進んでいます。 その一方、法定雇用率未達成企業のうち障害者を一人も雇用していない企業の割合は、100~300人未満が全企業数の4割弱となっているところです。 また、平成27年4月から障害者雇用納付金制度の申告対象事業主の範囲が拡大され、100人を超え200人以下のすべての企業が納付金の申告対象となったことにより、100人~300人未満の企業における障害者雇用の一層の促進が求められています。 そこで、平成28年度においては、300人以下の中小規模の事業所における障害者の雇用促進及び職場定着に取り組んだ、以下に掲げる職場改善好事例を募集します。 (1) 作業内容の改善や職務内容の再構築、新たな職域の拡大、または職務創出が難しく、既存の業務に適応できるよう様々な対応をする等により職場定着を図った事例 ①配置された業務で能力を発揮できるよう、作業内容や作業方法の変更、作業工程などマニュアルの整備、指示の出し方の見直しなど工夫して取り組んだ事例 ②各人の障害特性や適性を把握し、それに応じた職務を創出したり、職務の再構築、配置転換などに取り組んだ事例 ③各人の得意分野を生かして担当作業を決める、勤務時間の設定を工夫するなど働きやすい職場環境を整えて職場定着を図った事例 (2) 各人の特性に配慮した雇用管理または社内体制整備に取り組んだ事例 ①相談窓口を整備するなど本人のストレスの軽減を図り、安心して仕事に取り組めるようにした事例 ②障害への理解を深めるために社内研修を設定する、社内規定の見直しを図るなど、受入体制の整備に向け取り組んだ事例 ③社員として自立して職務に従事できるように、スキルアップやキャリアアップのための取組、研修の実施などに取り組んだ事例 ④疾病管理と職務遂行の両立に向けた取組をした事例 (3) 支援機関との連携により新規雇用や継続雇用に取り組んだ事例 ①ジョブコーチ支援を活用し、新規雇用または継続雇用が実現した事例 ②職場外におけるサポートの充実を図るなど支援機関と連携し、役割分担をして新規雇用または継続雇用が実現した事例 3 主催 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 4 後援 厚生労働省 5 応募締切日 平成28年5月25日(水)(必着) 6 応募資格 (1) 障害者を雇用している、常時雇用している労働者数が300人以下の中小企業(事業所単位での応募も可。また、特例子会社の応募も可。)。なお、特例子会社の応募においては、精神障害者、発達障害者、高次脳機能障害者及び難治性疾患患者(以下「難病患者」)の事例とし、企業規模は問わない。 (2) 応募時点において、労働関係法令に関し重大な違反がないこと及びその他の法令上または社会通念上、表彰するにふ さわしくないと判断される問題を起こしていないこと。 (3) 応募事業所において障害者雇用に関する支援・コンサルティングを主たる営業品目としていないこと、かつ自企業グループ内に障害者雇用に関する支援・コンサルティングを主たる営業品目とする企業がないこと。 ※本募集の対象となるのは、障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)を所持する者のほか、以下のとおりです。 精神障害者:統合失調症、そううつ病(そう病及びうつ病を含む。)又はてんかんにかかっている者 発達障害者:発達障害者支援法第2条に規定する者 ( 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害 ) 高次脳機能障害:医療機関において高次脳機能障害と診断された者 ( 脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されており、主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害が主要症状の者) 難病患者:原因が不明であって、治療方法が確立していない、希少な難治性疾患のため、長期にわたり職業生活に制限を受ける者 7 応募方法 (1) 指定の応募用紙を使用し、応募用紙のみで改善の内容が簡潔にわかるようにご記入ください。また、応募用紙の各項目は変更しないでください。なお、参考資料として、図、イラスト、写真等をつけても構いません(添付資料はA4サイズにおさめてください)。ただし、学会や研究発表会等で使用した論文、著作本、大量の基礎データを参考資料として用いることはご遠慮ください。 (2) 応募する事例については、上記2の募集テーマ(1)~(3)の全部又は一部に該当するものとします。 (3) 応募用紙は、表紙に記載している「応募先・お問い合わせ先」のほか、厚生労働省、都道府県労働局、ハローワーク、当機構都道府県支部高齢・障害者業務課及び地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター等で配布します。 また、当機構のホームページからダウンロードした用紙も使用できます。 (4) 応募用紙は、表紙に記載している「応募先・お問い合わせ先」に郵送または電子メールにてお送りください。 (5) 前年度に入賞した事業所の応募につきましては、前年度と同様の改善事例又は改善内容の一部を変更した事例による応募は原則認めないこととし、新たな改善事例のみ受け付けることとします。 8 賞  優秀な事例には、最優秀賞(厚生労働大臣賞)、優秀賞(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞)、奨励賞 (独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長賞)を贈ります。なお、優秀賞と奨励賞については、部門(一般部門、特例子会社部門)を設け、部門ごとに賞を贈ります。 9 審査  当機構に審査員会を設置し、審査します。なお、審査において同程度の評価を受けた応募事例があった場合は、過去に受賞歴のない事業所を優先的に選定します。 10 表彰  上記の最優秀賞、優秀賞の入賞事業所の表彰式は、平成28年9月に東京で開催する予定です。 11 その他 (1) 応募の際、事例の対象となる障害者の承諾を得てください。また、障害者の名前の表記については、イニシャルを用いるなど匿名にしてください。 (2) 応募書類は、返却しません。 (3) 応募した文書の著作権及びこれに付随する一切の権利は、当機構に帰属するものとします。 (4) 応募に際して得られた個人情報は、当機構が管理し、本募集の実施運営にかかわる作業と障害者雇用の普及・啓発に関する資料送付のみを目的として使用します。 (5) 応募事例については応募状況、事業所名等を好事例集に掲載いたします。また、入賞事例については取材を行い、事業所名、担当者名、具体的な取組内容を好事例集として取りまとめ、事業所、関係機関、関係団体等に配布するとともに当機構ホームページに掲載いたします。障害者の個人名、写真の掲載については、本人の了解が得られた場合のみとします。 【審査員の構成】 審査員名  所属  役職 吉光 清 九州看護福祉大学看護福祉学部 社会福祉学科 教授 中川 正俊 田園調布学園大学人間福祉学部 社会福祉学科 教授 清家 政江 社会福祉法人JHC板橋会 障害者就業・生活支援センター ワーキング・トライ センター長 遠藤 和夫 一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部 副本部長 田中 歩 厚生労働省 職業安定局 雇用開発部 障害者雇用対策課 地域就労支援室 室長 藤井 伸章 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 理事 (敬称略、所属及び役職は平成28年4月1日現在) 障害者雇用を支援する施策 障害者雇用納付金制度 障害者雇用給付金制度とは  障害者を雇用するには、作業施設や設備の改善、職場環境の整備、特別の雇用管理等が必要とされることが多く、経済的負担が伴うことから、雇用義務を履行している事業主と履行していない事業主とではその経済的負担に差が生じることとなります。  障害者雇用給付金制度は、身体障害者、知的障害者及び精神障害者を雇用することは事業主が協同して果たしていくべき責任であるとの社会連帯責任の理念に立って、事業主間の障害者雇用に伴う経済的負担の調整を図るとともに、障害者を雇用する事業主に対して助成、援助を行うことにより、障害者の雇用の促進と職業の安定を図るため「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき設けられた制度です。 ◆障害者雇用給付金制度の概要 障害者雇用給付金の徴収 一人当たり月額50,000円(注) ○常用雇用労働者の総数が100人を越える事業主は、 ●毎年度、納付金の申告が必要 ●法定障害者雇用率を達成している場合も申告が必要 ●法定雇用障害者数が下回っている場合は、申告とともに給付金の納付が必要 独立行政法人 高齢・障害・求職者 雇用支援機構 障害者雇用調整金の支給 1人当たり月額27,000円 ●常用雇用労働者の総数が100人を超えており、雇用障害者数が法定雇用障害者数を超えている事業主に対し、申請に基づき支給 報奨金の支給 1人当たり月額21,000円 ●常用雇用労働者の総数が100人以下で、雇用労働者数が一定数を超えている事業主に対し。申請に基づき支給 在宅就業障害者特例調整金の支給 ●在宅就業障害者に仕事を発注した納付金申告事業主に対し、支払った業務の対価に応じた額を、申請に基づき支給 各種助成金の支給 ●障害者を雇い入れたり、雇用を継続するために職場環境の整備等を行う事業主に対し、申請に基づき費用の一部を助成 法定雇用障害者数を下回っている事業主 雇用している身体、知的、精神障害者の数 納付金 法定雇用障害者数 法定雇用障害者数を超えている事業主 常用雇用労働者の総数が100人を超える事業主 (注)常用雇用労働者の総数が100人を超え200人以下の事業主は、平成32年3月31日まで納付金の減額特例が適用されます。 1人当たり月額「50,000円」が「40,000円」に減額されます。 (納付金の額=(法定雇用障害者数−雇用障害者数)の各月の合計数×月額40,000円) ○平成29年度の申告で減額特例の対象となるのは、平成28年4月から平成29年3月までの12か月間に、常用雇用労働者の総数が200人以下の月が8か月以上(※)ある事業主です。 ※年度の中途の事業廃止等の場合は、取扱いが異なります。 お問い合わせ先 都道府県支部 高齢・障害者業務課(P79) 障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金 事業主や事業主の団体が障害者を新たに雇い入れたり、障害者の安定した雇用を維持するために、作業施設や設備の改善をしたり、職場環境への適応や仕事の習熟のためのきめ細かい指導を行ったりする場合には、少なからぬ経済的負担がかかることがあります。障害者雇用納付金制度に基づく助成金は、その負担を軽減し、障害者の雇用の促進や雇用の継続を図ることを目的とするものです。 ■助成金の種類(助成金の対象、助成率、限度額、手続き等は当機構ホームページ https://www.jeed.go.jp/disability/subsidy/) 障害者作業施設設置等助成金 障害者を労働者として雇い入れるか継続して雇用している事業主が、その障害者が障害を克服し、作業を容易に行うことができるよう配慮された作業施設、就労を容易にするために配慮されたトイレ、スロープ等の附帯施設もしくは作業を容易にするために配慮された作業設備(以下「作業施設等」といいます。)の設置または整備を行う場合に、その費用の一部を助成するものです。 障害者福祉施設設置等助成金 障害者を労働者として継続して雇用している事業主またはその事業主が加入している事業主の団体が、障害者である労働者の福祉の増進を図るため、障害者が利用できるよう配慮された保健施設、給食施設、教養文化施設等の福利厚生施設(以下「福祉施設等」といいます。)の設置または整備を行う場合に、その費用の一部を助成するものです。 障害者介助等助成金 重度身体障害者または就職が特に困難と認められる身体障害者を労働者として雇い入れるか継続して雇用している事業主が、障害の種類や程度に応じた適切な雇用管理のために必要な介助等の措置を実施する場合に、その費用の一部を助成するものです。 重度障害者等通勤対策助成金 重度身体障害者、知的障害者、精神障害者または通勤が特に困難と認められる身体 障害者を労働者として雇い入れるまたは継続して雇用する事業主、またはこれらの重度障害者等を雇用している事業主を構成員とする事業主の団体が、これらの者の通勤を容易にするための措置を行う場合にその費用の一部を助成するものです。 重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金 重度身体障害者、知的障害者、精神障害者を労働者として多数継続して雇用し、かつ、安定した雇用を継続することができると認められる事業主で、これらの障害のために事業施設等の整備を行い、モデル性が認められる場合に、その費用の一部を助成するものです。 お問い合わせ先 都道府県支部 高齢・障害者業務課(P79) 障害者雇用を支援する施策 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金) 身体障害者、知的障害者または精神障害者などの就職が特に困難な者をハローワークなどの紹介により新たに雇い入れた事業主に対して、その賃金の一部を一定期間助成することにより、これらの方の雇用機会の増大を図るものです。 ◯対象事業主 次の全ての要件を満たす事業主です。 ① ハローワークまたは適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等の紹介により、身体障害者、知的障害者または精神障害者など(65歳未満の者に限る。)を継続して雇用する労働者として雇い入れ、助成金支給後も引き続き相当期間雇用することが確実であると認められる雇用保険の適用事業主。 ② 対象労働者の雇入れの日の前日から起算して6か月前の日から1年間を経過する日までの間に、当該雇入れに係る事 業所で雇用する被保険者を事業主の都合により解雇したことがないものであること。 ③ 対象労働者の雇入れの日の前日から起算して6か月前の日から1年間を経過する日までの間に、当該雇入れに係る事業所において特定受給資格者となる離職理由により雇用する被保険者を、当該雇入れ日における被保険者数の6%を超えてかつ4人以上離職させていないこと。 ◯助成額など 対象労働者  助成金 大企業  中小企業※1  助成期間 大企業  中小企業 身体障害者、知的障害者(短時間労働者 ※2以外)  50万円  60万円  1年  1年 身体障害者、知的障害者、精神障害者 (短時間労働者)  30万円  40万円  1年  1年 重度身体・知的障害者、精神障害者、 45歳以上の身体・知的障害者 (短時間労働者以外)  100万円  240万円  1年6か月  3年 ※1 ここでいう中小企業の範囲は以下のとおりです。 産業分類  資本または出資額  常時雇用する労働者数 小売業(飲食店含む)  5,000万円以下  50人以下 サービス業  5,000万円以下  100人以下 卸売業  1億円以下  100人以下 その他業種  3億円以下  300人以下 ※2 ここでいう「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の者をいいます。 障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金) 障害者雇用の経験のない中小企業(障害者の雇用義務制度の対象となる労働者数50~300人の中小企業)が障害者を初めて雇用し、当該雇入れによって法定雇用率を達成する場合に助成するものであり、中小企業における障害者雇用の促進を図ることを目的としています。 ◯主な受給要件 受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。 (1) 支給申請時点で、雇用する常用労働者数が50人~300人の事業主であること。 (2) 初めて身体障害者、知的障害者及び精神障害者(以下「対象労働者」といいます。)を雇い入れ、1人目の対象労働者を雇い入れた日の翌日から起算して3か月後の日までの間に、雇い入れた対象労働者の数(※)が障害者雇用促進法第 43 条第1項に規定する法定雇用障害者数以上となって、法定雇用率を達成すること。 (3) 1人目の支給対象者の雇入れの日の前日までの過去3年間に、対象労働者について雇用実績がない事業主であること。 ※ 短時間労働者(週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の者を言います。)として雇い入れる場合は2人(重度身体障害者又は重度知的障害者を短時間労働者として雇い入れる場合は1人)で1人分としてカウントされます。 ◯受給額 120万円 障害者トライアル雇用奨励金 ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、就職が困難な障害者を一定期間雇用することにより、その適性や業務遂行可能性を見極め、求職者及び求人者の相互理解を促進すること等を通じて、障害者の早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。 ◯対象労働者 次の[1]と[2]の両方に該当する者であること [1] 継続雇用する労働者としての雇入れを希望している者であって、障害者トライアル雇用制度を理解した上で、障害 者トライアル雇用による雇入れについても希望している者 [2] 障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次のア~カのいずれかに該当する者 ア 重度身体障害者 イ 重度知的障害者 ウ 精神障害者 エ 紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望する者 オ 紹介日前2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上ある者 カ 紹介日前において離職している期間が6カ月を超えている者 ◯雇入れの条件 (1) ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること (2) 障害者トライアル雇用等の期間について、雇用保険被保険者資格取得の届出を行うこと。 ※ このほかにも、雇用関係助成金共通の要件などいくつかの支給要件がありますので、詳しくは「お問い合わせ先」までご確認ください。 ◯受給額 支給対象者1人につき月額最大4万円(最長3か月間) ※精神障害者を初めて雇い入れた事業主には最大8万円 障害者短時間トライアル雇用奨励金 継続雇用する労働者として雇用することを目的に、障害者を一定の期間を定めて試行的に雇用するものであって、雇入れ時の週の所定労働時間を10時間以上20時間未満とし、障害者の職場適応状況や体調等に応じて、同期間中にこ れを20時間以上とすることを目指すものをいいます。 ◯対象労働者 本奨励金における「対象労働者」は、継続雇用する労働者としての雇入れを希望している者であって、障害者短時間トライアル雇用制度を理解した上で、障害者短時間トライアル雇用による雇入れについても希望している精神障害者または発達障害者が対象となります。 ◯雇入れの条件 対象労働者を次の(1)と(2)の条件によって雇い入れること (1) ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること (2) 3か月から12か月間の短時間トライアル雇用をすること ◯受給額 受給対象者1人につき月額最大2万円(最長12か月間) 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金 発達障害者または難治性疾患患者をハローワークなどの紹介により常用労働者として雇い入れる事業主に対して助成 するものであり、発達障害者や難治性疾患患者の雇用を促進し、職業生活上の課題を把握することを目的としています。 事業主には、雇い入れた者に対する配慮事項等について報告をいただきます。 また、雇入れから約6か月後にハローワーク職員等が職場訪問を行います。 ◯対象事業主 特定求職者雇用開発助成金(p74)と同様です。ただし、対象労働者の雇用の状況などその雇用管理に関する事項について、報告書により支給申請にあわせて管轄の労働局に報告する事業主としています。 ◯対象労働者 次の[1]~[3]のすべてに該当する求職者です。 [1] 次の1または2に該当する者 ※1 ※1 障害者雇用促進法第2条第2号に規定する身体障害者、同条第4号に規定する知的障害者または同条第6号に規定する精神障害者である者は除きます。 1 発達障害者支援法第2条に規定する発達障害者 2 難治性疾患を有する者(詳しくは雇用関係助成金のご案内などでご確認ください) [2] ハローワークなどの紹介を受けた日に失業などの状態にある者(雇用保険被保険者でない者など) [3] 雇入れ日現在において満65歳未満である者 ◯助成額など 対象労働者  助成金 大企業  中小企業※2  助成対象期間  大企業  中小企業 短時間労働者以外の者  50万円  120万円  1年間  2年間 短時間労働者 ※3  30万円  80万円  1年間  2年間 ※2 ここでいう中小企業の範囲は以下のとおりです。 産業分類  資本または出資額  常時雇用する労働者数 小売業(飲食店含む)  5,000万円以下  50人以下 サービス業  5,000万円以下  100人以下 卸売業  1億円以下  100人以下 その他業種  3億円以下  300人以下 ※3 ここでいう「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の者をいいます。 P74,P75,P76 の お問い合わせ先 都道府県労働局、ハローワーク 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業 障害者が円滑に職場へ適応することができるように、ジョブコーチが職場に出向き、障害者本人と事業主や職場の従業員に対してきめ細かな支援を行います。 不安やストレスを抱えやすい精神障害者等の方々に対しては、作業遂行への支援だけではなく、相談を中心とした職場 内でのコミュニケーションに関する支援、不安や緊張・ストレスの軽減等の支援を行います。 また、職場の上司、同僚に対しては、本人の特性を踏まえた関わり方、業務内容・職場環境の調整の助言等を行います。 これらにより、事業所の上司や同僚による支援(ナチュラルサポート)にスムーズに移行していくことを目指しています。 ◯ジョブコーチの種類 ◆配置型ジョブコーチ※1  地域障害者職業センターに配置するジョブコーチです。就職等の困難性の高い障害者を重点的な支援対象として自ら支援を行うほか、訪問型ジョブコーチや企業在籍型ジョブコーチと連携し支援を行う場合は、効果的・効率的な支援が行われるよう必要な助言・援助を行います。 〔支援の契機〕 雇用の前後を問わず、必要なタイミングで支援を行います。(例:1不安の軽減や作業手順を覚えるために雇入れと同時に支援を開始。2配置転換や人事異動といった職場環境の変化により職場適応上の課題が生じたため雇用後の支援を開始)。 〔支援期間〕 個別に必要な期間を設定します(標準は2~4か月)。支援終了後は、必要なフォローアップを行います。 ◆訪問型ジョブコーチ※2  障害者の就労支援を行う社会福祉法人などに所属するジョブコーチです。高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する訪問型職場適応援助者養成研修又は厚生労働大臣が定める研修を修了した者であって、必要な相当程度の経験と能力を有する者が担当します。なお、その費用の一部を助成する制度があります。 ◆企業在籍型ジョブコーチ※2  障害者を雇用する企業に雇用されるジョブコーチです。高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する企業在籍型職場適応援助者養成研修又は厚生労働大臣が定める研修を修了した者が担当します。なお、その費用の一部を助成する制度があります。 地域障害者職業センター 都道府県支部 障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、事業主に対する雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関に対する助言・援助を実施しています。 地域障害者職業センター一覧 北海道障害者職業センター  〒001-0024 札幌市北区北二十四条西5-1-1札幌サンプラザ5階  TEL 011-747-8231 北海道障害者職業センター旭川支所  〒070-0034 旭川市四条通8丁目右1号 ツジビル5階  TEL 0166-26-8231 青森障害者職業センター  〒030-0845 青森市緑2-17-2  TEL 017-774-7123 岩手障害者職業センター  〒020-0133 盛岡市青山4-12-30  TEL 019-646-4117 宮城障害者職業センター  〒983-0836 仙台市宮城野区幸町4-6-1  TEL 022-257-5601 秋田障害者職業センター  〒010-0944 秋田市川尻若葉町4-48  TEL 018-864-3608 山形障害者職業センター  〒990-0021 山形市小白川町2-3-68  TEL 023-624-2102 福島障害者職業センター  〒960-8054 福島市三河北町7-14 福島職業能力開発促進センター内  TEL 024-526-1005 茨城障害者職業センター  〒309-1703 笠間市鯉淵6528-66  TEL 0296-77-7373 栃木障害者職業センター  〒320-0865 宇都宮市睦町3-8  TEL 028-637-3216 群馬障害者職業センター  〒379-2154 前橋市天川大島町130-1  TEL 027-290-2540 埼玉障害者職業センター  〒338-0825 さいたま市桜区下大久保136-1  TEL 048-854-3222 千葉障害者職業センター  〒261-0001 千葉市美浜区幸町1-1-3  TEL 043-204-2080 東京障害者職業センター  〒110-0015 台東区東上野4-27-3 上野トーセイビル3階  TEL 03-6673-3938 東京障害者職業センター 多摩支所  〒190-0012 立川市曙町2-38-5 立川ビジネスセンタービル5階  TEL 042-529-3341 神奈川障害者職業センター  〒252-0315 相模原市南区桜台13-1  TEL 042-745-3131 新潟障害者職業センター  〒950-0067新潟市東区大山2-13-1  TEL 025-271-0333 富山障害者職業センター  〒930-0004 富山市桜橋通り1-18 北日本桜橋ビル7階  TEL 076-413-5515 石川障害者職業センター  〒920-0901 金沢市彦三町1-2-1 アルソティ金沢彦三2階  TEL 076-225-5011 福井障害者職業センター  〒910-0026 福井市光陽2-3-32  TEL 0776-25-3685 山梨障害者職業センター  〒400-0864 甲府市湯田2-17-14  TEL 055-232-7069 長野障害者職業センター  〒380-0935 長野市中御所3-2-4  TEL 026-227-9774 岐阜障害者職業センター  〒502-0933 岐阜市日光町6-30  TEL 058-231-1222 静岡障害者職業センター  〒420-0851 静岡市葵区黒金町59-6 大同生命静岡ビル7階  TEL 054-652-3322 愛知障害者職業センター  〒453-0015 名古屋市中村区椿町1-16 井門名古屋ビル4階  TEL 052-452-3541 愛知障害者職業センター 豊橋支所  〒440-0888 豊橋市駅前大通り1-27 MUS豊橋ビル6階  TEL 0532-56-3861 三重障害者職業センター  〒514-0002 津市島崎町327-1  TEL 059-224-4726 滋賀障害者職業センター  〒525-0027 草津市野村2-20-5  TEL 077-564-1641 京都障害者職業センター  〒600-8235 京都市下京区西洞院通塩小路下る東油小路町803  TEL 075-341-2666 大阪障害者職業センター  〒541-0056 大阪市中央区久太郎町2-4-11 クラボウアネックスビル4階  TEL 06-6261-7005 大阪障害者職業センター 南大阪支所  〒591-8025 堺市北区長曽根町130-23 堺商工会議所5階  TEL 072-258-7137 兵庫障害者職業センター  〒657-0833 神戸市灘区大内通5-2-2  TEL 078-881-6776 奈良障害者職業センター  〒630-8014 奈良市四条大路4-2-4  TEL 0742-34-5335 和歌山障害者職業センター  〒640-8323 和歌山市太田130-3  TEL 073-472-3233 鳥取障害者職業センター  〒680-0842 鳥取市吉方189  TEL 0857-22-0260 島根障害者職業センター  〒690-0877 松江市春日町532  TEL 0852-21-0900 岡山障害者職業センター  〒700-0821 岡山市北区中山下1-8-45 NTTクレド岡山ビル17階  TEL 086-235-0830 広島障害者職業センター  〒732-0052 広島市東区光町2-15-55  TEL 082-263-7080 山口障害者職業センター  〒747-0803 防府市岡村町3-1  TEL 0835-21-0520 徳島障害者職業センター  〒770-0823 徳島市出来島本町1-5  TEL 088-611-8111 香川障害者職業センター  〒760-0055 高松市観光通2-5-20  TEL 087-861-6868 愛媛障害者職業センター  〒790-0808 松山市若草町7-2  TEL 089-921-1213 高知障害者職業センター  〒781-5102 高知市大津甲770-3  TEL 088-866-2111 福岡障害者職業センター  〒810-0042 福岡市中央区赤坂1-6-19 ワークプラザ赤坂5階  TEL 092-752-5801 福岡障害者職業センター 北九州支所  〒802-0066北九州市小倉北区萩崎町1-27  TEL 093-941-8521 佐賀障害者職業センター  〒840-0851 佐賀市天祐1-8-5  TEL 0952-24-8030 長崎障害者職業センター  〒852-8104 長崎市茂里町3-26  TEL 095-844-3431 熊本障害者職業センター  〒862-0971 熊本市中央区大江6-1-38 4階  TEL 096-371-8333 大分障害者職業センター  〒874-0905 別府市上野口町3088-170  TEL 0977-25-9035 宮崎障害者職業センター  〒880-0014 宮崎市鶴島2-14-17  TEL 0985-26-5226 鹿児島障害者職業センター  〒890-0063 鹿児島市鴨池2-30-10  TEL 099-257-9240 沖縄障害者職業センター  〒900-0006 那覇市おもろまち1-3-25 沖縄職業総合庁舎5階  TEL 098-861-1254 高齢・障害者業務課 都道府県支部  障害者の雇用に関する相談・援助、障害者雇用納付金制度に基づく申告・申請の受付、啓発等の業務を実施しているほか、高年齢者等の雇用に関する相談・援助、各種給付金の支給申請の受付等を実施しています。 高齢・障害者業務課一覧 北海道  〒063-0804 札幌市西区二十四軒4条1-4-1 北海道職業能力開発促進センター内 TEL 011-622-3351 青森  〒030-0822 青森市中央3-20-2 青森職業能力開発促進センター内  TEL 017-721-2125 岩手  〒020-0024 盛岡市菜園1-12-18 盛岡菜園センタービル3階  TEL 019-654-2081 宮城  〒985-8550 多賀城市名月2-2-1 宮城職業能力開発促進センター内  TEL 022-361-6288 秋田  〒010-0101 潟上市天王字上北野4-143 秋田職業能力開発促進センター内  TEL 018-872-1801 山形  〒990-2161 山形市漆山1954 山形職業能力開発促進センター内  TEL 023-674-9567 福島  〒960-8054 福島市三河北町7-14 福島職業能力開発促進センター内  TEL 024-526-1510 茨城  〒310-0803 水戸市城南1-4-7 第5プリンスビル5階  TEL 029-300-1215 栃木 〒320-0072 宇都宮市若草1-4-23 栃木職業能力開発促進センター内  TEL 028-650-6226 群馬  〒379-2154 前橋市天川大島町130-1 ハローワーク前橋3階  TEL 027-287-1511 埼玉  〒336-0931 さいたま市緑区原山2-18-8 埼玉職業能力開発促進センター本館4階  TEL 048-813-1112 千葉  〒261-0001 千葉市美浜区幸町1-1-3 ハローワーク千葉5階  TEL 043-204-2901 東京  〒130-0022 墨田区江東橋2-19-12 ハローワーク墨田5階  TEL 03-5638-2794 神奈川  〒241-0824 横浜市旭区南希望が丘78 関東職業能力開発促進センター内  TEL 045-360-6010 新潟  〒951-8061 新潟市中央区西堀通6-866 NEXT21ビル12階  TEL 025-226-6011 富山  〒933-0982 高岡市八ヶ55 富山職業能力開発促進センター内  TEL 0766-26-1881 石川  〒920-0352 金沢市観音堂町へ1 石川職業能力開発促進センター内  TEL 076-267-6001 福井  〒915-0853 越前市行松町25-10 福井職業能力開発促進センター内  TEL 0778-23-1021 山梨  〒400-0854 甲府市中小河原町403-1 山梨職業能力開発促進センター内  TEL 055-242-3723 長野  〒381-0043 長野市吉田4-25-12 長野職業能力開発促進センター内  TEL 026-258-6001 岐阜  〒500-8842 岐阜市金町5-25 G-frontII7階  TEL 058-265-5823 静岡  〒422-8033 静岡市駿河区登呂3-1-35 静岡職業能力開発促進センター内  TEL 054-280-3622 愛知  〒450-0002 名古屋市中村区名駅4-2-28 名古屋第二埼玉ビル4階  TEL 052-533-5625 三重  〒514-0002 津市島崎町327-1 ハローワーク津2階  TEL 059-213-9255 滋賀  〒520-0856 大津市光が丘町3-13 滋賀職業能力開発促進センター内  TEL 077-537-1214 京都  〒617-0843 長岡京市友岡1-2-1 京都職業能力開発促進センター内  TEL 075-951-7481 大阪  〒566-0022 摂津市三島1-2-1 関西職業能力開発促進センター内  TEL 06-7664-0782 兵庫  〒661-0045 尼崎市武庫豊町3-1-50 兵庫職業能力開発促進センター内  TEL 06-6431-8201 奈良  〒630-8122 奈良市三条本町9-21 JR奈良伝宝ビル6階  TEL 0742-30-2245 和歌山  〒640-8483 和歌山市園部1276 和歌山職業能力開発促進センター内  TEL 073-462-6900 鳥取  〒689-1112 鳥取市若葉台南7-1-11 鳥取職業能力開発促進センター内  TEL 0857-52-8803 島根  〒690-0001 松江市東朝日町267 島根職業能力開発促進センター内  TEL 0852-60-1677 岡山  〒700-0951 岡山市北区田中580 岡山職業能力開発促進センター3階  TEL 086-241-0166 広島  〒730-0825 広島市中区光南5-2-65 広島職業能力開発促進センター内  TEL 082-545-7150 山口  〒753-0861 山口市矢原1284-1 山口職業能力開発促進センター内  TEL 083-995-2050 徳島  〒770-0823 徳島市出来島本町1-5 ハローワーク徳島5階  TEL 088-611-2388 香川  〒761-8063 高松市花ノ宮町2-4-3 香川職業能力開発促進センター内  TEL 087-814-3791 愛媛  〒791-8044 松山市西垣生町2184 愛媛職業能力開発促進センター内  TEL 089-905-6780 高知  〒780-8010 高知市桟橋通4-15-68 高知職業能力開発促進センター内  TEL 088-837-1160 福岡  〒810-0042 福岡市中央区赤坂1-10-17 しんくみ赤坂ビル6階  TEL 092-718-1310 佐賀  〒849-0911 佐賀市兵庫町大字若宮1042-2 佐賀職業能力開発促進センター内  TEL 0952-37-9117 長崎  〒854-0062 諫早市小船越町1113 長崎職業能力開発促進センター内  TEL 0957-35-4721 熊本  〒861-1102 合志市須屋2505-3 熊本職業能力開発促進センター内  TEL 096-249-1888 大分  〒870-0131 大分市皆春1483-1 大分職業能力開発促進センター内  TEL 097-522-7255 宮崎  〒880-0916 宮崎市大字恒久4241 宮崎職業能力開発促進センター内  TEL 0985-51-1556 鹿児島  〒890-0068 鹿児島市東郡元町14-3 鹿児島職業能力開発促進センター内  TEL 099-813-0132 沖縄  〒900-0006 那覇市おもろまち1-3-25 沖縄職業総合庁舎4階  TEL 098-941-3301 障害者雇用に役立つ資料(マニュアルなど) ①マニュアル、好事例集 職場改善好事例集 障害者の雇用管理や雇用形態、職場環境、職域拡大などについて事業所が創意・工夫して実践している取組みを、テーマ別にとりまとめて紹介した事例集 障害者雇用マニュアル コミック版 障害者雇用に関する問題点の解消のためのノウハウや具体的な雇用事例を障害別にコミック形式でまとめたマニュアル はじめからわかる障害者雇用 〜事業主のためのQ&A〜 障害者雇用を進めるにあたり職務選定、労働条件、環境整備などについて不安や 悩みを抱える事業主のために、具体的方策を30のQ&Aを通じてわかりやすく解説したマニュアル マニュアルなどの資料は、ホームページからダウンロードできます。(PDFファイルまたはTEXTファイル) 障害者雇用資料 検索 ②障害者雇用リファレンスサービス 積極的に障害者雇用への取組みを行っている全国の事業所の事例をデータベースに蓄積し、「障害者雇用リファレンスサービス」としてホームページで紹介しています。業種や障害、事業所規模、指定するキーワードなどで雇用事例を検索することができます。 https://www.ref.jeed.go.jp/ ③就労支援機器などの貸出し 障害者を雇用している、または雇用しようとしている事業主に、障害者の就労を容易にするための支援機器の情報提供、無料貸出しを行っています。 また、障害者雇用の取組みをDVDにまとめ、事業主に貸出ししています。 障害者が実際に働く姿や職場での具体的工夫の内容を動画で見ることができます。 貸出しの概要、リストはホームページに掲載しています。 https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/dvd/index.html ①マニュアル、好事例集 ②障害者雇用事例リファレンスサービスについては、雇用開発推進部雇用開発課へ TEL: 043-297-9513 FAX: 043-297-9547 ③就労支援機器などの貸出しについては、中央障害者雇用情報センターへ TEL: 03-5638-2792 FAX: 03-5638-2282 誰もが職業をとおして社会参加できる「共生社会」を目指しています。 企画・発行 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 雇用開発推進部雇用開発課 〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉3-1-3(障害者職業総合センター内) TEL 043(297)9515  FAX 043(297)9547 https://www.jeed.go.jp/ 平成29年3月発行