ケースブック
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各事業所の取組130【Aさんへの対応例】①把握した状況・帳票印刷を担当。一度に与えられる業務量が多いと対応しきれるか不安を感じやすかった。・自身の担当分が終了していても、未処理の帳票が残っていると「会社に貢献できていない」と感じて自らを責めてしまうことがあった。②職場での対応・指導担当者が集まるミーティングで、上記の状況を共有した。・当日処理する帳票のみをカゴに入れてAさんに作業の指示をするようにした。当日処理をしない帳票は別のカゴに入れてキャビネットに保管した。③結果・Aさんはプレッシャーを感じることなく、落ち着いて業務に取り組むことができるようになった。・毎日の業務量を達成できていることが視覚的に分かりやすく、Aさんが安心感や業務への自信を持てるようになった。■ 改善後の効果・ナビゲーションブックの活用や定期面談を通して、Aさんの通院状況や服薬状況、仕事や職場に関する悩みや要望をしっかり聞き取ることができ、事業所として具体的な方策を実施することができた。・作業日誌に関するAさんとのフィードバック面談で、自身の業務内容や業務量が可視化され、会社に貢献できているとの認識を持てるようになった。また、毎朝体調を確認することで、無理のない業務計画を立てやすくなった。・Aさんへの取組を通して、他の障害のある社員についても改めて職場で必要な配慮や障害特性の理解に向けて話し合う機会が増え、1人ひとりが働きやすい職場環境づくりへの意識が全社的に高まった。なお、障害のある社員の対応で分からないことは、職場の管理者やジョブコーチが勉強会を行い、指導方法や助言内容の統一化を図ることで、支援体制の強化に取り組んでいる。

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