ケースブック
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各事業所の取組132精神障害のある労働者への声かけや褒めることの徹底、マニュアルの活用により、安心できる仕事につなげた取組医療法人社団知己会 龍岡ケアセンター精神障害■ 改善前の状況 高齢者施設において、精神障害のある社員(Aさん)を雇用するのは初めてであり、精神障害のある社員が安心して仕事できるような教え方や接し方、Aさんが不安を感じた時の対応などに戸惑いがあった。 また、Aさん自身も作業手順を含む仕事に対する不安や要望などを誰に相談していいかわからずストレスが生じていた。■ 改善策〇社内体制の整備等・社員を対象とした障害者雇用に関する研修会の実施により、障害者雇用の意義や障害特性等の理解を深め、法人全体として障害者雇用に取り組んでいく必要性について共通認識を得た。・Aさんが混乱しないように、指導担当者を固定し、マンツーマンで顔色を見ながら見本を見せて対応した。また、社内支援担当者は「障害者職業生活相談員」の資格を取得した。〇Aさんの特徴を踏まえた基本的な配慮・面談においては仕事以外の趣味などの話題を取り入れながら、Aさんがリラックスできるように配慮した。・Aさんが孤立しないように、周囲の社員が積極的に声かけするようにした。また、よかった点を具体的に提示しながら1日3回以上は褒めるようにした。・軽く頭をたたくことはAさんの不調のサインである。不調になっている原因を社内で共有し、その日のメンタルの調子により作業手順の見直しや作業の範囲などの再編成、休憩場所の確保などの対応を行った。〇仕事への取組の配慮・Aさんの「できること」に注目して仕事内容を編成した。・清掃作業においては、写真付きのマニュアルを整備し、朝礼時には指導員用業務日誌によりAさんを含む社員に対してその日の仕事内容を具体的に説明するようにした。また、廊下や食堂等の床にテープを貼り、行う

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