各事業所の取組80職場の安全のために労働者の精神面の安定を重視した取組医療法人社団知己会 龍岡ケアセンターすべての障害■ 改善前の状況 高齢者施設において、社内で安全衛生活動を行うにあたり、障害のある社員にどのように伝えて理解してもらうかのノウハウがなかった。また、障害のある社員においては、体調不良になっても本人からの申し出がなかったり、個々の精神面の状態の見極めが難しい場合もあった。 このような中で、社員の良好な健康状態を維持しながら、社内の安全面の対策について検討していくことが必要であった。■ 改善策〇安全衛生委員会職場における労働災害を防止し、職場の安全を確立していくために法人全体の取組として以下のことを確認した。→職場の安全のためには、社員それぞれが集中力を維持していくことが必要である。→集中力を維持していくためには、精神面の安定、良好な健康状態を保持することが必要である。→精神面の安定、良好な健康状態を保持するためには、社員同士が積極的にコミュニケーションをとりあうことが重要である。〇積極的な声かけや観察・社員同士のコミュニケーション・周囲から障害のある社員に対して積極的に声かけを行い、体調確認や仕事の進め方等について確認を行うようにした。・仕事に関する指導を行う場合は、障害のある社員の1日の業務の流れを観察し、本人の視点に立った危険予知を取り入れながら行った。なお、指導にあたっては、障害のある社員1人に対して1人の指導担当者を決め、コミュニケーションを取りながら対応するようにした。また、避難訓練や防災、感染症に関する講習などにおいても、障害のある社員が理解できるように指導担当者がサポートを行うなどの配慮を行った。・社員が調理場で包丁を使う場合、安全な包丁の使用方法の指導だけではなく、本人が集中力を維持できる状態にあるか、精神面や健康面に問
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