障害者の職場改善ケースブック
72/198

70◆社員の声(Aさん)【事例】Aさんは自宅にパソコンがなく、デジタル機器に対する苦手意識が強かったが、変化しつつある受託業務に対応するため、パソコンに対する抵抗感の軽減に取り組むこととなった。まず、Aさんにはパソコン電源のオン・オフとログインを日々行ってもらった。メモを取ることが得意で几帳面なAさんは、メモの活用で各操作を1週間で覚えることができた。Aさんから「もっと覚えてみたい」という前向きな発言があったため、月に2回、ログインを忘れている社員を確認してもらった。以来、主体的にログインし、忘れている社員にも声掛けをすることができるようになった。現在、スタッフが行っていた実績記録表へのデータ入力、連絡事項への文字入力、作成物を印刷、掲示する係などに段階を踏んで取り組んでいる。○社内環境の整備(1)特にポテンシャルのある社員のジョブローテーションを実施。新規執務室を整え、一人一台パソコンを付与した。発信された朝礼・夕礼の連絡事項を各自確認し、報連相もパソコンを利用する。社内全体の社員用パソコン台数は、2020年の43台から2022年5月現在で75台と増加した。はじめは苦手なのでどうしようかなと思いましたが、ログインから練習を繰り返し、やっているうちに慣れてきました。コピー・ペーストのやり方が難しかったですが、パソコントレーニングで入力を頑張り、今では社内掲示物を作成するなど業務の幅が広がりました。今後もパソコンがうまくなるように頑張っていきたいです。

元のページ  ../index.html#72

このブックを見る