聴覚障害者の雇用支援マニュアル
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目で見る言葉 ―それが手話です手話は、きこえない・きこえにくい人の多くが日常的に使用しているコミュニケーション方法で、手の表現や体の動作、表情を総合して構成されています。手話の語順や文脈構成は、必ずしもよく使われる日本語の文法と一致しないため、「手話は語いが少ない」「文法的に不明瞭」などと見られることもあります。しかし、手話は、異なる文法を持った表現豊かな言語だということを理解する必要があります。きこえない・きこえにくい人にとって、職場内に、たとえ上手ではなくても手話のできる上司や同僚がいる心理的な安心感は、非常に大きなものがあるでしょう。手話は、互いに親近感を生じさせ、また関係を築くきっかけを与えてくれる優れたコミュニケーション手段です。職場では、少しずつでもよいので、できるだけ多くの人が手話を覚え、使えるようになることが望ましいでしょう。この章では職場でよく使う手話を紹介します。なお、本章に掲載した手話は全て動画でご覧いただけます。前頁の二次元コードからアクセスできます。※「手話は言語である」と定義した「障害者権利条約」が平成18年12月13日の国連総会において全会一致で採択され、わが国でも平成26年1月20日に批准されました。同条約第二条では、言語が「音声言語及び手話その他の形態の非音声言語という」と定義され、手話が言語として国際的に認知されています。日本国内法制においても、「障害者基本法」に「言語(手話を含む)」と明記されており、手話が言語として法的に認知されています。糸を巻くように回転させる左に動かしながら人差指を伸ばす[手話](が)両手の人差指を向かい合わせ[分かる](と)右掌を胸にあて[早く]親指と人差指を閉じた右手をすばやく下におろす[通じ](ます)両手の人差指の先を近づけて合わせる[気持ち](が)右人差指で左胸あたりに小さな円を描く    112手話が分かると、気持ちが早く通じます11

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