せ見て覚えることが主になります。そのため、「施ぐ具第2章きこえない・きこえにくい人とのコミュニケーションこう工Checkスムーズなコミュニケーションのための工夫表現に関する理解にギャップがないかを確認し、理解を支援 慣用的な表現や新しい表現については、それがどのような意味を持ち、どのような行為などが求められている研修のように大量の情報が一方的に提供される場合には負担が大きくなります。会議などでは適宜、休憩を取るなどの配慮が望まれます。ときは、紙に書いてもらう方法(筆談)があります。紙以外にも、コミュニケーションボードなどの補助的手段を活用することも有効です。確実で円滑なコミュニケーションのためにも同様です。◉聞き取れないときは補助的手段の活用を きこえない・きこえにくい人の発音が聞き取れないなどを聞いた人がうなずいたり、「分かりました」といったとしても内容が十分に伝わっていないことがあります。きこえない・きこえにくい人の場合にも、日本語の理解力などから、十分に意思疎通が図れていないケースも考えられます。指示や説明の際には、重要事項はメモにするなど、確実に伝わるための配慮が必要です。キーワードや単語だけでも手話も交じえながら伝達したり、理解の状況を筆談で確認したりしながら進めることも有効です。とができますが、きこえない・きこえにくい人は目でじ」「治」など、特殊な読み方をする漢字の場合、書くことはできるし、意味も分かっているにもかかわらず、正しい読み方を知らないことがあります。 特殊な読み方をする漢字などには、できるだけ「ふりがな」をふる、業務で使用する特殊な言葉や略語などは、読み方や意味を明記したリストを作成、提示しておくと、スムーズなコミュニケーションに役立ちます。す。そのため、きこえない・きこえにくい人がこれを長時間続けることはストレスや疲労が蓄積し、理解力の低下などにつながる場合もあります。特に、会議やColumnかについて、関係者の理解にギャップがある場合があります。聴覚障害が情報障害であることから、こうしたギャップが生じやすい状況があります。 例えば、「報連相(報告・連絡・相談)」はどの職場でも日常的に行われているものですが、ある聴覚障害者は、「上司への報告」と限定的に理解していたため、業務で困ったことがあっても上司に相談することができていませんでした。これは、「相談」という言葉の意味を「自分では決めかねることについて、人(上司など)と話し合うこと」と理解していなかったためと思われます。 「報連相」に限ったことではありませんが、ある表現がどのような意味を持つのか、何をすべきかを関係者が共通に理解していることは重要です。きこえない・きこえにくい人に対し、重要な表現は折に触れて意味を伝える、新しい表現は具体的に説明するといった配慮と、必要に応じ、理解の支援を行うことが重要です。◉伝えるための工夫と確認の重要性 きこえない・きこえにくい人に限りませんが、説明◉特殊な読み方の漢字などには「ふりがな」を きこえる人は耳から聞いて漢字の読み方を覚えるこ◉休憩を取りながらのコミュニケーションを 口話(読話)や手話の読み取りには集中力が必要で27
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