聴覚障害者の雇用支援マニュアル
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①手話とは手話は「目で見る言葉」ともいえます。「障害者基本法」において、手話は日本語と同様、一つの言語とされています。きこえない・きこえにくい人が日常的に手話を使う場合は、手話が第一言語(生まれてから最初に身につける言語、自分を最も表現しやすい言語といった意味で用いられ、「母語」という場合もあります)です。手話が第一言語である人にとっては、手話が自分の気持ちを伝えやすいコミュニケーションの方法です。以下の②以降では、上司や同僚がきこえない・きこえにくい人と手話でコミュニケーションをとる際のポイントを紹介します。なお、社外から手話通訳の専門家である手話通訳者の派遣を利用することがあると思います。手話通訳者の派遣依頼や資格制度などについては「第3章 情報保障と就労」で紹介します。※手話通訳を担う人材、資格制度として「手話通訳者」「手話通訳士」がありますが、本マニュアルでは両方を総称して「手話通訳者」と表記し② 筆談や口話と組み合わせ、できるます。ただし、特定の資格を指す場合は「手話通訳士」のように表記します。なお、本マニュアルでは「(社内で)手話が使える人材(社員)」という表記を用いることがありますが、これは、資格などの有無にかかわらず、社内で手話通訳を担当する人を指します。ところから始める手話をマスターするまでには、かなりの期間を必要とします。しかし、マスターしてから使おうというのではなく、まずはできるところから始めてみましょう。その際には筆談や口話、身ぶり、表情などを組み合わせることも有効です。ただし、情報が正しく伝わっていることが重要な場面や複雑な内容を伝える場面では、認識共有がなされたことの確認が必要です。なお、手話にも方言があるなど、人によって手話の表現が異なることがあります。分かりにくい場合には文書などで確認するとよいでしょう。また、会社や業種によっては特有の用語・表現があります。それらについては本人(ありがとう)36

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