④ 社内で手話を使える人材の育成と相談しながら、手話表現を決めておくと日常の円滑なコミュニケーションに役立ちます。③職場の人間関係づくりのために手話を第一言語とする人は、手話によって仲間と自由に話し合い、互いに共感することで、信頼関係・人間関係を作っていきます。きこえる社員が手話を使い、手話を第一言語とする人と積極的にコミュニケーションを図ろうとすることは、手話を第一言語とする人にとってもうれしいものです。「そんなにできないから……」と消極的にならずに、伝えたい気持ちを第一に、簡単な表現からでよいので、手話でのコミュニケーションを図ってみてください。職場に手話が使える社員を増やすこと、社内に手話の輪を広げる取組も大切です。社内で手話を習得する方法としては、日頃から手話を使う機会(挨拶や休憩時の雑談など)を奨励することや、朝礼などでの簡単な手話の学習、手話を学ぶ講習会やサークル活動を行うこと第2章きこえない・きこえにくい人とのコミュニケーションなどがあります。既に取り組まれている企業では、定期または不定期に手話講習会を開き、きこえない・きこえにくい社員を含め、手話のできる社員から手話を教わる方法がよくとられています。また、昼休みや時間外などに自主的に集まって、サークル活動として手話を習得するところも増えています。これらをきっかけに、きこえない・きこえにくい人が職場定着への自信を持つとともに、社員とのかかわりが広がることにより、きこえる社員にとっても、きこえない・きこえにくいことへの理解が進み、職場内の人間関係が、より深まることにもつながります。One PointOne PointOne PointOne Pointどに関係なく、誰でも必要とする情報に簡単にアクセスでき、利用できることをいいます。令和4年5月に施行された「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」では、以下を社会に求めています。• 障害の種類・程度に応じた手段を選択できるようにすること• 日常生活・社会生活の地域にかかわらず等しく情報取得などができるようにすること• 障害者でない人と同じ内容の情報を、同一時点で取得できるようにすること• 高度情報通信ネットワークの利用・情報通信技術の活用を行うこと 手話を第一言語とする人の情報アクセシビリティは、場面によるものの、手話による情報保障である可能性が高いものと想定されます。地方自治体の中には、「手話言語条例」(自治体によって名称が異なる場合があります)を制定しているところもあります。情報アクセシビリティについて 情報アクセシビリティとは、年齢や障害の有無ない概念ですので、簡単に説明します。 アクセシビリティは全ての障害者を念頭におき確保すべきものですが、合理的配慮は特定の人の障害特性に合わせて行うものです。例えば、アクセシビリティは、社員の募集要項を点字版も提供する、募集案内サイトの説明をシンプルな分かりやすい表現にするといったことで、誰もがアクセスしやすい環境を予め整備することです。 一方、合理的配慮は、例えば、社員研修の実施に際し、通常の環境・方法では参加が困難な障害者がいる場合に、本人と相談しながら、障害特性に応じた配慮を、企業にとって過重な負担でない範囲で提供することです。手話を第一言語とする社員の場合であれば、本人の申し出により手話通訳者を配置することなどがこれにあたります。情報アクセシビリティと 合理的配慮の提供 アクセシビリティと合理的配慮は混同されやす(お疲れさま)37
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