聴覚障害者の雇用支援マニュアル
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事例を日常的に使っています。そのため、手話を第二言語とする社員の育成に取り組んでいます。具体的には、①社内に手話サークルを作り、参加を促す、②社内資格として「手話コミュニケーター」制度を設け、日常的なレベルの手話通訳を担ってもらう、③より専門的な手話通訳による意思疎通を支援する社員の育成のため、手話通訳者の資格取得を社員に推奨し、取得者の受験料を会社が負担するなどの取組を進めています。 一方で、個人情報の取扱いには留意しており、研修時の通訳などは社員が行いますが、人事評価のための面談などでは、外部の手話通訳者の派遣を会社で準備しています。 事例います。「今朝の手話」として毎日1つの単語を取り上げ、全員で練習しています。「おはようございます」「こんにちは」「お疲れさま」などの挨拶に始まり、日常よく使う単語や業界用語へと広げていきました。(B社) 手話を完璧にこなすのは容易ではありませんが、100語でも覚えれば随分と違い、ある程度の日常のコミュニケーションはとれるようになります。この2年の間にそうした社員がかなり増え、聴覚障害者との垣根が取り払われて、昼休みなどもきこえる社員と聴覚障害者の談笑風景がよく見られ、社内に活気が出てきたように思われます。 事例習会を年2回行っています。1回の講習期間は2~3か月間で、週1回2時間程度で行っています。初心者コースの回と、中級者コースの回を設定しており、初心者コースでは基礎学習を中心に行い、中級者コースでは聴覚障害者とのフリートーキングを中心に行っています。結果、以下のような変化や受講者からの感想が寄せられ、効果があったと考えています。• 職場の人たちが気軽に聴覚障害者に語りかけるようになりました。• 聴覚障害者とのふれ合いの中から、お互いの一体感が深まりました。• 手話講習会修了者のいる職場に配属された聴覚障害者が、手話がわずかでもできる人がいることに安心し、職場への適応がスムーズでした。• 社内の雰囲気が明るくなりました。 なお、手話講習会の参加を促すために、会社として次の取組を行い、成果につながりました。• 手話講習会のワッペンを作り、参加者につけてもらうことで周囲からの評価や、参加意欲の向上につながりました。• 手話講習会修了者を会社として表彰することで、本人の達成感につながりました。また、ほかの社員の参加意欲にもつながりました。 朝礼で練習 当社では、毎日行う朝礼の際に手話練習を行って会社独自の育成システムを構築 当社には数十名の聴覚障害者が働いており、手話(C社)(D社)計画的な講習会が効果を生む 当社では社員研修として、外部講師による手話講38事例から学ぶ

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