①情報機器とアプリICT(情報通信技術)をはじめとする、各種機器やアプリケーション・ソフト(アプリ)などの進歩には目覚ましいものがあり、障害者の就労場面でも活用されています。ここでは、きこえない・きこえにくい人の就労場面で活用されている機器などについて、情報機器などを中心に紹介します。主なものを一覧にまとめたものが46ページの表です。②では表に沿って紹介します。なお、コミュニケーションの方法と同様、どの機器やアプリがよいかは個人や職場環境などによって異なります。使いやすさや有効性、コストなどを考慮して活用しましょう。②種類と機能コミュニケーションのための支援機器として、情報通信機器などに関連するものがあります。まずは、スマートフォン(以下「スマホ」という)・タブ第3章情報保障と就労 3 情報機器・ソフトとの連動などの機能拡張が進んでいます。また、筆談のところで触れましたが、筆談支援機器もよく使われています。コミュニケーションボードなどとも呼ばれ、銀行や市役所などの窓口に備えられていることもあります。紙と違い何回も書いたり消したりできるもので、磁気式、ホワイトボード式、電子式(電子パッド)などがあります。比較的安価で、ポータブルで使いやすいので、導入が容易なツールです。そのほか、社内連絡や緊急時通報のための文字表示器、光や振動による信号装置、振動付腕時計などもあります。きこえない・きこえにくい人一人ひとりのニーズに応じて必要な機器などを整備し、コミュニケーションを図る方策を講ずることは、合理的配慮の提供、情報保障の観点だけでなく、仕事の幅を広げていくためにも有効です。③機器などの情報を得る方法既に様々な機器やソフトがあり、順次改良されてきています。また、新たに開発されたものも増えています。それら全てを把握し、活用することは簡レットなどの情報端末です。これらは、様々なアプリを組み込むことで、通話(音声・ビデオ)をはじめ、電子メールやSNS、音声認識・文字変換などの様々な機能を持つことが可能になります。きこえない・きこえにくい人も、カメラ機能を活用した手話での会話やメール、SNSなどを活用してコミュニケーションをとっています。通信関連のものとしては、FAX、電話着信確認器や難聴者用電話機などもあります。通信関連以外にも様々なものがあります。補聴システムは、補聴器や人工内耳の機能を補助するもので、会議や研修などにおいて、ヒアリングループ、会議用拡聴器などを設置することで、より聞き取りやすい「音」で伝えるものです。音声認識アプリは、日本語の音声を文字に変換し、スマホやパソコンの画面に表示するものです。近年はAI(人工知能)などの活用により、変換の正確さが向上しており、スマホで使用する人が多くなっています。また、変換結果の記録やほかの機器・アプリ単ではありませんので、JEEDの運営する就労支援機器などに関するサイトを確認する、就労支援機器貸出・相談窓口(東京)(※)に相談するといった方法があります。就労支援機器貸出・相談窓口では、専門家が機器などの活用に関する相談・助言や、機器の導入をお考えの事業所などに機器の無料貸出を行っています(135ページ参照)。また、ユーザーの情報が有用な場合もあるため、障害のある当事者から情報収集するのも有効です。本マニュアルの作成にあたり取材した人からは、機器などに詳しい障害のある友人や、当事者団体(地域のろうあ協会)に相談すると、新製品や使い勝手の情報が得られるとの話がありました。情報センター」の名称でサービスを提供しています。※ 令和7年3月まで「中央障害者雇用45
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