聴覚障害者の雇用支援マニュアル
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   ◉ 遠隔手話通訳サービスと4 その他●遠隔手話通訳サービス遠隔手話通訳サービスとは、スマートフォンやタブレット端末を利用して、離れた場所の手話通訳者による手話通訳を受けることができるサービスです。「障害者総合支援法」に基づく「地域生活支援事業」における「意思疎通支援(コミュニケーション支援)事業」として全国の市町村が主体となり実施するものと、民間企業が主体となりサービスを提供しているものがあります。前者は、行政機関や学校、病院などの利用に際し、手話通訳者の同行が困難な場合などにおいて、当事者や当該機関などからの申請に基づき実施されるものです。後者は、遠隔手話サービスの利用ニーズのある企業など(以下「利用企業」という)が予め遠隔手話通訳サービスの提供企業と契約を行い、利用企業にきこえない・きこえにくい人が訪れた際に当該サービスが利用できるようにしておくものです。令和6年度から、事業者による障害のある方への合理的配慮が義務化されたことにより、利用企業が増えてきています。企業の活用例としては、採用面接の際に、遠隔手話通訳サービスを活用したオンライン面接を行う、手話での対応が必要な顧客の来店時に、同サービスを利用し接客を行うといったことが考えられます。●電話リレーサービス電話リレーサービスは、聴覚や発話に困難のある方(きこえない・きこえにくい人)と、きこえる人(聴覚障害者等以外の人)との会話を通訳オペレータが「手話」または「文字」と「音声」を通訳することにより、電話で即時双方向につながることができる、法律に基づいた公共インフラとしてのサービスです。総務大臣が指定する電話リレーサービス提供機関「一般財団法人日本財団電話リレーサービス」が同サービスを提供しています。就労場面での活用例としては、きこえない・きこえにくい社員が社外の相手に急ぎの用件で連絡する際に、きこえる同僚に頼らずに自分で電話をして仕事をすることができます。これにより、きこえない・きこえにくい社員が同僚に気兼ねすることなく仕事を進めることができます。また、きこえない・きこえにくい社員の職域の拡大にもつながります。きこえない・きこえにくい人とのコミュニケーションを図る上で利用可能なほかのサービスを紹介します。電話リレーサービス両サービスとも意思疎通の円滑化、情報保障に関連するサービスです。手話通訳者利用者きこえる人一般財団法人日本財団電話リレーサービスリーフレットより遠隔手話通訳サービスのイメージ図48手話音声

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