職場配置の配慮・受入れ態勢害者職業生活相談員を選任することが義務づけられています。「障害者職業生活相談員資格認定講習」を受講し修了することにより、その資格を取得することもできます。また、企業在籍型職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)を障害者の働く職場に配置しているケースもあります。きこえない・きこえにくい人の雇用管理や職場定着に当たっては、手話通訳・要約筆記など担当者の企業内の育成や派遣が有効な場合があり、その配置・委嘱には助成金が支給される場合があります。きこえない・きこえにくい人の職場適応をめぐる問題は様々であるため、企業だけで対応することに悩まれる場合には、ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどの支援機関を活用し、連携企業内のきこえない・きこえにくい人の人数にもよりますが、きこえない・きこえにくい人を一つの部署にまとめて配置しているケースもあれば、各部署に分散させて配置しているケースもあります。一つの部署にまとめて配置しているケースについては、情報提供の仕方を一元化しやすく、効率よく情報保障できるメリットがあります。しかし、きこえない・きこえにくい人同士だから人間関係がうまくいくとは限らず、中にはきこえない・きこえにくい人同士のコミュニティにストレスを感じて仕事に支障を来してしまうケースもあります。各部署に分散させて配置しているケースについては、各部署の担当者の目が届きやすいというメリットがあります。しかし、担当者が単純に配慮を失念していたような状況でも、遠慮が第4章採用・配置、受入れ態勢 ちな人の場合、過去に伝えた同じ要望を再度伝えることができず、必要な情報保障を気にかけてもらえない孤立感から、職場不適応の状態になってしまうことがあります。どちらの場合であっても、本人の能力や適性に応じた職務への配置が基本であり、企業担当者ときこえない・きこえにくい人が職場環境を定期的に振り返る機会を持ち、情報保障などの配慮が維持されることが重要です。職場適応を左右する大きな要因の一つとして「人間関係」があります。良好な人間関係を形成するには、障害特性に応じた丁寧な相談・指導を行うことが重要です。障害者を5人以上雇用する事業所においては、「障害者雇用促進法」の規定に基づき、厚生労働省が定める資格を有する社員の中から、障害者の職業生活全般にわたる相談・指導を行う障して対応していくことが重要です。One PointOne Point計画に基づいて定期的に事業所を訪問し、障害者及び事業主に対して、障害特性を踏まえた専門的な支援を行います。国のジョブコーチ支援制度においては、①配置型ジョブコーチ(地域障害者職業センターに所属するジョブコーチ)、②訪問型ジョブコーチ(就労支援を行っている社会福祉法人などに所属するジョブコーチ)、③企業在籍型ジョブコーチ(障害者を雇用する企業に所属するジョブコーチ)の3種類があります。ジョブコーチ 障害者が円滑に職場に適応することができるように、支援5322
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