聴覚障害者の雇用支援マニュアル
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Check❶ 本人の「聞こえ」の状況を正しく把握する❷本人の「聞こえ」の特徴を理解する❸ 職場の規則、ルール、マナーを分かりやすく説明する❹ 企業における職場の役割や他部署との関係などについて十分に説明する❺ 1人ひとりの特性、能力に配慮して、業務分担を検討する❻ 作業指導担当者及び職業生活に関する相談を行う担当者を決めておく受入れ時のチェックポイント(例) 「聞こえ」の状況は一人ひとり異なります。何よりも大切なのはコミュニケーションです。まず、本人に確認して情報を得てください。本人が就労パスポートなどを作成している場合は、職場で共有を希望する内容を確認してください。確認のポイントは次のとおりです。• 障害の程度・等級(目安として捉える)• 聞こえの状況(具体的に)〈例〉➡1対1の会話は大丈夫ですか?➡複数人での会話は難しいですか?➡左右の聞こえ方はどうですか?➡電話業務は避けたほうがよいですか?➡ 補聴器を使用したときの聞こえ方はどうですか?• 聴力の変化• 口話、手話、筆談など、コミュニケーションの方法〈例〉➡ どの位の速さで話すとよいですか?➡複雑な話は筆談の方がよいですか?➡ グループでの会話はどのような方法がよいですか?• 平衡感覚への影響• 体調、天気や環境で「聞こえ」が変化することがあるので確認すること。〈例〉➡ 疲労がたまってくると聞こえにくくな➡ 雨が降ると音が沈んで聞き取りにくくなる➡ 台風のとき、気圧の変化で耳鳴りがする➡ 静かな場所では言葉が聞き取れても、雑音が入る場所や複数の会話では聞き取りにくくなる• 口話の場合、唇を読み取るためには、相当な集中力を必要とするので非常に神経が疲れる。また、マスクをしている話者の唇の動きは読み取れないことにも留意すること。• 情報収集、応接、会議、対人関係などに苦手意識を持っている場合もあるため、本人の状況に気を配ること。• 勤務時間、休憩・休暇の取り方• 緊急の場合の連絡方法• ロッカーなどの利用方法• 職場の特別なルールなどがあれば、忘れずに説明すること(当番などがある場合は、情報としてはっきり伝える)。• 非常時の連絡方法や避難ルートについて説明し、一緒に場所を確認しておくこと(BCP(事業継続計画)なども改めて確認しておくこと)。 自分の働く職場が、企業の中でどのような役割を持ち、仕事の流れはどうなっているのか、その中で自分の担当業務はどの部分であるか、周囲の人々の役割分担も含め、丁寧に説明しましょう。る54

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