聴覚障害者の雇用支援マニュアル
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職場でのコミュニケーション表1は、障害のある方が感じている合理的配慮の必要性について、障害別、配慮項目別に調査・比較したものです。きこえない・きこえにくい人(表1では「聴覚言語機能」と表記)は、「コミュニケーション」、「定期的な相談」、「能力発揮できる仕事」、「業務遂行の支援や助言者の配置」に関連する項目(赤枠)の配慮を必要としていることが分かります。また、この研究では配慮の十分さも調査しており、きこえない・きこえにくい人は、多くの配慮を必要としているものの、その配慮が十分に受けられていないと考えられる項目が、ほかの障害と比べて多いという結果も示されています。きこえない・きこえにくい人はコミュニケーションの配慮を必要としているにもかかわらず、職場で十分な配慮が得られていないと感じている実態があるといえます。表2、表3は一般財団法人全日本ろ表1 各配慮項目に対する障害カテゴリーごとの配慮必要率内部障害n=1,043精神障害n=849発達障害n=582必要率(%)必要率(%)必要数必要数7112.29.620223.819934.2視覚障害n=148必要率(%)必要数移動のための配慮5033.812920.3作業を容易にする設備・機器の整備9664.928544.8短時間勤務など労働時間の配慮6241.922234.9調子の悪いときに休みやすくする配慮9161.539562.11,04062.873970.971484.144877.0通院・服薬などの雇用管理上の配慮6745.323737.3能力が発揮できる仕事への配置8960.142066.0業務内容の簡素化などの配慮7852.731649.7感覚過敏を緩和するための配慮4127.714022.0業務指示やスケジュールの明確化7047.338861.0作業手順の明確化5839.237158.3コミュニケーションのための配慮7047.347674.8業務遂行の支援や助言者の配置6745.341364.9教育訓練・研修の充実4631.127142.6上司などによる定期的な相談8456.842667.0職業生活などに関する相談員の配置4530.425439.9安全対策の充実5436.531549.5設備・施設の充実5839.230848.4能力に応じた評価、昇進・昇格6745.336557.4独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「○調査研究報告書 No.176 障害者の雇用の実態等に関する調査研究」(2024年3月)※黄色枠線は、各障害カテゴリー内で、半数以上の者が必要としている配慮項目の中でも最も大きい必要率聴覚言語機能n=636肢体不自由n=1,655必要率(%)必要率(%)必要数必要数必要数59335.812111.612114.362537.814513.922927.019333.255833.740939.253563.029250.275845.862559.958468.833757.988153.249047.062673.745778.566640.233231.853663.140269.122913.810066740.332931.560270.947882.157034.425324.352962.343073.952231.522421.551460.538365.859235.825424.454664.343574.747328.622922.042349.827447.182850.046744.865477.046279.443126.023222.245653.730251.954032.622221.332538.323039.581149.035934.449057.734960.071843.441039.352161.434158.6高次脳機能障害n=100難病n=230必要率(%)必要率(%)必要率(%)必要数必要数2727.08436.54040.07934.35050.011550.07777.018078.36969.014563.07070.013759.66565.010947.43030.03615.77373.010043.56464.08235.76060.08537.06767.010043.54747.07130.97272.013659.14545.08537.04545.08235.75555.012353.55454.011851.36611

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