「精神障害者と働く」2020
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ハイ!病気だったら病気を治してから仕事をするのがよいのでは…精神障害の場合慢性的な疾患と捉えて服薬や定期的な通院を継続するとともにさまざまな配慮や工夫をしながら職業生活を送ることができますまた、障害についての考え方は近年大きく変化し症状の変動や治る可能性があっても一定期間以上生活面や対人関係上の課題仕事や社会活動に制限がある状態は障害とみなすという捉え方が一般的です●主な症状気分障害とはうつ病やそううつ病の総称で、うつ状態では、「憂うつ・悲観・絶望感・自己を責める・興味や関心がなくなる・考えがまとまらない・判断や決断ができない・集中力に欠けるなど」(思考や意欲の変化)、「不眠や熟睡できない・疲れやすい・食欲低下・頭痛など」(身体症状)がみられる。そう状態では、「気分の高ぶり・イライラ感・飛躍した考え」(思考面)、「落ち着きがない・口数が多い・外出や電話を頻繁にする、浪費など」(行動面)、「不眠、食欲亢進など」(身体面)がみられる。●発症の特徴うつ病は一生のうちに15人に1人は罹ると言われるほど頻度の高い疾患で、そううつ病はうつ病に比べて頻度は低い。うつ病は若いときに発病することが多いが、中高年での発病も少なくない。●通院・服薬うつ病では服薬と休養による治療が基本となる。そううつ病では服薬による治療が中心となる。いずれの場合も一定期間服薬の継続が必要。●主な症状さまざまな成因による慢性的な脳の疾患で、てんかん発作は脳の神経が一時的に激しく活動することにより起こるもの。「全身けいれんを起こして倒れる」というイメージがあるが、発作には多くの種類があり、大きく分類すると以下の2つに大別される。部分発作:脳のある部分から始まる発作で、意識が保たれたままであったり、徐々に意識が消失したり、全身のけいれんに進展する場合がある。全般発作:発作のはじめから、脳全体で神経が激しく活動するため、意識が最初からなくなることが多いという特徴がある。●発症の特徴3歳以下の発病が最も多く8割が18歳以前に発病するが、近年は脳血管障害等による発病も増えており、発症率は100人に1人程度と言われている。●服薬・通院個々人の状態に応じた薬を選択し、継続的な服薬による治療が行われる。気分障害てんかん第1章基礎編9

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