高次脳機能障害者と働く2020
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解 説解 説 通院・服薬状況、禁忌事項の把握、発作などの症状が起きた際 の対処と連絡先の把握、対応にかかる社内体制構築など ストレスや不安の緩和のための面談の実施、場合によっては 医療機関への相談など ❹ メンタル面の状況把握 ❸ 医療面の状況把握  (高血圧、てんかんなど)方 法ポイント項目  高次脳機能障害のある方は、一般的に疲れやすい(易疲労性)、特に脳が疲れやすいと言われています。体の疲れのように自覚しにくく、知らず知らずのうちに集中力・注意力の低下やあくび・眠気などが現れて、作業のミスや抜けにつながりやすくなりがちです。この疲労に対しては「休む」ことが有効な対策となりますが、その際、「脳に大きな負担となる作業をしない=作業を止めて、外を眺める、目を閉じる、ストレッチする、水分補給する」などがポイントとなります。  このほか、高血圧やてんかんなどにより定期的な受診、服薬などの治療が継続している方がおり、アルコール類やたばこなど禁忌事項がある方もいます。安定した就労を継続していくためには、本人による自己管理が前提となりますが、事業所においても、服薬時間の確保や通院への配慮はもとより、体調面における自己管理がどの程度できているかを把握しておくことが重要です。  さらに、高次脳機能障害のある方の中には、障害を負ったことによる精神的なショックや、脳の損傷による感情面のコントロールの問題などにより気分が落ち込みやすくなる方もいます。 これらを踏まえ、必要に応じて医療機関や支援機関、家族などと情報を共有するとともに、体調管理において改善が必要な場合に相談・連絡ができるように連携を深めておくことが望まれます。 疲労のサインや疲労の程度、睡眠時間の把握など  こまめな小休憩の導入など ※疲労に対する自覚がない場合、例えば1時間に5分程度休憩する  などの対応が有効な場合があります ※個々人の状況によりますが、過度な身体的負荷のかかる作業は  避ける、残業は避けるなどの対応が有効な場合があります ❷ 疲労への対処 ❶ 疲労の把握<体調管理のポイント>体調管理への配慮57

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